気象庁が初めて南海トラフ臨時情報を発表「巨大地震注意」に揺れた!!
激動の8月8日を振り返る
気象庁は南海トラフ地震 臨時情報(調査中)を発表し、その後 専門家による評価検討会で発生した現象について分析が進められ、午後7時15分に南海トラフ地震 臨時情報(巨大地震注意)が発表されました。
激動の1日を振り返ります。
8日午後4時42分ごろ、宮崎県で最大震度6弱を観測する地震があった。
震源は日向灘で、地震の規模を示すマグニチュード(M)は7・1と推定される。
気象庁は、東海沖から九州沖にかけての震源域で発生が懸念される「南海トラフ巨大地震」への注意が必要だとして、「南海トラフ地震臨時情報(巨大地震注意)」を発表した。
臨時情報が出るのは初めてで、「新たな大規模地震が発生する可能性が平常時と比べて数倍高まっている」として注意を呼びかけた。
南海トラフ巨大地震が想定される地域では今後1週間程度、同規模以上の地震に注意する必要がある。
対象となるのは、茨城県から沖縄県にかけての1都2府26県の計707市町村。
政府は事前避難は求めないが、避難する場所や経路、備蓄など日ごろの備えを再確認するよう呼びかけた。
気象庁によると、震源の深さは30キロ。宮崎、鹿児島、大分、高知、愛媛の各県の沿岸部に一時、津波注意報が発表され、宮崎県では約50センチ、高知県でも約30センチの津波が観測された。
内閣府の有識者検討会が2012年に公表した南海トラフ巨大地震の想定はM9・1で、最悪の場合の推計死者は32万3000人。
19年には、耐震化の進展などから死者23万1000人と試算されていた。
南海トラフ地震臨時情報は17年に導入され、巨大地震につながる恐れがある際に、警戒や注意を促す仕組み。
臨時情報は4種類あり、想定震源域や周辺でM6・8以上の地震が発生した場合などに、気象庁はまず「調査中」を出す。
その後、警戒が必要な程度に応じて「巨大地震警戒」「巨大地震注意」を出し、いずれにも当てはまらないと判断すれば「調査終了」を発表する。
気象庁は8日夕の地震発生後に「調査中」を出し、専門家による評価検討会で巨大地震との関連性を検討。
新たな大規模地震への注意が必要だと判断し、「巨大地震注意」を発表した。
この地震で、地元消防などによると宮崎、鹿児島、熊本の3県で少なくとも計11人がけがをした。
宮崎県では、震度6弱を観測した日南市の自宅にいた80代女性が倒れた本棚で頭を打った。
意識はあるという。
原子力規制委員会によると、各地の原発に異常はなかった。
「半割れ」南海トラフ巨大地震 もう1つの最悪想定
「最悪のシナリオは『半割れ(はんわれ)』かもしれない」
地震の専門家たちは取材に対して、口々にこう答えました。
近い将来、必ず起きるとも言われる南海トラフ巨大地震の「最悪のシナリオ」とは?
今回、「地震の揺れ」と「災害救助」、そして「経済」の3つの面から検証してみると、日本に住む私たちのほとんどが無関係でいられない事態が迫っていることがわかりました。
南海トラフ「震度7」が連発も
しかし、この地震で終わりではありません。南海トラフでは、西の領域だけで巨大地震が起きると、東の領域でも巨大地震のおそれが高まります。
東の「半割れ」の想定イメージの震度分布図が、以下です。
防災の権威「日本の衰退に」
日本の防災を長年リードしてきた京都大学の河田惠昭名誉教授は、日本の国力に影響を与える「国難」級の災害になるおそれがあると指摘します。
南海トラフ「半割れ」とは?
この「半割れ」は、歴史的にも繰り返し起きています。
(1)「2度の揺れ」、(2)「災害救助」、そして(3)「日本経済」の影響を見ていきます。
影響(1) 2回の激震で建物は?
2016年の熊本地震では、2度の震度7に見舞われた地域で、建物の倒壊が相次ぎました。
超高層ビルが…
大阪にある25階建て、高さ約100メートルの鉄骨造、制震装置のあるオフィスビルの構造を、コンピューター上で再現。大阪・此花区の地盤で想定される揺れを2回、入力しました。
これは変形した鉄骨が、揺れに耐えられずに破断したことを意味しています。
超高層ビルが、継続して使用できないダメージを受けてしまう可能性があるという結果となりました。
「たとえば針金をクネクネと曲げても、1回や2回曲げたくらいでは変形するだけで折れることはありません。
影響(2) 被災地に救助が来ない?
1度巨大地震が起きたとき、次の巨大地震の可能性が高まるため、救助が大きく遅れるおそれがあるというのです。
しかし、このうちある地域の陸上の部隊は、南海トラフで「半割れ」が起きると被災地に出動できないことが、事前の計画で決まっているというのです。
どういうことなのでしょうか?
地元の活動を優先することに
1回目の巨大地震で被害が少なかったとしても、被災地の応援に行っている間に、もう1回巨大地震が起きるおそれがあるためです。
消防行政に詳しい関西大学の永田尚三教授は、「半割れ」のリスクを考えるとやむをえないとしたうえで、被災地では救助が来ないまま「孤立」する地域が出るおそれがあると指摘します。
「部隊が駆けつけられない影響は人員だけでなく、津波災害に備えた水陸両用車などの特殊車両も利用できない可能性があります。被災地は孤立化し、訓練を重ねてきたような救助活動が展開できないおそれもあるのです。沿岸の自治体を中心に住民にはあらためてハザードマップや避難経路を確認し『救助が来ない可能性』も考慮して備えてほしいです」
影響(3) 日本経済のダメージは…
500万を超える全国の企業の取引データや国の被害想定を使って、スーパーコンピューター「富岳」で、国内企業の生産額がどの程度落ち込むのか、シミュレーションしました。
東日本大震災の10倍の被害に
西の「半割れ」で、回復しつつあった企業の生産額が、一気に落ち込み、元の水準に戻らなくなることがわかります。
シミュレーションでは、最初の地震の発生から1年間で失われる企業の生産額の総額は134兆円にのぼりました。東日本大震災の10倍、日本の国家予算に匹敵します。
「あらゆる企業が無数のサプライチェーンでつながっているため、一度大きなショックが起きるとドミノ倒しのように連鎖的な破綻が起きてしまいます。
「先人は乗り越えてきた」
このうち、長年南海トラフ巨大地震の研究をしてきた名古屋大学の福和伸夫名誉教授のことばを紹介したいと思います。
「日本は歴史上、把握できているだけでも9回の南海トラフ地震を経験していますが、先人たちは毎回、それを乗り越えてきました。
あなた方の日常生活が、ある日突然消えてしまいその先にある者は「奴隷」としての貴方があり「生命」までもコントロールされてしまいます!!