中国の軍備拡大、北朝鮮の核開発、ロシアのウクライナ侵略--。

日本の安全保障環境は風雲急を告げています。

ともに1982年生まれの気鋭の軍事研究者、小泉悠さんと山口亮さんが、今から10年後、2030年代の戦争を見通す『2030年の戦争』(日経プレミアシリーズ)。

本書からの抜粋第3回は台湾海峡有事について。

中国は、まずは台湾の平和的統一を目指すだろうが、それではうまくいかない場合に、米国も日本も介入しないと判断して自信を持ったら、武力侵攻をするかもしれない。

台湾有事シナリオを考える

この先10年のメインシナリオとして、日本にはどういう戦争のリスクがあるのかを考えます。

日本の場合、台湾周辺、朝鮮半島、極東ロシアという3つのエリアに脅威が存在します。

もし、朝鮮半島や台湾海峡で有事が発生した場合、日本も攻撃を受けるという議論があります。

直接的な攻撃がなかったとしても、有事によって周辺海域、空域の交通が遮断されるだけで日本経済や国民生活に大きな影響を及ぼすでしょう。

 

まず台湾有事を論じます。

第1に、中国が台湾に対し武力侵攻を行うシナリオです。

最初に海上封鎖やミサイル攻撃などによって台湾を弱らせた後、中国が台湾に侵攻する。

第2は、中国の懐柔と強要によって、台湾に親中傀儡(かいらい)政権が誕生する。

台湾政府は中国統一案を承諾し、中国は台湾を占領する。

この場合、中国の言い分は「我々は1つになったのだから、文句はないね」です。

中国から見れば、このシナリオが最も望ましいこととなります。

これは、台湾の政治的判断によって決まることですので、戦争には至りません。米国も日本も手出しできません。

では、1つ目の「台湾を弱らせた後」とはどういうことか。

まず台湾の海上封鎖を行う。

次に主要な防衛施設や部隊をミサイル攻撃でたたき、大規模な上陸作戦を行う。

台湾は日本と同様、島なので、物資の相当部分を外国に依存しています。

海上封鎖をされてしまうと、どうにもなりません。

「中国は、まずは平和的統一を目指すでしょうが、それがだめなら武力行使をする可能性があります」と話す山口亮さん
画像のクリックで拡大表示

 台湾本島は中国の海岸から百数十キロほどしか離れておらず、面積もそれほど大きくない。中国はすでに海上封鎖を実行する海軍力を持ち、それが可能なことを証明する演習も行っています。また、いったん台湾を包囲すれば、海警局を動員して、法務執行を実施するでしょう。海上封鎖の後で、島の要所をミサイルで攻撃されたり、サイバー攻撃が行われたりすれば、台湾は太刀打ちできないでしょう。

中国が1つ目の選択をするとしたら、何が引き金になるのか?

まず忘れてはならないのは、中国は台湾に対し「独立宣言をしない」「外部勢力による干渉をさせない」ことを軸に、「平和的統一」の圧力を加えていることです。

同時に、2005年3月の第10期全国人民代表大会(全人代)第3回大会で採択された反国家分裂法では、もし台湾が中国からの分裂を試みた場合、「非平和的手段」を取ると定めています。

中国の方針を端的に言えば、「まず平和的統一、それがダメなら武力行使」ということです。

ですから中国としては、事前に「統一案」を台湾に迫るんだろうと思います。

その統一案には、台湾にとっての経済的、社会的なメリットも多く盛り込まれることでしょう。

もし台湾が現状維持を理由に統一案を拒否したら、中国は「独立宣言」とみなし、さらに圧力を強めるか、実力行使に移るかもしれません。

中国が台湾に開戦の責任をなすりつけるようなやり方ですね。

事実上、中国側に台湾侵攻の意図があるようにも思えます。

確かにその可能性はあるかもしれません。

 

さらにもう1つ、中国は積極的にはやりたくなかったけれど、行動せざるを得なくなるケース、すなわち中国にとってのレッドラインを、台湾が超えてくるシナリオもあるのではないですか。

 

実際中国がどのタイミングで武力侵攻に踏み切るかが焦点となります。

「今なら確実に台湾を取れる」と台本通り侵攻を進めるケース、偶発的衝突から発展するケース、中国にとって状況が不利になり始め、「今のうちにやるしかない」と判断して行う、という3ケースに分けられます。

結局、中国が台湾と地域の情勢をどう見ているかによります。

中国が計画的に侵攻を実施する場合、「120%勝てる」と思ったら取りに行くかもしれません。

中国が「米国は介入しない」と判断したら

「120%勝てる」という判断の中には、米国の介入がないという確信もあるんでしょうね。

「中国経済が後退局面に入ってしまい、軍事的にはやり残したことがあると中国が判断すれば、行動に出るかもしれません」

 

台湾は抵抗するかもしれないが長続きしない、米国も日本も介入しない、事後処理もなんとかなりそう。

中国がそのように計算し、自信を持ったときが危ないと思います。

計画的に武力侵攻に踏み込むには、政治、経済、軍事の面で相当の準備が必要です。

日本、米国、台湾としては、さまざまな兆候が見えるだろうし、ある程度備えることも可能になります。

 

さらに怖いのは、中国が「今しかない!」と突発的に動くときです。

これ以上時間がたつと、統一は不可能になる、台湾は独立に向かうだけでなく、米国や日本が介入してくる、手遅れになる前に手を打とう、と決意する。

この場合、中国は準備不十分であっても、なりふりかまわず仕掛けてくるかもしれません。

日本の真珠湾攻撃の際には、これ以上じっとしていてももっと不利になるので、今のうちに米国をたたいておこうという意図があったのと同様です。

例えば中国経済の成長が明らかに頭打ちになって、後退局面に入るときです。

経済成長のピークと軍事力のピークは一致しません。

日本の経済成長のピークは30年前に過ぎましたが、軍事力は今のほうが高い。

過去の蓄積を使えば経済のピークより何十年も後に軍事力のピークを持ってくることは可能です。

もうこれ以上、経済は成長しないという見込みがあって、でもまだ軍事的にはやり残したことがあると判断すれば、中国が打って出るというシナリオも理屈上考えられます。

 

中国の資産バブル崩壊は、1990年代の日本のバブル崩壊以上の事態になるかもしれません。

中国にとって台湾への侵攻は、軍事面だけでなく、政治的、経済的に大きな覚悟が必要です。

経済制裁による貿易への打撃、国際社会でのさらなる孤立とともに、戦費の負担にも備えなければなりません。

もちろん中国もこのことは十分承知しており、準備と対策を講じていると思いますが。

ここにきて一つ問題が起きています!!

沖縄のマフィアのボスが、台湾のマフィアのボスに就任したのである!!

これは何を意味するのかというと、中国の「台湾内部進行」は順調に進んでおり「台湾有事」は「沖縄有事」に繋がっているということである!!

そう馬鹿でもわかる中国の台湾有事は、沖縄有事と同時侵攻である!!

尖閣諸島上陸を海上保安庁と自衛隊は懸命に防いでいるが、このような中国の「陽動作戦」に惑わされている日本の自衛隊は装備はいいが、頭は弱い!!

既に宮古島に中国の人民解放軍が多数上陸して、表向き商売をしています!!

 これで日本国と日本国民を守れるのでしょうか!