民主党の小沢元代表に近い鈴木幹事長代理は、記者団に対し、消費税率引き上げ法案に抗議して、みずからも含め、合わせて２９人が党の役職の辞表を提出したことを明らかにしました。
これに対して、小沢一郎を裏切り幹事長のポストに座った輿石幹事長は、記者会見で、慰留に努める考えを示しましたが、腹の底は如何なるものかは計り知れません。
消費税率引き上げ法案を巡っては、閣議決定当日の先月３０日、小沢氏に近い牧厚生労働副大臣ら政務三役の４人が辞表を提出するなど、政府や党の役職の辞表を提出する動きが出ているほか、木内孝胤衆議院議員が、２日、離党届を提出ました。
こうしたなかで鈴木幹事長代理は、２日、記者団に対し、「預かっていた辞表を、役員会のあと、輿石幹事長宛てに提出した。先に政策調査会に提出されているものもあるので、全部で合わせて２９人になる。理由は、一身上の都合だ」と述べましたが、造反劇を演じているだけの腹の無い抗議です。
一方、これに先立って輿石幹事長や前原政策調査会長らは、党の役職の辞表が提出されたことへの対応を協議し、辞表は受理せず、慰留することを確認したようですが、何故かと申しますと、これがエスカレートして政権の座から引きずり下ろされるのが怖いだけなのです。前原誠司は、現政権の内に二度と狙えない総理の座を狙っていますし、老獪な輿石は、野田佳彦からの香典代わりの参議院議長の座を狙っていますので、ここは何とか納めなくては、二人とも喉から手が出るほど欲しいものが手に入らなくなってしまいます。
輿石幹事長は、記者会見で「私は、鈴木氏らの辞表を受け取っていない。鈴木氏からは『消費税率の引き上げに反対する署名活動をしたので、責任を感じている』という話はあったが、私からは『過去のことであり、それはそれとして役職を続けてもらいたい』と伝えた」と述べ、慰留する考えを示しました。
また、輿石氏は、木内氏が離党届を提出したことについて「対応はまだしていない。ぜひ党に残ってもらいたい」と述べました。
このあと開かれた「政府・民主三役会議」でも、辞表を提出した政務三役や党役員の慰留に努める方針を確認しました。
会議のあと隠れ前原派の樽床幹事長代行は、記者団に対し、「これまで野田総理、輿石幹事長の体制をみんなで支えてきたから、これからもみんなで支えていきたい。できるだけ早く党内がまとまるよう努力したい」と述べました。
消費税法案の閣議決定に反対して、民主党の小沢元代表のグループの鈴木幹事長代理らが2日夕方、党の役職の辞表を正式に提出しました。ただ、輿石幹事長は「一体となって今の体制でやっていきたい」と自己の野望のために慰留する考えを示しました。野田総理大臣と執行部は、夕方から総理官邸で今後の対応を協議していますが、党内の亀裂は修復不可能な情勢です。
民主党内で、消費増税関連法案の閣議決定に抗議して党役職の辞表を提出した国会議員は2日、29人に達した。政務三役を含む辞表提出や、離党の動きは30人超に拡大。
野田佳彦首相は同日夜、首相官邸で輿石東幹事長らと政府・民主三役会議を開き、辞表は受理せず、慰留に努めることで一致した。ただ、辞任の動きはさらに広がる可能性があり、混乱を収拾できるかは不透明だ。
消費増税法案をめぐっては、既に松崎哲久政調副会長らが前原誠司政調会長に辞表を提出。これとは別に、小沢一郎元幹事長に近い鈴木克昌幹事長代理が2日、自らを含む21人分の辞表を出した。辞任の意向を固めていた樋高剛総括副幹事長らが含まれているとみられる。
また、木内孝胤衆院議員（東京9区）は同日、離党届を出した。木内氏は当選1回で、元代表に近い若手でつくる「北辰会」のメンバーでした。
藤村修官房長官は2日、黄川田徹総務副大臣、森裕子文部科学副大臣ら辞意を示した政務三役4人に個別に電話し慰留した。しかし、4人とも辞任の意向は変わらないことを伝えた。
輿石氏は記者会見で「（鈴木氏らの辞表は）受け取っていない。今後も職責を全うしてほしい」とし、政務三役4人についても続投を求める考えを示しました。さらに「必要があれば小沢元代表とも会って話をしたい」と述べました。
私は、この民主党小沢派の辞任劇は本物であろうかと考えて、本日、10時に衆議院会館に行き辞表を提出した某副大臣の顧問と面会して話しを聞きましたが、残念ながら余り緊張感はありませんでした。
「議員は、辞表は提出しましたが受理されずに保留になっています!」
と苦笑していました。
辞表は、保留になっていますから職務は続けているというのですから、私も苦笑して議員会館をあとにしました。
マスゴミは、大げさに報道していますが、どうも駆け引きの一環でしょう!
