JAZZ最中

考えてみればJAZZばかり聞いてきた。いまもJAZZ最中。

僕がジュリアードとバークリーで学んだこと  藤原清登 著

2018-12-09 10:41:20 | 


ジャズ・ベーシスト藤原清登氏の演奏とはあんまりつながっていないとはおもうけれど、理論とか演奏がすごいというのは認識している。
東京藝大の今村清一氏に師事し、その後バークリー、ジュリアード両校で学んだ人でそのことが出版された。
「音楽で生きていくためのに必要な51のルール」という副題がついていて気になった。

読み始めると、これまでのジャズ・マン本ともちょっと違ってとても面白い。
弦楽器仲間のチェロのレッスンを受けているので、そこらへんも影響するのだろう。チェロ無難に分類しようかとも思ったけれど一応、本の紹介で。

ジュリアードとバークリーは世界各国から生徒が集まる音楽学校だけれど、知らない人のためにちょっとだけ書いておきます。

ジュリアード・スクールは昔はジュリアード大学院といわれてクラッシックの専門校としてスタート、日本人ではピアノの中村紘子さん、バイオリンの諏訪内晶子さんが学んでおり、バイオリンのイツァーク・パールマン、ピンカス・ズッカーマン、チェロのよー・ヨー・マ、指揮者のジェームズ・レヴァイン、ピアノのクライバーン、作曲家のジョン・ウイリアムズなど曹操の面々ジャズではウイントン・マルサリス、チック・コリアが有名。
一方バークリー音楽大学はジャズが有名で、穐吉敏子や渡辺貞夫が学んでいるし、ゲイリー・バートンがこの前まで学長だったところ。
クラシックとジャズを両方体験しているわけでこれは強力だから内容も強力になるわけです。
どんなに強力かというと、バークリーで知り合ったドラマーのカーティスの紹介でホーレス・シルバーのオーディションを受け、ツアー・メンバーに選ばれた最初のプロ・デヴューライヴ、何とも心躍る場面は目に浮かぶようなのでちょっと長いけれど引用。

 この初ステージで、バンドのみんなが最初の一音からトップギアの勢いで演奏しだして、僕は内心ぶっ飛んだ。
 リーダーのホレスが「ワン、ツー、スリー」と始まりのカウントをとると、先制パンチを食らわせたのはドラマーのジェフ・ブエリンジャーの弾けるような躍動するビート。
 そのご機嫌なドラムの音に乗って、トランペットのトム・ハレルが顔を真っ赤にして狂ったように吹きまくる。トムはとてつもなくシャイで、ふだんは顔を上げてまともに人の目さえ見られないが、トランペットを吹きだすと「別人」になった。
 サックス吹きのボブ・バーグは、自慢の肺活量にものを言わせてblow blowで押しまくる。 
 このバンドのツートップ、トムとボブは迫力満点ですばらしかった。
 ピアノを弾くホレスも汗だくで、ソロにバッキングに大活躍だ。ステージの熱気で会場のボルテージは上がり、お客さんが熱狂するのがわかった。
 メンバー最年少、唯一の学生で新人の僕は、「すげえ!」と思うので精いっぱい。
 しかし、僕もみんなに負けじと、ウッドベースで暴れまくった。集中力なんて生易しいものじゃない、無我夢中だった。

 ということでその後80年前後まで、いくつかのレギュラーベーシストをつとめるが、迷いもでてもっと勉強して力をつけたくなる。そこで知り合った清水ケンイチ氏の紹介でニューヨーク・フィルの首席、コントラバス奏者ジョン・アダム・シェーファー氏を知ることとなり、氏が教えるジュリアードへ入学することになる。
そこからが第2章

この第2章がの題が「ジュリアードとバークリーで学んだ音楽のプロを目指す人が知っておくべき38のルール」
さてチェロのお仲間はどう読むべきか。そう題して「ジュリアードもバークリーも知らないシロウトが知らなくてもいい38のルール」

「大人のチェロ会」というのがあって、レイト・スタートのチェロを弾く人が100人以上参加している。そこでは共感や声援がとびかうのだけれど、その人たちはこれをどう読むのか。

たとえば13、「弾ける気になっている」ときこそが一番危ない

シェーファー先生の教え方は毎回、ボウイングとスケールの基礎練習をみっちりさせてから、教則本に載っているエチュードを弾かせる。それが上手くできて初めて試験や演奏会で弾く曲を練習させる。

とあって 囲い込みで 

大ベテランのプロの耳で聞いても「すばらしい演奏」ができるようになるには、相応の努力の積み重ねが必要。コツコツいこう。 とある。

たとえば18、「地獄のレッスンは自分のため。泣き言は不要」

「自分の弾き方を鏡でよく見てごらん。目と耳で確認して、どんな音でどう弾いているか意識しなさい。そんなふうにボーと弾いていたらわからんぞ」
 弓をぎゅっと強くもつな、手から落とさない程度に軽く持て、弓は上から弦に載せるだけ、肩の力を抜いて、右手はリラックスそて自然に卸て、肘wあげて、上腕を意識して、左手は力を入れすぎず楽に、どこへシフトしてもポジションの形は崩さないこと、弦を押さえる指はバタバタさせない・・・などなど、キリもなく注意された。

とあって 囲い込みで

自分の演奏フォームを客観的に見てくれる先生の意見は、厳しくても貴重。泣きそうでもぐっとこらえて、ダメだしは甘んじて受けよう。

さてシロートである我々はこう受取ろう。

「弾けるに気になったいるときは」十分に楽しもう
「地獄のレッスンを受けたら、それは愚痴で乗り越えよう」

この本、大変参考になりました。


コメント
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