ルーツな日記

ルーツっぽい音楽をルーズに語るブログ。
現在、 フジロック ブログ と化しています。

夏フェスで体験するブラックミュージックの進化

2018-07-24 23:00:01 | フジロック
新時代のブラック・ミュージック。

2012年、アコースティックとエレクトリックの両刀使いだったロバート・グラスパーが、そのエレクトリック・ユニット、ロバート・グラスパー・エクスペリメントによる1st作「Black Radio」をリリース。それが全ての始まりでした。

そして2014年、フライング・ロータス「You're Dead!」。
2015年、ケンドリック・ラマー「To Pimp A Butterfly」。
同年、カマシ・ワシントン「The Epic」
2016年、チャンズ・ザ・ラッパー「Coloring Book」。
2017年、サンダーキャット「Drank」

などなど。新時代のブラックミュージックは、ジャズ、ヒップホップ、R&B、ビートミュージックなど、ありとあらゆるジャンル間で影響を与え合い、大きなうねりとなって今も進化を続けています。そしてこの夏、ここに挙げたアーティスト全てが、夏フェスで日本にやってくるのです!!凄くないですか!?

特にフジロックにケンドリック・ラマー、サマーソニックにチャンズ・ザ・ラッパーという、今、最も旬な2人、時代を代表するこの2人がやってくるというのは、もうほとんど奇跡と言って良いでしょう!! さらにロバート・グラスパーが話題のニュー・プロジェクトで東京JAZZに登場します!!いやホント、凄いことになってます。




Kendrick Lamar / DAMN.
まずはこの人、ケンドリック・ラマー。説明不要の現行最重要アーティストですね。この人が今、フェスのヘッドライナーとして日本に来ることがどれだけ凄いことか!!「To Pimp A Butterfly」でグラミー賞11ノミネート、5冠の快挙を成し遂げ、続く最新作「DAMN.」は、2017年のアメリカで最も売れたアルバムとなり、グラミーでまたも5冠、さらにピューリッツァー賞まで受賞。今、最も影響力のある男、ケンドリック・ラマー。フジロック土曜日のヘッドライナー、必見です。



Chance The Rapper / Coloring Book
そしてサマソニにはチャンス・ザ・ラッパー。レーベルと契約せずに、配信のみで音楽をリリースするという、異端児にしてまさに時代の申し子のような彼。2016年作「Coloring Book」では、有料販売していない音源としては異例のグラミー受賞を果たし、新しい時代の到来を印象づけました。今年、サマーソニックでいよいよ初来日。



R+R=Now / Collagically Speaking
時代の革命児ロバート・グラスパーによるニュープロジェクトが早くも東京JAZZ に登場。とにかくメンバーが凄い!ロバート・グラスパー、テラス・マーティン、クリスチャン・スコット、テイラー・マクファーリン、デリック・ホッジ、ジャスティン・タイソン。黒いジャズを担うニュージェネレーションの縮図と言ってもいい豪華さ!テラス・マーティンと言えば、カマシ・ワシントンやサンダーキャットと並ぶ西海岸ジャズ勢のキーパーソンの一人ですからね。しかもそこにクリスチャン・スコットも絡むという。 しかもこのメンバーがほぼそのまま来日するんですから、見逃し厳禁です。



FLYING LOTUS / YOU'RE DEAD
ビートミュージックの鬼才フライング・ロータスによる、ブラック・ミュージックに新たな混沌を与えた怪物作。彼の右腕サンダーキャットはもちろん、カマシ・ワシントン、ケンドリック・ラマーなども参加。その後も混沌を上塗りするような映像作品を作るなど存在感を示し続けるフライローが、今回はソニックマニアにて、ブレインフィーダー勢を引き連れてのブレインフィーダー・ナイトを開催!!



Thundercat / Drunk
そのブレインフィーダー・ナイトに出演するサンダーキャット。にわかに西海岸ジャズ勢が注目されるなか、常に別格な存在感を放ち続ける彼。ブレインフィーダー・ナイトというお膝元で、どんな濃密ライヴを繰り広げてくれるのか?



Parliament / Medicaid Fraud Dog
そしてもう一人、ブレインフィーダー・ステージで大注目なのが、御大ジョージ・クリントンです。ご存知、ジェイムス・ブラウンと並び賞されるファンクの神様の一人。最近は何かとフライローに急接近しているところが不気味だったりしますが、ソニックマニアにはジョージ・クリントン&パーラメント/ファンカデリック名義で出演。総帥のブレインフィーダー入りがP−FUNKに何をもたらすのか? いや、P−FUNKがブレインフィーダーに何をもたらすのか?それはその夜になってみないと分りません! サマーソニック2日目ビーチのトリも楽しみです!!




Kamasi Washington / Heaven and Earth
そしてサマソニ初日のビーチでトリを務めるのはカマシ・ワシントン! 「The Epic」を出した頃はまだ得体の知れない何かでしたが、その後徐々にその実態が明らかになるにつれ、その存在感も規格外へと変貌して行きました。そしていよいよ第2章となるフルアルバム「Heaven and Earth」をリリースし、その評判も最高潮という絶好のタイミングでサマソニに登場です。ブレインフィーダー・ナイトの翌日にカマシが出るというのがまた良いじゃないですか!!



Malibu / Anderson .Paak
フジロックで注目は、何と言ってもアンダーソン・パック。ロバート・グラスパー、マッドリブ、クリス・デイヴ、ケイトラナダ等々、強力な人脈を駆使して製作された2016年作「Malibu」。そのヒップホップとソウル、ジャズの間を縦横無尽に行き来するサウンドは各方面のベストアルバム企画に軒並み選出されるなど、間違いなく、今後のブラックミュージックの未来を担うキーマンの一人。



N*E*R*D / No One Ever Really Dies
今年のフジロックと言えば、やはりファレル・ウィリアムスを忘れてはいけません。90年代以降、彼が量産したヒット曲こそグルーヴの歴史と言っても過言ではないでしょう。既にベテランの域に達しつつありながらも、近年はケンドリック・ラマーと相互に客演し合うなど、今後も最先端に絡み続けること間違いありません。なにせケンドリックの代表曲「Alright」のプロデュースもしていますからね。今回は今年のNBAオールスターゲームでの熱演も記憶に新しいN*E*R*Dで、フジロック初日のヘッドライナーを務めます。



さらにフジとサマソニには、さらなる未来を担うニューカーマーも登場します。



Serpentwithfeet / Soil
ビョークのリミックスでフィーチャーされ話題になったサーペントウィズフィート。流石にビョークが気に入るだけあって、フューチャリスティック且つエクスペリメンタルなR&B。今後、ヒップホップやR&Bとは違う、新しい感性のサウンドが主流になって行くのかもしれません。フジロック最終日レッドに出演。



Kali Uchis / Isolation
タイラー・ザ・クリエイターお気に入りのカリ・ウチス。ゴリラズへの客演も印象的でした。その2組に加え、サンダーキャットやジョルジャ・スミスも参加したデビュー作「Isolation」も話題。ヴィンテージな歌唱にコロンビア出身らしいトロピカルな塩梅もあったりで、これからの飛躍が楽しみ。フジロック、日曜ホワイトに出演。



Jorja Smith / Lost & Found
そのカリ・ウチスとの共演も印象的なジョルジャ・スミス。イギリス出身。今年のブリット・アワーズでCritics’ Choice(2018年に最も活躍が期待される新人へ贈られる賞)を受賞。ケンドリック・ラマーがプロデュース&キュレーションを務めた「ブラックパンサー」のサントラでも存在感を発揮していました。サマソニに出演。





他にもサマソニにはケレラとか、コスモ・パイクとか、気になるアーティストはまだまだいらっしゃる。フジにはメンフィスの女王カーラ・トーマスが出ますし、東京ジャズにはハービー・ハンコックも出る。いやはや、今年の夏は黒く熱い!!!!