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癌と生きる 依存症と生きる

命がある限り希望を持つということ

依存症と脳の話(4)人間の脳の作られ方

2015-10-12 15:41:00 | 依存症
脳の仕組みを、どうすれば少しでも分かりやすく説明できるか
ということで、成田奈緒子さんという文教大学の先生で、小児科医でもある方が
書かれた「脳と心の発達メカニズム」という資料をもとに考えてみました。

生まれたばかりの赤ちゃんの脳は、神経細胞はあるのですが
まだつながってはいません。
それが4か月くらい経つと、睡眠のリズムや食欲のコントロールができて
ミルクの間隔があいて、5~6時間眠るようになります。
そして、首がすわり、寝返り、お座り、はいはい、歩行と
運動の機能を獲得していきます。

ことばの機能は1才過ぎから発達し始め
2才では二語文、3才過ぎからは生活に必要な会話ができるようになっていきます。
人間の脳は、このように古い脳の成熟を追いかけるようにして
新しい脳の機能を獲得し始めるのです。

この間、神経細胞から神経細胞へ情報(電気)を流すことができるように
神経細胞の先端にたくさんのシナプスというものが作られていきます。
このシナプスの先端から、色々な種類の神経伝達物質が放出されることで
人間はすべての行動を行うことができると、ざっくり言えばこんな感じのようです。

神経伝達物質にはたくさんの種類があるのですが
その中でも特に、人間の「心」と呼ばれるものに
重要な役割を果たしているのが、モノアミン神経系という中の
ドーパミン、ノルアドレナリン、セロトニンという三種類の神経系です。

この三種類の神経系は、人間の古い脳の部分にあって
新しい脳である大脳皮質、中でも前頭葉に伸びる突起を持っています。
前頭葉は、人間の成長にともなって、言語や記憶などの
たくさんの情報を蓄え、認知や判断、思考など
複雑で高度な処理ができるようになっていきます。
つまり前頭葉は、すべての行動の司令塔なのです。

古い脳で不安や恐怖、怒りや衝動性、あるいは生理的な快感
といった原始的な情動が起きると、ドーパミンやノルアドレナリンが出ますが
それは神経系を経由して、前頭葉に蓄えられた
人間らしい行動ができる機能に変換されるというのが
本来の、正常な脳の働き方であるということのようです。

ですから、古い脳からドーパミンやノルアドレナリンを放出する神経系が
正常に前頭葉と連動して効果的に働けば
集中力や積極性、意欲を高め、より人間の能力を高める方向に働きます。
これらの神経伝達物質は、人間にとって、まさに諸刃のやいばというわけです。

この脳内の神経のつながりの作られ方は
遺伝による部分も大きいのですが、多くの部分は生後の環境によって
左右されることが最近分かってきたのだそうです。

このように、脳の機能という面から考えていくと
依存症を含めて、人間の精神の不調に大きく関係しているのは

1 ドーパミン、ノルアドレナリン、セロトニンという
  神経伝達物質のバランスや放出のされ方
  および前頭葉とのつながり方


2 それらの神経伝達物質による情動をコントロールする前頭葉の機能

ということになるのではないでしょうか。

話はそれますが、こうした科学的な分野では
専門家の人たちが、完全に実証されていないことは
公表しない、断言しないという傾向があります。
実証されてないからと、批判する人や反論する人もいます。
けれど、脳の仕組みが100%解明されるなんて、いつになるか分かりません。

私のようなど素人の、有能でもないただのおばちゃんが
うんうん言いながら資料を読んで
依存症で悩んでおられる人たちに、たとえ一人でもいいから
役に立つ情報を伝えたいと悪戦苦闘しているわけですから
たとえ5割でもいいから、分かっていることを
現実の問題に役に立つように
伝える努力をしていただきたいなと心から思います。

欧米と違って、日本では依存症に対応できるシステムが
ほとんどないことは、これまでにも何回も書きました。
北斗さんの乳がんの報道で、お医者さんが余命に触れられたことは
大きなニュースになりました。
乳がんの闘病ブログを書いておられる方は
ブログ村だけでも1000人以上おられ、余命について書かれる方も多いです。
けれど、お医者さんの言葉が世間に与えるインパクトは
それとは比べ物にならないくらい強いのだなと思います。
がんについては、有名人の方がなられるたびに
お医者さまがコメンテーターとして登場され
熱心に予防や治療の必要性をアピールされます。

同様のことを、色々な依存症についてもやっていただきたいです。
専門家の方が、がんと同じくらい
じゃんじゃん情報を発信してくだされば
世間の認知度は、今とは比べ物にならないくらい上がるのにと思います。

依存症が、老若男女あらゆる世代に広がり
依存症が原因と思われる犯罪も多発し、深刻な問題になってきている現状で
専門家である医療界が、ほとんど動かないという状況では
依存症に対応できるシステムは
5年たっても10年たってもできるはずがありません。

患者さんと家族、医療界やカウンセラー
そして自助グループや回復施設が
お互いの情報を共有し、連携して、有機的に
すべての依存症に対応していただける
せめて欧米並みに、そうしたシステムが稼働する日が
一日も早くくることを願ってやみません。




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依存症と脳の話(3) 古い脳と新しい脳

2015-09-15 15:03:41 | 依存症
本当は一番最初にこれを書くべきだったかと
今へこんでいます。前にも書きましたが、インプットした情報を
あまり興味のない方にも、分かりやすく読んでもらうには
どうすればいいのかという、情報を整理する能力に欠けています。
と愚痴を言っても始まらないので…

脳はとても大きく分けて二つに分かれています。
「古い脳」と「新しい脳」と呼ばれることが多いようです。

古い脳と呼ばれるのは、人間以外の動物にもある脳幹や大脳辺縁系で
生物の生存に関わる、食欲、排泄欲、睡眠欲、性欲
それと、快不快、不安や恐怖、なわばり、仲間づくり、攻撃、危険回避
などの本能や情動に関する機能をつかさどる部分です。

「新しい脳」と呼ばれるのは高等哺乳類で発達している
大脳新皮質(前頭葉、後頭葉、側頭葉、前頂葉)です。
ここは視覚や言語や記憶、意欲や興味
脳の他の部分に対する抑制などのコントロールといった
高い学習能力や判断をつかさどっています。

この大脳新皮質の、特に前頭葉の前頭前野という部分を
中心にしたコントロールは
本来は古い脳全体に働くようになっています。
しかし当然のことながら
赤ちゃんの脳にはそういう高度な能力はないのですから
新しい脳である大脳新皮質の働きは、色々なことを学習することによって
成長とともに獲得し、発達していくものと思われます。

人間が人間らしく行動できるためには
本能や情動に基づく欲求を
大脳皮質の働きによってコントロールできることが理想です。
けれど古い脳から発せられる欲求は
ものすごく強力なものなので
大脳新皮質によるコントロールがきかなくなり
古い脳が新しい脳を支配してしまう
これが、脳の構造という面から見た依存症の形なのだろうと思います。

他には古い脳で情動が発生する時間と
新しい脳での情報処理の速度の違いです。
食欲とか性欲、快不快、不安や恐怖によって起こる情動は
ほんのわずかなステップで起きるので
新しい脳による、たくさんのステップを必要とする
つまり時間がかかる高度な判断が追いついていかない。
その結果古い脳が新しい脳を支配してしまうという事態が起こります。
この脳の構造を理解すると
依存症の衝動を、理性や意志の力で止めることができないと
言われている理由も少し理解できます。

そしてそこには、前に書いた神経伝達物質も
大きく関わっているのですが
神経伝達物質については、かなり難しいので
まだまだ勉強中です。

なぜこんな愚にもつかないことを延々と書いていくかと言えば
ギャンブル依存症者のご家族はもちろんですが
子どものスマホやネットの依存に悩んでいる親御さんに
依存症というものを、色々な角度から理解してほしいと思っているからです。

理由については、あくまで私の憶測に過ぎないのでここには書けませんが
あと3年とか5年とかしたら
薬物依存の問題が激増してくるのではないかと深く危惧しています。
前にも書きましたが、最近の薬物は、昔のように
注射などというような、おどろおどろしいものではありません。
まったく薬物などとは思わせないような形で
本当に得体が知れないものが、私たちの身近に出現し
しかも小学生にまでスマホが浸透してきましたから
予想もしないところから、予想もしない形で
薬物が日常に進入してくる可能性は大きいと思います。

少し調べてみたら、2010年のアメリカの調査で
12才以上のアメリカ人の、約2260万人が
調査の日からさかのぼって1ヶ月以内に、何らかの違法薬物を使用した
という結果が出ています。これは12才以上の人口のおよそ8.9%
12才以上といったら、小学6年から中学1年
日本もけして対岸の火事、ひとごとではないと思います。

薬物も、ギャンブルも、アルコールも、スマホやネットも
スーパーコンピューターの何十倍もの性能を持つといわれる
精密な人間の脳を破壊する可能性があるという点では同じです。
依存症とは何なのか、どうすれば病気になることを回避できるのか
もしも病気の領域に入ってしまったら
回復するためにはどういう方法があるのか
まずは関心のある方からだけでも、有意義な情報は共有し
有効に活用していただけたらと願っています。



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依存症と脳の話(2) 神経細胞

2015-08-08 15:18:57 | 依存症
色々なこころの病気や依存症の話では
「セロトニンが足りない」とか「ドーパミンが出過ぎて」とかいう
説明が出てきますが、よくよく考えてみると
断片的な知識ばかりで、全体像がよくわかりません。

それで脳の構造とか働きとか脳内物質といわれるものについて
大体でいいから理解したいなと思ったわけです。
ただし今から分厚い専門書を何冊も読んでというのでは
それこそ間に合わないし、専門用語満載の解説を
理解できるような頭でもありません。

で、あちこち探していたら「脳の講座」というサイトがありました。
イラストで、会話形式で説明されているのでわかりやす~い。
しかも内容は相当に専門的なところまで丁寧に書かれています。
そのサイトの内容を中心に、さらにざっくりとまとめてみようと思いますが
私の未熟な説明では分からない、不満だよという方は
リンクをしておきますので「脳の講座」を見てみてください。

脳は、視覚や聴覚や嗅覚、記憶や判断、言語の理解
運動や感情や意思など、すべての生命活動の中心である。

脳には約1000億個の神経細胞がある。

「思考」「感情」「記憶」「行動」などは
すべて脳が作り出す情報である。

脳に伝えられる情報とは電気である。

細胞は体内に栄養と酸素を取り入れてエネルギーを作り
このエネルギーが電源の役割をして
エネルギーを消費させて、電気を発生させている。

例えばりんごを見て「りんご」と名前を答えるためには
目で見て認識し、過去の記憶からそれが「りんご」だと判断し
「りんご」と答える行動をする。

たったこれだけのことをするのでも
「視覚」→「認識」→「記憶」→「判断」→「行動」という
脳のいくつもの部分に次々と情報が流れて
「りんごを見てりんごと名前を答える」という行動が成り立っているわけです。

この電気を伝える役割を持った細胞が神経細胞で
神経細胞には、電気の流れ方を自由に調節できる働きがある。


 ○覚 (知覚・味覚・嗅覚・聴覚・触覚・痛覚など)
 ○○神経 (交感神経・反射神経・運動神経・反射神経など)はすべて
神経細胞の集まりである。

ボールが飛んできて、ぶつかって「痛い」と感じるのも(痛覚)
「あぶない、よけろ」と情報(電気)が流れて
ボールにあたらないようによけるという行動をする(反射神経)のも
「ボールを取れ」という情報(電気)が流れて
手を出してボールをキャッチするという行動をする(運動神経)のも
すべて神経細胞が、脳の中で瞬間に
とても複雑で迅速な働きをしているわけです。

 神経細胞はこのように個々に機能するのではなく
お互いに繋がって協力し、ひとつのまとまりとして機能しています。

このような繋がった神経細胞のまとまりを『神経回路(ニューロン・ネットワーク)』といい
人の脳の中には、このような最新コンピューターの
何十万倍も優秀な回路ができあがっているわけです。

こうしてとても大ざっぱに要約しても
人間の脳の構造や働きは、宇宙にも匹敵するほどの広大さと
複雑で無限大の広がりを持っているように思えます。
けれど、精密な機械が、精密であればあるほど
一旦壊れたら修理が難しいように、人間の脳も
どこかに不都合が生じると、簡単にはもとに戻せないことも納得できます。

NHKの日曜日の夜「ダーウィンがきた」という番組が放送されていて
様々な生き物の生態、交尾や妊娠、出産、子育てがドキュメントされています。
自然界に生きる者は、自分の命を守るために必要なノウハウを
我が子に伝えていきます 。

けれど人間は文明が進んだ分、生きていくために必要とされる情報や学習の量が
千年前、あるいは百年前と比べたら、けたちがいに多くなってきています。
それがさらに日進月歩のテクノロジーの進歩によって
もはや生物としての人間の脳が処理できる限界を超えてきているのではないかと
ふとそんなことも考えてしまいます。

私の口癖は「急がば回れ」ですが
改めて脳について勉強を始めてみると
言葉をしゃべれなかった赤ちゃんが言葉を覚え
リンゴを見てりんごと言える、それだけでも
実はすごいことだなと改めて思います。

スーパーコンピューターを超える能力を持った脳を持つ一方で
本来は生物というか動物の中のひとつの種である人間をどう育てるのがよいのか。
あるいは脳の働きに不都合を生じてしまった人間の脳を
どうすれば生きていきやすい状態にすることができるのか。
脳について知ることで
少しでも見えてくるものがあればと思って書いていきます。
けれどはたして依存症の話にまで行きつくんだろうか。









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《大切なお知らせ》マックという名前を悪用する団体について

2015-08-01 14:48:47 | 依存症
私が4月に書いた「ジャパンマック福岡のセミナーのお知らせ」
という記事に、ぱんださんという方から
「ジャパンマック福岡は、生活保護の人から搾取をしている
問題のある組織だと聞いたが、本当でしょうか」というお尋ねがあって
本当にびっくりしました。

「その話は間違いだと思うが、わたしのほうでも調べてみます」
とお返事していましたところ、コメントをくださったぱんださんが
ご自身で懸命に調べてくださり、真相がわかりました。
以下が再度いただいたコメントの要約です。

<函館市に本部がある依存症支援施設フリーダムが
利用者の社会復帰を名目に生活保護費の搾取を行っていた。
この前身が「日本マック」のちに任意団体「ひかりあれ」という
組織を福岡市に作り、同様の不正行為をしていました。
そしてジャパンマック本部のHPにも「日本マック」などと名乗る
施設が出てきて利用者の人権侵害が問題になり、取材や問合せが
あって困りました、名前に騙されることのないように、とありました>

ぱんださん、丁寧に調べてくださって本当にありがとうございます。

実は私も、去年の6月に、福岡市で依存症の回復をエサに、
生活保護の人を食い物にする組織が摘発されたという話は
新聞の記事で見て、このブログでも書きました。
けれど新聞記事には「マック」という名前はなかったので
その事件の背景に、ぱんださんが教えてくださったようないきさつ
があったことを初めて知りました。

結論から言えば「ジャパンマック福岡が生活保護の人から搾取をしている」
は、混乱した情報から出てきた間違いです。

そしてもう一つ、このブログでは
薬物依存症からの回復施設であるフリーダムにもリンクをしていました。
ぱんださんのご指摘で、貧困ビジスで違法行為をしている団体が
フリーダムとも名乗っていることを知り
こちらも誤解を生じてはいけないと思いリンクを一旦解除しました。

大阪の、薬物依存症回復施設「フリーダム」は
ダルクとも提携をされている組織だと思いますが
今回「マック」とか「フリーダム」とかいう名前が
盗用、悪用されていることを知り
慎重に対応することにしました。


私が最初にジャパンマック福岡の名前を知ったのは
テレビのニュースがきっかけでした。
「福岡に初めて色んな依存症の相談に応じてくれる施設ができる」
ニュースによれば、公的な機関や医療施設とも提携して
依存症の問題に対応してもらえるということでした。

それからジャパンマックについて調べて
費用の負担などの心配がなく相談できる点なども考慮して
このブログにリンクをし、セミナーや講演会の案内もしてきました。
ジャパンマックのHPのトップページで
名前を悪用されたことがあるという記事は読んでいたのですが
それは過去に起こったことだと思い込んでいて
今回ぱんださんからいただいたコメントの内容とは
結びついていませんでした。

これもぱんださんに教えていただいたのですが
ジャパンマック福岡は、福岡市の精神保健福祉センターのHPでも
アルコールやギャンブルの相談機関として
外部リンクされているようです。
ですからそういうところで「ジャパンマック福岡」のことを知って
相談に行かれる方もおられるようです。

改めて「ジャパンマック福岡」の方にもお聞きしたところ
やはり去年摘発された団体が「福岡マック」という名称を名乗っていたこともあり
それに関わられた役所の皆さんの中にも
間違った情報が伝わっていることは知っておられました。
こうした誤った情報というのは、間違ったまま伝えられてしまったり
それがネットで拡散してしまったりすると
訂正することがどんどん難しくなっていきます。

各地に出没する「マック」を名乗る団体については
リンクしているNPO法人ジャパンマックのサイトの
「ジャパンマックとは」というページの「こぼれ話」に
ぱんださんが転載してくださった内容が書かれています。
これを過去の話だと思って読んだ私が甘かったです。

確かにこういう悪徳詐欺系の犯罪者集団は
いかにももっともらしい、だまされるような肩書きとか名称を
次から次へと考え出すものです。
そして摘発されても、逮捕されても
雨後の竹の子のように、また新しいのが出てくるのだ
ということを、今さらながら肝に命じました。


どの依存症にしても、依存症の問題を抱える本人や家族の人は
ものすごく大変な毎日を生きていて
回復につながる手段も、相談できる場所もとても少ない中で
それこそわらにでもすがるような思いで
解決できる方法を探しておられる方が多いのです。
また回復施設で活動をされているスタッフの方も
未だ手さぐり状態である依存症者の回復への手助けを
日夜続けておられます。

そういう当事者たちの、悲しみや苦しみや努力を
すべて水泡に帰してしまう、得体の知れない組織や人間たち。
増え続ける振り込め詐欺も、架空請求も
違法ドラッグの拡散も、すべて根っこは同じものです。
もういい加減にしてほしいと思いますが、これまたどうすることもできません、

そんな中で、こうして情報を提供していただき
それをブログを読んでくださる方とも共有できることはとてもありがたいことです。
まったく面識のない方でもこうしたやり取りができることは
ネット社会ならではの良さでもあります。
改めてありがとうございました!



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依存症と脳の話 (1) はじめに

2015-07-29 14:53:46 | 依存症
前に書きましたが
ここ半年ほど、人間の脳の働きについて勉強していました。

私が依存症と脳の関係に興味を持ったきっかけは
「行動分析学入門」(杉山尚子著)という本の中で
次のような文を読んだからです。

「心理学でいうところの「心」とは、英語ではmindであり、それはむしろ
 頭の働きを意味する。日本語で「こころ」という時は、自分の胸を指
 さすが、英語を話す人が自分の頭を指さしながら「mind」と言うのを
 私は何度も見ている」

「今さら」と思われる方もおられるかも知れませんが
私にとっては、これは結構衝撃的な指摘でした。
「心」という言葉は、あらゆる場面で使われていて
私もさんざん「心」という言葉を書いてきました。

けれどよくよく考えたら、これほどあいまいな言葉もありません。
確かに日本人は、心というものは何となく胸のあたりにあると
イメージしている人が多いのではないかと思いますが
そこにあるのは心臓であって
心と総称される人間の感情、気持ちの本体は脳なのだということに
おそまきながら気がつきました。

よく依存症は、性格の問題ではないとか
意志の力では治らない、治せないなどとと言われます。
これまた「意志」という、とても抽象的な表現が使われていて
最初は何となくそうなのかなあと思っていましたが
それではなぜ性格の問題ではないのか
あるいは意志の力ではどうして治らないのか
そこがよく分るように説明されているものを
見つけ出せなかったので
ずっともやもやしていたわけです。

これは例えばスマホやネット依存症への対処法として
叱責や禁止は意味がない、むやみに怒ることは
依存を強化して逆効果になると言われていますが、
なぜそうなのかを丁寧に説明されているものは
あまりないというのと同じです。

このブログにも書きましたが
依存症になると、脳内物質の出方に変化が起きて
その変化は元には戻らないので、依存症は治らないという説明もありますが
一方では、最近依存症は治ることもあるというお医者さんの発言もありました。

依存症を巡る話は、こんなふうに根拠が明示されていない
「依存症は治ることもある」
「依存症は治らない」
「これをやれば回復できる」
「これはやっても意味がない」という話が山のようにあるわけです。

それには理由があって、実は脳の構造や機能については
まだ100%解明されているわけではないという点です。
だから専門家の方は、根拠の部分については明言を避けられるし
一般の方は、主に自分の経験をもとに
科学的な根拠などはないまま、情報を発信されています。

それで私はといえば、自分のガンについてもそうですが
理屈で納得できないことは、自分もできないし、人にも勧められないという
とても面倒くさい、困った性分なので
身の程知らずなのは十分承知の上で
依存症と脳の関係について、勉強したり、あれこれ考えてみたわけです。

依存症には本当に様々な種類があり、症状も、進行の度合いも様々です。
脳の働きがどうとか、そんな悠長なことは言っておられないという
せっぱつまった状況のご家族もたくさんおられるだろうと思います。

今すぐにでも何とかしなければならないという状況ならば
どうかこのブログでもリンクをしている
本人のための自助グループや家族の自助グループ
あるいは、色々な依存症の相談に乗ってもらえるジャパンマックなどの
信頼がおけて大きな金銭的な負担のない相談機関に
参加するか、相談されてください。

依存症の問題を、少しでもよいほうへ向けていくためには
自分ひとりで抱え込んでなんとかしようと思わずに
経験や知識のある、自助グループや相談機関のメンバー
あるいは依存症の治療に対応できる医療機関で
話を聞いてもらうことで、少しでも先が見えてくることもあると思います。

そして、もし「ああ、脳の話?聞いてやってもいいよ」という
奇特な方がおられましたら、またしばらくの間お付き合いください。
とはいうものの、暑さでそれこそ脳が溶けてしまいそうです。
実は、引っ越して、やっとクーラーをつけたのですが
どうもクーラーは若い頃からあまり合わないらしく
数日前肩こりと頭痛で
久々にひどく具合の悪い日がありました。
「ん、脳に転移したかな」と思いましたが
ピップエレキバンで治りました。

下手の横好きで、若い時からとにかく書くことが好きで
ガンでニートになれたのを幸いに
毎日あれやこれやと書くことに余念がありませんが
もしも脳に転移したら、そこでタイムアウトだろうなと思います。

乳がんの治療については、薬の種類が増えたことなどもあって
ステージⅣであっても生存期間中央値
(100人の患者さんが治療(標準治療)を始めてから
半数の50人が亡くなるまでの期間)が
2年から3年弱と少し伸びてきているようですが
すでに2年は超えているので
いつ何があってもおかしくはないという状況ではあります。
まあそんなこともあって
私が知りえた知識などたかが知れているのですが
それでもこうしたことができるうちに
少しでも形にしてお伝えしたいと思っています。







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ジャパンマック福岡第2回ステップセミナーがあります

2015-04-12 14:00:25 | 依存症
依存症からの回復体験講演

「ジャパンマック福岡 第2回ステップセミナー」があります。

 日時  4月19日(日) 10時から16時

 会場 福岡市民福祉プラザ 6階 601研修室
     福岡市中央区荒戸3-3-39

 
 <ゲストスピーカー>

    倉光病院 副院長 上村敬一先生

    福岡市就労自立支援センター 
       センター長 安達一徳氏
    
  上記お二人の講演と、依存症の回復体験談

  参加費無料、事前の申し込みは不要


前々回 3グループ合同のセミナーに参加した時に
講師の、リカバリーダイナミクス(回復のためのプログラム)の
プロバイダーの方が、すごく分かりやすいたとえ話をされました。

「洗濯をしなければならないのに、洗剤が切れていた。
それでスーパーへ洗剤を買いにいったが
種類がたくさんあって、どれがいいか分からない。

それで、取りあえずTVでCMしていた洗剤を買っていったら
それが案外よかった。12ステップを用いて
依存症から回復するというのも、それに似ています」
というようなお話でした。

このたとえ話が意味するところは
依存症の人が、依存から回復するためや
巻き込まれた家族が、依存の問題から解放されるためには
何をすればいいのか、どうすれば回復できるのか分からない。

12ステップが何で、ミーティングに参加することで
本当に回復できるかどうかも分からないのだけれど
でもやってみたら、案外うまくいくことがあるかもしれない。

アルコールやギャンブル、薬物の依存症の場合は
なにもせずに回復することはないのだから
やってみる価値はあるという、そういうことだと思います。

また最近では、依存者本人をどうにかしようとすることよりも
まずは家族の回復ということに重点が置かれるようになってきました。
何年も、家族の依存の問題に悩まされ
自分一人で抱え込んで「もうどうすればいいか分からない」という方は
とにかくこうしたセミナーやミーティングに足を運んで
いろんな人の話を聞いてみてください。
そこには、同じ悩みを抱えた仲間もいて
分からないことがあれば
例えば借金などの問題でも教えてくれる人たちがいます。

いつも偉そうにいろいろ書いていますが
私自身は引きこもりなので
なかなかミーティングなどには参加できずにいます。
ですからせめてものことに、こうしたセミナーには参加して
今まで多くの方のお話を聞きましたが
その都度学んだことがたくさんあります。

この前参加した依存症への支援者のためのセミナーでは
薬物依存症からの回復施設ダルクの施設長さんのお話がありました。
施設長さん自身がかつては薬物が原因で
刑務所に入ったりしたこともある経験を話され
何度も何度も挫折を繰り返したけれども、
今は、自分と同じ薬物依存症に苦しむ仲間の回復を支える
仕事をしている。
そういう方を目の当たりにすることで
どんな状況であっても回復することはできると実感できます。

「このままでは自分の人生は本当にだめになってしまう。
けれど今からやり直すことなんかできるはずがない」
と考えている依存者本人にとっても
「何をしてもだめだ。もう自分にはできることがない」と
絶望している家族にとっても
現実に回復を続けている人に出会えるのは、大きな希望なのです。

私自身も、ダンナのギャンブルと借金に悩まされて
悪いことばかり想像して心身ともに
ヘトヘトになっていた頃からしたら
格段に視野が広がり、依存症の捉え方も変わってきました。

ダンナは、ギャンブルをやりたいという気持ちがなくなったのは
借金がなくなったことが一番大きいと話しました。
それともう一つは、二人で任意整理の手続きに取り組んだ時に
私に対して本当に悪いことをしたと気づいたらしいです。
ダンナは、自分の気持ちを上手に話せるタイプではないので
その辺は、ちゃんと言葉にできたわけではなく
何となくそんな感じかなぁと思ったのですが。

とにかく何もしないよりは、可能性があるなら
やってみたほうがいい、それでうまくいくこともある。
それは本当なのだと思います。






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依存症は治るのか治らないのか

2015-03-04 15:53:34 | 依存症
私がダンナの繰り返すギャンブルと借金に疲れ果てて
やっと「ギャンブル依存症」という病気の存在にたどりついた7年前には
「ギャンブル依存症は治らない」というのが定説でした。

そのことをダンナに話すと
ダンナは「自分で治してみせる」と言いました。
それを聞いた私は「この人は実は依存症というものが分かってないな」とは
思いましたが、そこで正論を並べてダンナを言い負かしても
多分表面的に「分かった」というだけで、納得するわけではないということは
予想できたので、ダンナの言葉を否定はしませんでした。

その後、セミナーなどに参加しましたが
GAのような自助グループでも、マックとかギヤマノンなどでも
依存症は回復はできるけど治らない
回復するためには依存しているものをやらないことが
唯一の回復の方法だという基本的な考え方は、どこも同じでした。

ところが最近「『依存症は治らない』は間違い」というタイトルを
ネットのニュースで見かけて、読んでみたら
久里浜医療センターの、精神科の河本先生が
「治らないという根拠は示されていない。安易な決め付けが
患者を追い込む」と話されていました。

実は私もこれまで散々「依存症は治らない」と書いてきましたが
その根拠となる、脳のメカニズムが
まだ完全に解明されていないことは知っています。
それともう一つ、依存症には実は色々段階があるのではないかと
いうことも何となく考えています。

例えばダンナの場合では、任意整理を始めてから
ギャンブルはやっていないというのは
たぶん嘘ではないんだろうと思います。
現実にギャンブルに使えるようなお金の余裕もないし
お金の出し入れは今のところは私が管理している状態でしたが
ギャンブルがやりたいという衝動に負けて
超えたらいけない一線を越える
つまり、ヤミ金や回りの人から借りるとか
会社のお金に手を出すということは起こらなかったので
例えば、ギャンブルをしたいから犯罪にまで手を出すという状態を
レベル10とすれば、レベル6とか7とか
そのくらいの感じなのかなと思えます。

これまで確かに依存症からの回復は
完全にやめられていれば100だけど
スリップしてしまえば振り出し、すなわちゼロ
というような捉え方がされていましたが
本当は、もう少し病気の進行の段階を細かく分けて
考えるほうが良いのではないかとは感じていました。

けれどなにしろ、特にギャンブル依存症などは
まだ病気だと認定されてもいない
そして、依存症に対応してもらえる医療機関自体
全国にほんのわずかという現状では
もっときめの細かい治療や回復の方法などは
望むべくもなかったわけです。

けれどネット依存、スマホ依存、ゲーム依存などが
若年層に急激な広がりを見せている現状では
「依存症は治らない」という考え方は
確かに、本人にも家族にもあまりにも酷というものです。

国と密接な関係がある医療機関の先生が
こういう見解を発表された背景には
カジノ解禁の是非とかいった含みもあるのかもしれませんが
加えてそのあたりの事情もあるような気がします。

けれど、だからと言って「『依存症は治らない』は間違い」と結論づける
書き方はあまりにも乱暴です。
これでは今まで、積極的に取り組もうとしなかった
国や医療機関に代わって、依存症者の回復を支えてきた
民間の回復機関や自助グループの人たちが言ってきたことが
嘘だという話にもなりかねません。

河本先生のお話に添って考えれば
「治っていると思われるケースもある」ということだと思います。
一番歴史の古いアルコール依存症のケースでは
10年間やめていても一度お酒を飲むと
元にもどってしまうという症例はたくさんあります。
衝動や渇望の強さという点からは
薬物依存症などは止めることがもの凄く困難です。

ですから何をもって「治った」と判断できるのか
その根拠も、今の時点では定かではありません。
もしも本当に「治す」ことのできるノウハウが見つかったということであれば
医療機関はもちろんですが、依存症者を援助されている関係者すべてと
一日も早くその情報を共有するべきだと思います。

私は、現在のところ治るか治らないかはまだ分かっていないと
いうのが一番正確なのだろうと思いますが
それではあまりにも不確かで、みんな困るので
強い警告の意味合いを込めて、敢えて
これまで「治らない」と書いてきました。
それくらい危機感を持って立ち向かわなければ
依存症の広がりを止めることはできないと思ったからです。

けれど、たとえばガンと同じように
ギャンブルを○年間止めることができて
他の依存対象へ移行するクロスアディクション(ガンで言えば転移ですね)
が起こらなければ完治ではないが寛解である
というような基準を設けるというのは
現在の、ゼロか100かという基準よりは
本人や家族にとっては、すこしハードルが低くなるので
必ずしも悪いことではないのかもしれません。








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改めて依存症というものの怖さについて

2015-02-28 13:46:21 | 依存症
この前は、ブログを書いていて
どんどん過激になっていることは、自分でも気づいていました。

実は、私がこのブログを書き始めたのは2008年の5月でしたが
その少し前から、やはりご主人がギャンブル依存症ということで
ブログを書かれている女性がおられました。

その方のブログを読ませていただき
1、2回ですが、コメントもやり取りしました。
それから様々なことがあったけれど
ここ数年はブログの更新も少なくなって
穏やかに暮らしておられるようで
本当によかったと胸をなでおろしていました。

が、つい最近「やっぱりだめでした」という趣旨の記事が投稿されて
彼女が味わった失望、どうしようもない無力感を思うと
私も過去に何回も経験した感情だったので
自分自身の記憶もフラッシュバックしてしまいました。

彼女だけではありません。前にももうお一人
本当にがんばって、がんばって家族を再生しようとして力尽き
離婚を決断された方がおられて
その時も「なんで」という、本当にやりきれない思いでした。

そのやり場のない悔しさが
爆発的な怒りに変わって、映画の話に絡めて
「危ないものには絶対に近づくな」みたいな結論になりました。
私たちと同じような「何度やり直しても繰り返す
ギャンブルと借金の無限ループ」に絶望し、途方にくれている人は
実は一人や二人ではなく、ギャンブル依存症者が600万人と
言われているのですから、水面下ではかなりの数になるはずです。

改めて、依存症というのは、本当に恐ろしい病気だと思います。
薬物やギャンブルは、なる人は、たった一回の経験でも依存症になります。
けれどなってしまったら、一生治るということはありません。
たまに依存症のブログで「治る」と書かれているものが
ありますが、「治る」と書いている人は
実は、依存症についての正しい知識がない人です。
依存症の人にできるのは「回復する」こと。
即ち「今日一日は○○をやらない」という一日を
ずっと続けていくということです。

その回復を助ける方法はいくつかありますが
これなら万人に効果があるという確立した方法は
残念ながらありません。
依存症者への家族のアプローチにしても
たとえば「依存者をコントロールするのを止める」
つまり自助グループへ行けとか、カウンセリングを受けろとか
家族が命令や指示をするのは意味がないし、間違っている
依存症者の問題から手を話せないのは共依存だと言われる一方で
回復は、家族の支えがなければ難しいと言われる。
もう、どうすりゃいいのというのが現状なのです。

それでも一人でも多くの人が
何らかの手段で回復につながってほしいから
たとえ1000人の内の一人でも
回復に取り組むことができて
家族が、失った未来への希望を取り戻すことができるならと
最近はこのブログではあまり悲観的なことは
書かないように気をつけてきました。

けれども、本当にがんばってきた家族が
打ちのめされているのを見ると
「私たちだけが悪いわけではない。
私たちはある意味、今の社会の仕組みの犠牲者でもある」ということを
つい書かずにはいられなくなるわけです。
と同時に、依存症に限らず、落とし穴はどこにでもあるということへの
危機感と知識を持ってもらえたらと、心から思っています。

川崎の事件は、犯人とおぼしき少年グループが逮捕されたと報じられました。
実はアメリカは、日本の生活保護にあたるフードスタンプの受給者が
2012年で4670万人(日本が約200万人)という格差大国で
その貧困を背景に、青少年がギャングという組織を形成し
暴力や殺人、薬物の売買など様々な犯罪を犯していて
地域によっては、もはやそれが日常になっています。

日本でも何らかの理由で、学校や社会からドロップアウトした青少年が
男女を問わず集団化し、殺人などの残虐な事件を起こす事例が
近年増え始めています。
さらにそういう若者たちに、良くない大人たちが関与して
ドラッグの売買などをやらせるようになったりすれば
そこにさらに薬物依存の問題も絡んで
日本もあっという間に、アメリカと変わらぬ犯罪大国になりそうです。
私は、もともと究極のマイナー思考ですから
書けば書くほど、ろくな予測にはなりませんが
それが妄想ではなく、現実であることを
今回の事件は、示唆してくれているように思えるのです。

それもこれも、本来しっかり規制すべきものを規制もできないような
社会のあり方が大きく関係していると思うのですが
そこを何とかすることは、おそらくできません。
依存症の問題にしろ、子どもたちの未来にしろ
現実をしっかり理解して
自衛できることは自衛する。
悲劇に巻き込まれないための唯一の手段は
多分それしかないのです。






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依存症とのひとつの向き合い方

2015-01-29 11:45:32 | 依存症
先日紹介しましたジャパンマック主催の
2/1(日)の回復者支援のセミナーの申し込みができました。
今回は、このセミナーのことを話していた家族も参加するそうです。
(あっ、でもダンナではありません 笑)

これまでに参加させていただいたセミナーの内容も
ブログで上手に紹介できているかといえば、全然そんなことはなく
自分の無能さに落ち込んでしまいますが
気を取り直して勉強してきます。

たまにこのブログの「人気記事」というところに
かなり前に書いた記事が出ていることがあります。
改めてお断りしておきたいのは
初期のブログは、ギャンブル依存症が何なのかさえ分からなかったところから
始まっていて、その後本を読んだりネットを見たりして
分かったことを、その都度断定的に書いていたりもします。

その、ひっくり返したジグゾーパズルみたいにばらばらな情報を
なんとかもう少しすっきりしたものにしたいと
昨年から頭をひねっているところでもあります。

最初にギャンブル依存症について知ったのは
脳内物質(ドーパミンやセロトニンなど)の分泌の仕方に変化が起こって
その変化は元には戻らないから治らないということと
本人が底つき(自分の人生がどうしようもなくなった)を実感し
GAという自助グループでのミーティングに参加するか
一定期間入院して、依存物質から離れ治療をするなら
回復できる可能性があるということくらいでしたが
自助グループが何やら、ミーティングが何やら
全てが未知の世界の話で、本当に八方ふさがりという状態でした。

おまけに私はかなりなマイナー思考で、しかも理詰めで納得できなければ
「これがいいですよ、効果がありますよ」と勧められても
絶対に無条件で受け入れられるタイプではありません。
さらに、自分以外の人に「これがいいよ~」みたいに勧めたりもできません。

それで、依存症やその治療の歴史や種類など、色々なことについて
片っぱしから勉強し、GAやギヤマノンやセミナーにも参加して
そこで理解できたことをダンナに話したり、このブログにも書いてきました。

私は専門家ではないので、これが医学的に正しいと断言することはできませんが
薬物、アルコール、ギャンブル、性、ゲーム依存など一部のネット依存は
その性質や回復の方法など、大きな意味では共通性があります。

それを前提に、依存症を知るのに
とても役に立っているのが、なごやメンタルクリニックの院長原井宏明先生の
「情報公開」というサイトです。
原井先生は、国立肥前医療センターと国立菊池病院で
20年間依存症を始めとする心の病気に携わってこられた先生で
「情報公開」では、不安障害や、うつ病、依存症などに関する
さまざまな角度からの情報が、ものすごくていねいに記述されています。

たとえば以前後藤惠先生の「動機づけ面接法」のセミナーで
「動機づけ面接で、依存症者を自助グループにつなげていく」というお話が
あって、私は「医療機関を受診しても、最終的には自助グループだけが
回復の方法なのか」という疑問を持ったのですが
この点を、原井先生の「情報公開」では
依存症治療の代表的なモデルの中の「医学的モデル」によるものとされています。

この「医学モデル」と、12ステッププログラムによって回復する
「精神的モデル」との違いや、依存症について従来から言われてきた
「依存症は、本人が自由意思で選んだ不道徳な行為の結果で
責任は本人にあり,回復は意志の力の鍛錬や処罰によって可能」という
「倫理モデル」など、依存症からの回復への考え方には
幾つかの代表的なモデルがあることがわかり
「医学モデル」においても、回復には自己救済グループへの参加が
重要とされているということが納得できました。

グループミーティングへの参加は
依存症者だけでなく、依存症の人の家族にとっても効果があり
自助グループの種類としては
病院や治療機関の中にあるもの、12ステッププログラムに基づいたもの
そしてアルコール依存症の人の断酒会のようなものもあります。
病院や治療機関でも、12ステッププログラムを用いられているところと
そうでないところがあります。

さらに依存症だけではなく、さまざまな心の病を抱える人たちが
それぞれに自助グループを立ち上げて
そこで治療に取り組んでいることを見ても
自助グループのミーティングに参加することが
心の病の治療や回復に一定の効果があることが分かります。

私は今でも、ある意味超がつくくらいマイナー思考な部分がありますが
依存症について何かを書く時は、なるべくそれを封印しています。
たとえ依存者本人であれ、家族であれ
まずは「回復できるという希望を持つこと」が最初の一歩だと思うからです。

最初にダンナのギャンブル依存症が「治らない」と知った時の衝撃は
自分が末期ガンの告知をされた時の比ではありませんでした。
ガンは伝染したりしませんが、依存症は周囲の人間や
進行して脳が完全にまともな思考を失えば
無関係な人間まで巻き添えにします。
飲酒や薬物による交通事故や
ギャンブルの資金、あるいは借金の返済のための犯罪は
毎日のように報道されています。
すべてが、依存症が原因の事故であり、事件です。


そうした不安や恐怖に押しつぶされないためには
たとえどれだけ困難であっても
回復できる方法はあると信じて前進するしかありませんでした。
そして今は、一人でも多くの人に納得してもらえるような
依存症から回復するのに役立つ情報を伝えることを日々模索しています。
正直ガンとはそれほど真剣に闘っていませんが
依存症の問題とは、PCを使えなくなるまでは
向き合っていくつもりでいます。

埼玉県立医療センターの成瀬暢也先生の講演の中にこういう言葉があったそうです。

「依存症は慢性疾患であり、最低限治療につながっているだけでも有効である」

けれど依存症の本人が、自分の病気を認めて治療につながることは
容易なことではありません。
今大きな問題になっているネット依存の場合などは
まだ治療の体制もほとんどできてないような現状です。

そういう場合も、家族で問題意識を持った人が
依存症について理解をする努力
そこで分かったことを周囲と共有する努力を続けていけば
状況は少しづつでも変わっていくのではないかと思っています。





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ジャパンマック主催 支援スタッフ研修2015のお知らせです

2015-01-10 08:04:47 | 依存症
1月31日(土)2月1日(日)の2日間 福岡市で
ジャパンマック主催の、依存症支援スタッフ向けの研修があります。

「回復のチカラを支えあう」 依存症者の回復支援に関心のある皆様へ

1月31日(土)10:00 ~ 16:00 第一回「回復の力を引き出す」

    講師 成増厚生病院 精神科医 後藤恵先生「今日から始める動機づけ面接法」

       一部 基礎編  二部 応用編

2月1日(日) 9:30~ 16:00 第二回 「回復を支える力」

 9:30~  さいたま市こころの健康センター 岡崎直人先生 
            「アメリカのアディクションとAAの歴史」

 11:00~ 新阿武山クリニック 西川京子先生
            「人が人を支援するとは~ 社会福祉の立場から」

 13:30~ シンポジウム「回復のチカラを支え合う~九州の現場それぞれの想い」
          コーディネーター 座長鹿児島国際大学 岡田洋一先生

会場  福岡市中央区荒戸3丁目3-33
     福岡市民福祉プラザ「ふくふくプラザ」視聴覚室

参加は無料ですが、今回は定員50名で参加申し込みが必要です(締め切り 1月20日(火)

申し込みはメールまたはFAX kensyuu@japanmac.or.jp
03-3916-7677
まで

このブログでリンクをしている「ジャパンマック福岡」のサイトにも案内があります。

特に依存症者の治療や回復に関わっておられる援助者の皆様
回復支援に関心のある専門職の皆様には
依存症についての知識や、動機づけ面接のノウハウを
体系的理論的に理解することができる大変有用なセミナーだと思います。

私は毎回専門職でもないし、しかもこうしてブログで書く以外には
今のところ現実に役に立てる手段があるわけでもなく、
おまけに先が見えてもいるのに
参加を希望するのは少し気が引けるのですが
一応2/1(日)の講演とシンポジウムには申し込みました。

ずっと書いてきたように、日本の依存症治療は
海外に比べてずいぶん遅れています。
しかも近年では、アルコールや薬物、ギャンブルに加えて
ネットや性など新しい依存症の種類もどんどん増えてきています。

私はネットと薬物の依存の広がりには、深刻な危機感を持っていて
多くの人が依存症の危険を理解して
どんな形でもいいから予防に取り組んでもらえることを
心から願っています。

それには専門職の方々だけでなく、本当に私たち一人一人が
依存症についての知識や理解を持つことが必要です。
それもアルコールや薬物、ギャンブル、ネットなどを
それぞれ別の依存症ととらえ
自分に関係があるものだけ分かればよいということではなく
まずは一つの大きなまとまりとして理解し
どの問題が起きてもある程度対応できるようになることが
自分自身や家族を守るためにはとても大切です。

「病気」の領域に入ってしまうと、そこからの回復は
とても長い時間とエネルギーが必要になります。
正直なところ、依存症の本人の方が誰の助けもなしに
回復への道を歩むのは、ほぼ不可能なんだろうなというのは
そういう方が書いてあるブログを見ると思います。

一方GAなどにつながって回復を続けておられる方のブログを読むと
回復するというのはどういうことかが分かります。
それはGAでのミーティングや12ステッププログラムが
依存症からの回復に有効だということの
ひとつの証明でもあろうかと思います。

日本の依存症への対策はひどく遅れていて
回復や治療のための選択肢もけして多いとは言えませんが
それでも皆無というわけではありません。
依存症の本人の人も、巻き込まれて苦しんでいる家族の方も
今よりは少しでもましな人生を実現したいと思えば
そして回復への一歩を踏み出す勇気があれば
わずかではあっても道はあります。

これからは一人でも多くの人が依存症のことを理解して
適切な対応ができるようになることが必要とされる
そういう時代になってきているのだと思います。

人生において大切なたくさんのもの
もしくは自分の人生そのものを失わないために。







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課題が山積みの依存症問題

2014-12-07 10:11:16 | 依存症
本当にあっという間に、危険ドラッグが絡んだ事件が
多い日は2件も3件も報道されるという事態になった。

そして薬物に関する資料を探していたら衝撃的な事実を知った。

「日本は覚せい剤乱用が50年も続いている世界的に稀有な国」であるということだ。
どういうことかと言うと「日本では薬物依存症が治療されないため覚醒剤に関した薬物犯罪では
男子62.1%といった高い再犯率を維持している」というのが現状だ。

すでに国際的には、刑罰ではなく依存症の治療を提供する政策が主流になっており
幾つかのタイプの治療プログラムが編み出され運用されている。
このような世界の流れからすれば、日本はほぼ半世紀遅れていることになる。

最近政治がやっとアルコール依存症の問題に少し前向きになってきたのは
おそらくは増え続ける医療費を抑制する目的が後押しをしたのではないかと思っているが
薬物やギャンブルの依存症の治療は、相変わらず民間のNPOに丸投げで
そこに危機感はほとんど感じられない。

薬物の流入や拡散、そして使用を止めることはもうできない。
それが分かっているから、欧米諸国は依存症の治療に重点を置いている。
「依存症」というものがある程度は理解されているのだ。
けれど、今の日本の現状で、この勢いで薬物が流通拡散を始めたら
あと3年もしたら、それこそとんでもない事態になるのではないか。
このブログを書いてきた8年の間にも
ギャンブル依存症の患者が、200万人から560万人
あっという間に約3倍にはねあがった。
もし同じようなことが薬物でも起こったらいったいどうなるのだろう。

「パーソン・オブ・インタレスト」というアメリカのドラマでは
ドラッグの原料ではなく、何かの工業製品の薬物が
ドラッグの原料に使われていて、もちろん人体にはとんでもなく危険なしろものだが
輸入された時点では、それは違法薬物でもなんでもないから、取り締まることはできない。
しかも極め付けが、ニューヨーク市警の悪徳警官たちがその元締めで
利益をピンハネしている。まあどこかで聞いたような話ではあるのだが。
私は別にアメリカ賛美主義者ではないが、このような社会のマイナス面でも
タブー視せずにドラマ化できるところに
かろうじてアメリカという国の健全さを感じる。

依存症のことを書いていると、どうしようもないもどかしさがあるということは
度々書いてきたが、実は本当にこうした情報が必要な層と言うのは
そういう情報は見ない。つまり薬物を使うような人間は
NHKの「薬物依存」の特集なんか見ない。
ギャンブル依存症にしても、何らかの危機感を持っている人や切迫した事情のある人は
こんな面倒くさいブログでも読んでくれるかもしれないが
パチンコやスロットに絶賛依存中で「パチンコできないなら死んだほうがマシだ」
みたいな人は、こんなブログなんかおそらく絶対に読まないだろう。
そしてギャンブルのお金欲しさに借金を繰り返し
行き詰ったあげくに、ほんのわずかなお金のために無関係な人間を殺したりする。

それはネット依存の問題にしてもそうで
問題意識を持っている親御さんは、情報を集めて何とか対処しようと
苦心されているが、子どもが何をしようとほったらかしだったり
学校の成績は気にするけど、それ以外のことには無関心だったり
親自身が、運転しながら携帯を使ったり
オンラインゲームやSNSに夢中だったりと
子ども以前に親に問題ありのケースも多いのだと思う。
一番知ってほしい人たちが、実はこういう問題には無関心なのだ。
だからそういう愚かさの巻き添えになって
犠牲になった人たちは本当に浮かばれないと思う。

しつこく繰り返すが家族の依存症や依存の問題で悩んでいる人は
一人でなんとかしようとは思わず、まずはどこかに相談を
悩みを打ち明けることができる誰かにつながってほしい。
このブログでも、経済的な負担がない相談機関については
ある程度リンクをしているつもりだ。
そしてたとえ最初はうまくいかなくてもあきらめないでほしい。
数は少ないが、相談することができる幾つかの選択肢はある。

私は薬物についてはよく知らないのだが
家族が薬物(シンナー、覚せい剤、危険ドラッグ、大麻)の問題を
抱えている場合、警察に捕まるのではないかということを
心配して相談ができないというケースもあることを知った。
だが本人や家族の自助グループは
基本的に匿名で、自分の本名を言う必要はないので
とにかく一人きり、あるいは家族だけで抱え込まないでほしい。

話がそれるが、父親が5歳の男の子を放置して家を出て
8年経って白骨で発見されたという
あまりにも無残な事件も報道された。
こうした事件の背景にあるのもやはり「恐るべき無知」と
「自分勝手な考え方」なのだと思う。

どうしても自分で子どもが育てられないという場合は
どこかしら相談できる機関というものはある。
それを知らないし、知ろうともしない。
相談をするのが面倒なのか、愚かなプライドなのか
「どうでもいい」という投げやりなのか
どんな理由かは知るよしもないが
最後に犠牲になるのは、いつの場合でも一番力が弱い者なのだ。

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「クローズアップ現代」と「ハートネットTV」の依存症の特集

2014-11-25 10:46:59 | 依存症
先週は、NHKのクローズアップ現代でも「ギャンブル依存症」が
取り上げられており、更に同じくNHKのEテレの「ハートネットTV」でも
2回にわたって「依存症」の問題が特集されていました。

クローズアップ現代には、100人の患者を対象に実態調査をされた福岡県の
精神科医の森山成彬(もりやま・なりあきら)【作家の帚木蓬生(ははきぎ・ほうせい)】
さんのコメントが報道されるとともに
「ギャンブル依存症」の著者であり
北海道立精神福祉センターの所長田辺等先生が、コメンテーターとして
出演されておられました。

どちらの番組でも、今回は家族の回復が焦点になっていました。
実態調査では、ギャンブル依存症者が投じた金額は平均1293万円にのぼり
15%の配偶者がうつなどで精神科にかかっていたことがわかったとありました。
けれど、私の実感からすれば、病院で診察を受けられるような人は
まだいくらか恵まれているように思います。

現実には、ギャンブル依存症者の家族の場合、学齢期の子どもを抱えるなど
とにかく死にもの狂いで働かなければ、生活自体が成り立たない中で
自分の体や心の問題など後回しで生きておられる家族も
たくさんおられるでしょうから、この数字は現実には
2倍にも3倍にもなるのではないかと思います。

それでもどの依存症でも
まずは家族が回復することが、結果的に依存症者本人の回復にもつながる
可能性があるということが、分かってきたのだろうと思います。
家族が回復するための方法としては
クローズアップ現代では、自助グループが紹介されていました。

家族の回復を援助するための自助グループは
アラノン(アルコール)ギャマノン(ギャンブル)ナラノン(薬物)などです。
そしてこれらの自助グループは
AAの原点であるビッグブックと12ステッププログラムの理念に基づいて
グループミーティングを続けることで、回復を実現させていくものです。

このビッグブックや12ステッププログラムについては
まだ私自身も分からないことが多かったので
22日に行なわれたステップセミナーに参加してきました。
あまり長い時間出歩くと、さすがに疲れてくるので
3ステップのお話を聞いて途中で退席しましたが、得るものは多かったです。
ただしそれを書くと、また話が飛ぶし、消化しきれていない点もあるので
もう少し自分の理解したところを、ちゃんとまとめてから書こうと思います。

自助グループでは、会場に行く交通費以外には、費用はかかりません。
会場では、運営にかかる費用を集めるのに
任意での寄付は受け付けておられますが強制ではありません。
また先日ギャマノンに参加してみて、ギャンブルだからギャンブルしかだめという
ことではなくて、最近は他の依存症の問題に悩んでおられる方も
自由に参加することができるようなので、これはとてもいい傾向だと思います。

そして「ハートネットTV」の二回目の放送
「どうすれば回復できるか」では、家族のための回復プログラムとして
自助グループとともに、CRAFTという認知行動療法プログラムが紹介されていました。
これは依存症治療に先行して、引きこもり支援などでも用いられている
プログラムということです。
書籍も何点か出ていてその解説によると<家族や友人を通して治療に取り組むことに
よって,治療を拒否している患者を治療につなげる>ことを目的としています。
前から紹介している動機付け面接とも連動する治療の方法です。

番組内では、実際にCRAFT法を治療に導入している医療機関として

徳島県板野郡上板町の藍里病院
(電話:088-694-5151)が紹介されていました。

ただショックだったのは、番組の最後に
「援助者が、依存症については苦手意識がある」とコメントされていた点です。
本のタイトルにしても「薬物・アルコール」とギャンブルは抜け落ちていたり
依存症を大きな視点で、一つのまとまりとして
捉える考え方は、政治も含めてまったく前進しておらず
相変わらず場当たり的な対応では
新しい依存として急増するネット依存問題に適切に対応することなど
望むべくもありません。

だから自分たちの身の回りに、山積する依存の問題に立ち向かうには
とにかく可能な限り知識を得て、それを発信し共有していくことで
その中から使えそうなものを使って道を開くことだと切実に思います。

さすがに依存症ばっかりやっていると気が滅入ってくるので
「ケルベロスの肖像」「鍵泥棒のメソッド」
それに伊藤計劃氏に強くお勧めされてしまった「ザ・セル」と
映画依存っぷりは相変わらずです。
このブログのほかに、映画と本のブログと音楽のブログ
それと思うところあって、書きためた小説を
某巨大小説投稿掲示板に引っ越すことにして
以前書いたものを改稿しながら移転するという作業もやっています。

ダンナの依存症の全盛期にも、現実問題は現実問題として
日々労働に明け暮れつつも、手離さなかったものたちです。
精神的な意味では、生きるか死ぬかの瀬戸際も何度かくぐりましたが
理不尽な現実にただ押しつぶされるだけの人生はイヤでした。

だからそうした現実を超えていくために
自分がまだ知らないもの、見たことのない世界を
一つでも見てみたい、知りたいと願って
図書館で本を借り、お給料日にプチ贅沢で
毎月1本だけDVDを借りるのは頭と心の栄養で
その習慣は今でも変わりません。

もうずいぶん前に、せめて自分が死ぬ前には
半年でも、たとえ3ヶ月でもいいからモノ書きだけして暮らせないかなというのが
夢でしたが、その頃はまさかそれが現実になるとは
それこそ夢にも思えませんでした。けれどその夢がかないました。
人生は本当に分からないものです。





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依存症治療の選択肢

2014-11-17 09:56:43 | 依存症
まずはステップセミナーのお知らせです。

日時 11月22日(土)

会場 福岡市市民福祉プラザ 5F 視聴覚室
       福岡市中央区荒戸3-3-39

内容 AA 山王Re Lifeグループ、GA グローアップグループ 
   SCA 福岡グループ 合同ステップセミナー

   参加費無料、事前申し込み不要 

持参物 ビッグブック 筆記用具

主催  AA 九州沖縄セントラルオフィス(099-248-0057)

セミナーの内容としては、リカバリーダイナミクスプロバイダーを
ゲストに迎えての、12ステップの解説となっています。

AAはアルコール・アノニマス(アルコール依存症の人の自助グループ)
GAはギャンブル・アノニマス(ギャンブル依存症の人の自助グループ)
SCAはセクシャル・コンパルシブス・アノニマス(性依存症の人の自助グループ)

案内の中にあるビッグブックとは、アルコホーリクス・アノニマスの通称
 
 世界中のアルコホリク・AAのメンバー・関係者に読まれている
 AAのステップの基本テキストで、一部を抄録したポケット版や文庫版もある

私も当日体調が許せば、参加する予定にしています。ただ以前にGAに行った時に
入手したダイジェスト版の「12ステップ・プログラム」の冊子は持っていますが
「ビッグブック」が何を指すのかよくわかりません。取りあえず手持ちの分を
持っていってみます。

このセミナーに参加してみようと思ったのは、案内にあるリカバリー・ダイナミクス・
プログラムというものについて、もう少し詳しく知りたいからです。

このリカバリーダイナミクスを運用されているセレニティパークジャパンのサイト
から引用させていただくと

リカバリー・ダイナミクスとは

<12ステップを使用する依存症当事者グループAA(アルコール依存症本人のグループ)
などで使われている基本テキスト(上記のビッグブック)に記されているステップの
手渡し方を、治療施設でのプログラムに翻案したもので、大きな特徴としては、
「標準化されたプログラム」「それに用いる教材」「カウンセラー用マニュアル」など
を用いて、基本計画に従って進めることにより、90日間(約3ヶ月)で1から12ま
でのステップを3巡することができる>ということのようです。

すなわちAA設立当初から用いられてきた12ステップ・プログラムを、より体系的かつ
効率的に進化させたものということなのでしょうか。そのあたりを少し勉強してきたいと
思います。

先日これも「ギャンブル依存症を考える会」の田中紀子さんのブログで、専門家の中にも
「12ステップ・プログラム」に対して否定的な意見があることへの怒りと落胆がつづら
れていたことがありました。

ただこれはガンの治療に関しても言えると思いますが、依存症を含む心の病気や
私のように進行ガンで治癒の可能性がない場合には、100%の正解はないように
思います。最終的には、当事者本人に、どういう方法が合うかを試してみる
そういうことではないかと思うのです。正解のない世界では、ある人にぴったり
はまったからと言って、それが全ての人に合うとは限らないと思います。

アメリカの依存症治療の施設で働いておられる
カウンセラーさんの記事から、例えばある回復施設で行なわれている
“レジデンシャル・トリートメント”と呼ばれるプログラムは
次のような感じです。

「毎日のプログラムは、朝の冥想(全員で静かに30分ほど座る。
時には静かな音楽を流す)散歩や運動、庭掃除から始まる。
続いて、アディクション(依存症)に関する学習、「健康的な人間関係・家族関係を築くには」
「怒りを適切に表現をするコミュニケーション訓練」「AAの基本である“12ステップ”」を
学ぶクラス、「性的虐待からの回復」「親業」などのワークショップ、そしてグループ・個人
カウンセリングなどで構成されている」

前にも書いたが、アメリカの薬物依存症の、特に若年層への広がりと深刻さは、日本の比
ではないことが、このサイトの記事を読んでいると本当によく分かります。
と同時に依存症から回復するためのプログラムも、精神医療の手法や
健康な思考に戻るための学習、それに12ステッププログラムなどが
様々に組み合わされて、より機能的に働くように
研究され、実践されていることも分かります。

今私が最も強く望んでいるのは「依存症」を一つの大きなまとまりとして
治療や回復の方法が研究され、実現していく社会であり
「依存症」について、その意味や回復の方法についての知識を
専門家ではない普通の人たちも、きちんと共有していける世の中です。
多様化する「依存症」の背景には、刻々と変わる社会の変化が大きく関係していて
従来の精神医療の知識や方法だけで対応するのは難しくなっている
のではないでしょうか。

投薬や注射、化学療法といった医療の分野での治療が難しいこともあって
現在依存症への対応は、AAや断酒会、GAやNAといった民間の自助グループ
のがんばりに多くの部分を、それこそ「依存」しているのが現状ですが
例えば、子どもたちに広がるネット依存にはたして「12ステップ」で対応できるのか
といった問題も、遠くない将来出てくるのではないかと思います。
また、増え続けるアルコール依存症の背景には
たとえばギャンブル依存症からの転換(クロスアディクションといわれる現象)も
あるような気がしますが、この問題についてはまた改めて考えてみます。

どうか専門家の皆さんには「これはいい、これはダメ」といった
柔軟性のない二者択一的な考え方ではなく
多様な側面を持つ依存症というものに対して
本人や家族に理解のできるような
治療や回復の方法の選択肢を提示していただきたいと思います。

そういう意味で、今回紹介したセミナーは、援助職などの専門家で
依存症の回復に興味を持たれているような方がおられましたら
ぜひ参加していただけたらと思います。

*このセミナーについては、リンクしているジャパンマック福岡でも紹介されています。





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依存症への様々なアプローチ

2014-11-14 14:15:54 | 依存症
先日このサイトでリンクをした「フリーダム」は
大阪ダルクと協力して薬物依存症の回復を支援する機関ですが
このサイトの記事で、日本よりは半世紀進んでいるという
アメリカの薬物依存症治療の現状の一端を知ることができます。

今年に入ってからは更新が止まっているようですが
依存症の治療について知りたい方には
とても役に立つ情報があると思ってリンクしました。
いつも言っているように、アルコールもギャンブルも薬物も
治療や回復の基本的な部分は共通するものがたくさんありますから
文中の薬物の部分を、ギャンブルやアルコールに置き換えて
読んでいただけたらと思います。

アメリカに比べて、日本では治療機関や自助グループの数が
病気の人の人数に比べて、あり得ないくらい少ないので
当然のことながら、治療や回復につながっている人も
お話にならないくらい少なく
また一度は治療に取り組んでみたものの長続きせず
元に戻ってしまう人も多いのが現状のようです。

なぜそうなってしまうのか。
やはり一つは依存症というものに対する認知度が
あまりにも低いことがあります。
そしてもう一つは、依存症の治療というものが
アメリカのように、回復のための施設
(カウンセラー、セラピー、自助グループなど)が
身近なものとしてあるわけではないので
本人も家族も、一体何をどうすればよいのか
よく分からないということも大きいような気がします。

私が最初にギャンブル依存症のことを知った頃は
依存者本人が否認せず、自分の病気を受け入れるか
「これでは自分の人生は本当にだめなのだ」という
「底つき感」を経験しなければ
回復の可能性はないというように言われていました。
ところが依存症の人というのは、自分が依存症だと認めることは
ほぼありませんから、これではほとんどの依存者は
治療ができないことになってしまいます。

私は、最初はそういう病気があるということを
全然知らなかったことに大きなショックを受け
さらにそれが「治らない」とされていたことに更なる衝撃を受けました。
「パチンコに行っていた」ことが
そんな想像を絶するようなとんでもない状況になるということは
さすがにまったく想定してなかったのです。

最初の頃に書いたブログには
「いったいどうすればいいの」という
呆然自失の思いが書かれているものもあります。
知識がないということが、これほど悲惨な結果を招くことを
心底身に沁みて知りました。

けれど最近では少しづつではありますが
依存症の治療の方法も変わってきました。
前に動機づけ面接でも書いたように、たとえ本人が病気を認めていない場合でも
「変わりたい」という気持ちがあれば、変わることができるように
例えばマックや自助グループのような相互支援グループへの参加をうながす
というように、医療も積極的に介入して
具体的な回復の道筋をつける動きも出てきましたがこれもまだ少数です。
そして医療の現場でも、依存症の治療について何がベストなのかは
未だに試行錯誤が続いているように思えます。

病院での治療の中には、認知行動療法などもあります。
認知行動療法は、やろうと思えば自分でもできないわけではありません。
認知行動療法に関する本もたくさん出版されています。
けれど、普通の人が自力でやるのはかなり難しいと思われ
やはり、専門家の指導を受けながらやるほうがよいと思います。

ただこれはあくまでも私の考え方ですが
認知行動療法は、ものの受け取り方や考え方を変えることで
ストレスにうまく対応できる心を作る心理療法で
依存症自体の治療というよりも
アルコールやギャンブルの原因となるストレスをコントロールする
対処法を身につけていくということなのだろうと思います。

実際にGAやギャマノンに参加してみて
特にGAの場合、自分の気持ち、心の動きが自分で分かる人は
他の方のお世話なども積極的にされていて
そういう方は回復しておられるのだなと感じました。
マックなどの相談機関のスタッフさんなどもそうです。

そしてこれは依存症の本人の方のブログを読んでいても感じるのですが
どういう時に衝動が起きたか、それをどうやって回避したか
あるいはスリップしてしまったが
また一からやり直すなどと、客観的に自分のことを分析して
さらに言葉でそれを表現できているような人は
それなりに回復の可能性はあるように思います。
依存者本人の方で、このブログを読まれているような方がおられるのかどうか
私には分かりませんが、一定の自覚があれば回復は可能だと思います。

それともう一つ、「ギャンブル依存症を考える会」の田中紀子さんのブログで
「行動分析」という言葉を見かけました。
これも心理学の分野では最近クローズアップされてきた理論のようですが
どうやら「認知行動学」とは違った心の問題との取り組み方のようで
ちょっと興味がありますので、もう少しきちんと理解できたら
このブログでも紹介しようと思います。

現代は、高度に発達した脳と、それゆえにある意味繊細な心と
動物としての本能とをあわせ持つ人間には
心身ともに健康に生きていくことが
老若男女を問わずとても難しい時代になっています。

アルコールにしろ、ギャンブルにしろ、薬物にしろ、あるいはネットにしても
もともとは人間が作り出したものが、人間の脳を破壊し
平穏な生活や人生を崩壊させるという、あってはならない逆転が起きています。
高度な情報化社会とは、本来はよりよい暮らしをサポートするはずのものであったのに
政治や経済、社会を変容させるような力を持ち
それによって個々の人間が翻弄され、生き辛さを感じ、心を病む社会になっています。

このような時代に生きていくためには
依存症の問題に限らず、人間の心に関する知識、対応できるスキルというのは
乳幼児期の子育てから、思春期の子どもへの対応
職場や家庭での人間関係と、あらゆる場面で役に立つと思います。

先日パキスタンのマサラさんが、女性や子どもの生きる権利、教育を受ける権利を
世界に力強く訴えて、ノーベル平和賞を受賞されました。
日本では、ほとんどの子どもたちが
十分な教育を受ける権利が保障されているのにも関わらず
多くの子どもたちが、勉強を嫌なもの、やりたくないもの、時には無駄なものと
あたかも苦役のように感じていることに、悲しみさえ感じてしまいます。
学校の勉強だけが知識ではありません。

アルコールやギャンブルや薬物、あるいはネットにしても
どういうメカニズムで依存症という病気になるのか
依存症になったらどういう問題が起こるのか
事前に適切な知識があれば、ある程度は危険を回避することもできるはずです。

知識は、自分を、そして自分の人生を守るために
とても大切で有効な武器だと思うのですが。






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アメリカの現状と、すぐそばにある依存症

2014-11-01 07:48:21 | 依存症
ブログ村の、アルコール依存症のカテゴリーで
Mi-yaさんという方の「One day at a time~アラノンで学んだこと」
というブログに出会いました。

アメリカ在住で、一年前から同居していた男性が、アルコール依存症を
再発。彼女自身が、アルコール依存者の家族の自助グループアラノン
に参加して、近々その男性と別れることを決意するまでの心の軌跡が
つづられています。

このブログの中で、アメリカでの依存症を取り巻く環境の、具体的な
話を知ることができます。まずアメリカのアルコール依存者は、日本の
十倍以上なのだそうです。(人口の比率で考えると大体3倍くらいと
いう感じでしょうか。その代わりにアメリカはギャンブル依存症の
人口に対する比率が約1.4%300万人くらいで、日本のギャンブル
依存症が5.6%、人数で比べると日本の約半分です。ただしアメリカ
は深刻な薬物依存の問題も抱えています)

「たいていのアメリカ人は大変さを理解してくれるし、病気だという
のを知っていて、責めたりしないで、ちゃんと(専門家の)ヘルプを
得ているのかを聞かれる」
「ミーティングの多さは、日本と比べ物にならない。人口10万人ほど
の小さな町で、AAミーティングは日に10回以上、アラノンミーティング
も5回くらい、違う場所、時間で毎日行なわれていて、だから、行く
場所にもそれほど困らない」
さらに「精神科にも気軽にいける。心理セラピストがたくさんいる。
セラピーにも保険がきく」

こうした記事や、アメリカのドラマの中で、カジノで大金をすってしま
った男性に、同僚が「ギャンブル依存症は病気だ。病院に行け」という
セリフや、アルコール依存症の人が、断酒を手助けする自助グループの
仲間でスポンサーと思われる人と会話するシーン、さらにドラッグが
関係する話では、必ずと言っていいほど、カウンセリング、セラピー
回復施設といった話が出てきます。

前のブログで書いたように、アメリカでAA(アルコール・アノニマス)ができて
80年あまり。AAとそこで回復の方法として考え出された12ステップ
プログラムをベースに、依存症に対応できる体制がある程度できている
こと、一般の人の依存症についての理解が進んでいることが分かります。

依存症は、どの依存症でも、病気の領域に入ると、おおむね同じような
経過をたどります。たまに依存症の本人の方のブログを見ることもありますが
「止めたい、止めなければいけない→やってしまった(スリップ)
自分はだめな人間だ、止められない(自己否定)→しょうがないんだ
これしか楽しみがないんだから(内面での自己肯定)」の繰り返しです。
本当に堂々めぐりで出口がありません。

依存症の問題を考えていると、入り口のない家の回りをぐるぐる回って
いるような気がすると書きましたが、それを依存症者の側から見ると
窓もドアもない家の中にいて、その中をぐるぐる回っているだけなのだと
いうことが分かります。

前のブログで書いた「12ステッププログラム」の1にある

 私たちはギャンブルに対して無力であり、思い通りに生きていけなくなって
 いたことを認めた

は、そういう自分自身を客観的に認識する一番大切な過程で、これが本当に
できるようになれば、回復の大きな一歩だと言われています。これは家族
の場合も同じで、自分で何とかしよう、何とかできるというこだわりから
手を離すことがとても大切です。

言うのは簡単ですが、こういう心の問題はとても難しいです。医学という
専門の分野でも、人間の脳や心の働きについては分かっていない部分も
多いです。だからこそ、もともとキリスト教が思考のベースにある国で
「自分を超えた大きな力」に自分を委ねることが回復の可能性なのだ
という考え方が確立されたのだと思いますし、それはある意味正しいとも
言えます。なぜなら依存症という病気自体が、理性とか知性とか意思とか
自分の手持ちの道具では、どうすることもできない
人間にある程度は備わった能力を弱らせ、前頭葉の機能を働かなくさせる
という、いわば人間の能力を超えた病気だからです。おまけのように
書きますが、私は自分の、治らない領域に入っているガンも、ほぼ
同じだと考えています。これもまた何をやってもまず治るということは
ありません。残された時間を、病気と、そして自分自身とどう向き合うか
という問題です。

12ステッププログラムが、医学的な見地からは「前頭葉の鍛錬」だと
分析されているのは、そういう理由だと思います。依存対象のことだけ
で頭がいっぱいになっている脳は、外の世界に出て、回復する可能性
があるとされるミーティングに参加をするだけでも、大きな前進なのです。
そしてそこには回復を続けている仲間がいます。自分が一人では何度となく
挫折し、失敗し続けたチャレンジを成功させている人に会う、話を
聞く、自分のことを話す。その一つ一つの行動が、依存症によって
動かなくなっていた前頭葉を動かすのに効果があるわけです。

12ステップ以外でも
例えばうつ病の治療で使われる「認知行動療法」を用いての回復という
スタンスを取る医療機関もあります。

依存症の理解、治療に関しては、日本はアメリカに比べて半世紀以上
遅れていますし、大きく前進しそうな雰囲気も感じられませんが
ネットや危険ドラッグや、最近ではストーカーなどいわゆるSCA(性依存症)
と思われる事件もたびたび報じられるようになって、依存症自体は
爆発的な広がりを見せていると思います。

そもそもはダンナのギャンブル依存症がきっかけで、依存症を勉強
してきましたが、今は私がよく知っている人でも、ダンナを含めて
3人は依存症と思われる人がいます。それだけ依存症というのは
私たちにとって身近で切実な問題になってきているのだとことを
少しでも知っていただけたらと思います。






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