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癌と生きる 依存症と生きる

命がある限り希望を持つということ

依存症への様々なアプローチ

2014-11-14 14:15:54 | 依存症
先日このサイトでリンクをした「フリーダム」は
大阪ダルクと協力して薬物依存症の回復を支援する機関ですが
このサイトの記事で、日本よりは半世紀進んでいるという
アメリカの薬物依存症治療の現状の一端を知ることができます。

今年に入ってからは更新が止まっているようですが
依存症の治療について知りたい方には
とても役に立つ情報があると思ってリンクしました。
いつも言っているように、アルコールもギャンブルも薬物も
治療や回復の基本的な部分は共通するものがたくさんありますから
文中の薬物の部分を、ギャンブルやアルコールに置き換えて
読んでいただけたらと思います。

アメリカに比べて、日本では治療機関や自助グループの数が
病気の人の人数に比べて、あり得ないくらい少ないので
当然のことながら、治療や回復につながっている人も
お話にならないくらい少なく
また一度は治療に取り組んでみたものの長続きせず
元に戻ってしまう人も多いのが現状のようです。

なぜそうなってしまうのか。
やはり一つは依存症というものに対する認知度が
あまりにも低いことがあります。
そしてもう一つは、依存症の治療というものが
アメリカのように、回復のための施設
(カウンセラー、セラピー、自助グループなど)が
身近なものとしてあるわけではないので
本人も家族も、一体何をどうすればよいのか
よく分からないということも大きいような気がします。

私が最初にギャンブル依存症のことを知った頃は
依存者本人が否認せず、自分の病気を受け入れるか
「これでは自分の人生は本当にだめなのだ」という
「底つき感」を経験しなければ
回復の可能性はないというように言われていました。
ところが依存症の人というのは、自分が依存症だと認めることは
ほぼありませんから、これではほとんどの依存者は
治療ができないことになってしまいます。

私は、最初はそういう病気があるということを
全然知らなかったことに大きなショックを受け
さらにそれが「治らない」とされていたことに更なる衝撃を受けました。
「パチンコに行っていた」ことが
そんな想像を絶するようなとんでもない状況になるということは
さすがにまったく想定してなかったのです。

最初の頃に書いたブログには
「いったいどうすればいいの」という
呆然自失の思いが書かれているものもあります。
知識がないということが、これほど悲惨な結果を招くことを
心底身に沁みて知りました。

けれど最近では少しづつではありますが
依存症の治療の方法も変わってきました。
前に動機づけ面接でも書いたように、たとえ本人が病気を認めていない場合でも
「変わりたい」という気持ちがあれば、変わることができるように
例えばマックや自助グループのような相互支援グループへの参加をうながす
というように、医療も積極的に介入して
具体的な回復の道筋をつける動きも出てきましたがこれもまだ少数です。
そして医療の現場でも、依存症の治療について何がベストなのかは
未だに試行錯誤が続いているように思えます。

病院での治療の中には、認知行動療法などもあります。
認知行動療法は、やろうと思えば自分でもできないわけではありません。
認知行動療法に関する本もたくさん出版されています。
けれど、普通の人が自力でやるのはかなり難しいと思われ
やはり、専門家の指導を受けながらやるほうがよいと思います。

ただこれはあくまでも私の考え方ですが
認知行動療法は、ものの受け取り方や考え方を変えることで
ストレスにうまく対応できる心を作る心理療法で
依存症自体の治療というよりも
アルコールやギャンブルの原因となるストレスをコントロールする
対処法を身につけていくということなのだろうと思います。

実際にGAやギャマノンに参加してみて
特にGAの場合、自分の気持ち、心の動きが自分で分かる人は
他の方のお世話なども積極的にされていて
そういう方は回復しておられるのだなと感じました。
マックなどの相談機関のスタッフさんなどもそうです。

そしてこれは依存症の本人の方のブログを読んでいても感じるのですが
どういう時に衝動が起きたか、それをどうやって回避したか
あるいはスリップしてしまったが
また一からやり直すなどと、客観的に自分のことを分析して
さらに言葉でそれを表現できているような人は
それなりに回復の可能性はあるように思います。
依存者本人の方で、このブログを読まれているような方がおられるのかどうか
私には分かりませんが、一定の自覚があれば回復は可能だと思います。

それともう一つ、「ギャンブル依存症を考える会」の田中紀子さんのブログで
「行動分析」という言葉を見かけました。
これも心理学の分野では最近クローズアップされてきた理論のようですが
どうやら「認知行動学」とは違った心の問題との取り組み方のようで
ちょっと興味がありますので、もう少しきちんと理解できたら
このブログでも紹介しようと思います。

現代は、高度に発達した脳と、それゆえにある意味繊細な心と
動物としての本能とをあわせ持つ人間には
心身ともに健康に生きていくことが
老若男女を問わずとても難しい時代になっています。

アルコールにしろ、ギャンブルにしろ、薬物にしろ、あるいはネットにしても
もともとは人間が作り出したものが、人間の脳を破壊し
平穏な生活や人生を崩壊させるという、あってはならない逆転が起きています。
高度な情報化社会とは、本来はよりよい暮らしをサポートするはずのものであったのに
政治や経済、社会を変容させるような力を持ち
それによって個々の人間が翻弄され、生き辛さを感じ、心を病む社会になっています。

このような時代に生きていくためには
依存症の問題に限らず、人間の心に関する知識、対応できるスキルというのは
乳幼児期の子育てから、思春期の子どもへの対応
職場や家庭での人間関係と、あらゆる場面で役に立つと思います。

先日パキスタンのマサラさんが、女性や子どもの生きる権利、教育を受ける権利を
世界に力強く訴えて、ノーベル平和賞を受賞されました。
日本では、ほとんどの子どもたちが
十分な教育を受ける権利が保障されているのにも関わらず
多くの子どもたちが、勉強を嫌なもの、やりたくないもの、時には無駄なものと
あたかも苦役のように感じていることに、悲しみさえ感じてしまいます。
学校の勉強だけが知識ではありません。

アルコールやギャンブルや薬物、あるいはネットにしても
どういうメカニズムで依存症という病気になるのか
依存症になったらどういう問題が起こるのか
事前に適切な知識があれば、ある程度は危険を回避することもできるはずです。

知識は、自分を、そして自分の人生を守るために
とても大切で有効な武器だと思うのですが。






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