東京大学大学院理学系研究科の関根康人准教授らの研究グループは、土星の衛星エンセラダスの海水中に含まれるナノシリカ粒子が熱水活動で生成するためには、岩石成分が地球のマントルのような組成ではなく、隕石に近い必要があることを室内実験によって示した。
エンセラダスの岩石が隕石に近いことは、この衛星では形成初期も含めて岩石が一度も溶融していないことを示す。
土星の衛星エンセラダスは、内部に地下海や熱水環境が現存する天体として注目を集めているが、その熱水環境の具体的な姿はこれまで明らかではなかった。
今回の成果は、エンセラダスに地球と異なる独自の熱水環境が存在することを明らかにし、生命の食料となりうるガス種を初めて具体的な形で示したもの。