「日本文学の革命」の日々

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電子同人雑誌の可能性 171 「コンピュータの本質―「01化」と現実世界の統合」

2018-11-21 05:36:28 | 日本文学の革命
かくしてコンピュータ内部において、論理的に完璧な世界、絶対に真なる世界、「デジタル空間の世界」が成立した。コンピュータには最先端の科学技術や最新のテクノロジーが注ぎ込まれているし、まさにコンピュータは西洋合理主義文明の申し子のような存在と言えるだろう。

しかしそれにしてもなぜ西洋人はここまで合理主義が好きなのだろう。この世界のすべて、生活のすべてを合理主義化しないと気が済まないのだろう。やはり2千年にも渡って神の下した絶対の律法(合理主義的と言えなくもないものである)に従って生きてきた影響だろうか。ほとんど宗教的な情熱で世界のすべてを合理主義化しようとしてくる。特にここ百年二百年の情熱はすさまじく、「呪術からの世界の解放」(マックス・ウェーバー)と名付けられた大運動を展開し、世界の合理主義化や非合理的なものの世界からの追放を押し進めてきた。特に目のカタキにされたのが幽霊や妖怪やあの世や呪術やらで、それらの欺瞞やトリックを科学的に暴いて迷信として処罰してゆくことが、中世の魔女狩りさながらに行われたのである。かくして世界の合理主義化が次々と達成されてゆき、現代ではこの種の非合理的存在はすべて存在しないものとされるようになった。(しかしもしある日突然幽霊が「ハーイ♡ 私 幽霊よ。ハウアーユー」と誰の目にも見える形で現われて、しかも科学的検証にも耐えられたとしたら、その瞬間全自然科学は崩壊してしまうのであるが…。まあ、あり得ない話でもない)

そして次に進められたのが、このデジタル空間の中にわれわれの生きているこの現実世界を統合しようとする試みである。まず現実世界とは別の場所―コンピュータの内部空間に、機械的人工的に完璧な論理的世界を作っておき、そこに現実世界を注ぎ込むことによって現実世界を論理化・合理主義化しようというのである。命題論理学はこの現実世界に直接挑んだ結果、その論理化・合理主義化に失敗した訳だが、今度はあらかじめコンピュータという形で合理主義的世界を作っておき、その空間内に現実世界を注ぎ込むことによって、現実世界を完璧な合理主義世界に変換させようというのである。命題論理学のリベンジをコンピュータで行おうという訳である。

その際重要となるのが、やはり「01化」である。現実世界の様々なものを「01」という形で数値化できたのなら、それをコンピュータの内部に統合し、溶かし込むことができるからである。

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