3月19日、ブルーノート東京にてロベルト・フォンセカのライヴを観てまいりました。私が観たのは2ndショー。ブルーノート東京公演の最終ステージでした。
キューバとアフリカのリズムをヒップな現代的ジャズ感覚で融合したような最新作「YO」が、今年のグラミー賞にノミネートされるなど各方面で絶賛されるキューバ・ジャズの最先端、ロベルト・フォンセカ。私もジャイルズ・ピーターソンの「Havana Cultura」以来、一度は生で観てみたいと思っていたのですが、実際に生で観るのはこの日が初めて。これが凄いのなんの!! ロベルト・フォンセカのピアノが強力なのはもちろんですが、彼が率いるバンドがまた素晴らしかった! その圧倒的なグルーヴと鋭利な音空間に、ただただ打ちのめされるばかりでした。
メンバーは、ロベルト・フォンセカ(p,key,vo)、ジョエル・イエレスエロ(cuban per,coros)、ヤンディ・マルティネス(b)、ラムセス・ロドリゲス(ds)という4人のキューバ戦士に西アフリカはマリ出身のシェリフ・ソウマノ(kora,tama)が加わるクインテット。
拍手歓声に包まれながらステージに上がるメンバー達。ロベルト・フォンセカの弾くキーボードのスピリチュアルな音色が静かに場内に浸透し、どこからか女性の歌声が聴こえてくる。これはロベルト・フォンセカの母でありシンガーでもあるMercedes Cortes Alfaroの歌声のサンプリング。いきなり歌をサンプリングで聴かせるあたり、単なるジャズやワールドミュージックではない現代的な感覚をひしひしと感じさせてくれます。そしてシェリフ・ソウマノによる流麗なるコラの調べが更なる風景を描き出し、ヤンディ・マルティネスのエレキ・ベースが加わると、最新作「YO」のなかでもヒップなリズムが印象的な「7 Rayos」へと導かれていく。もうこの導入部分から痺れまくりでした!そしてロベルト・フォンセカのピアノと、シェリフ・ソウマノのコラ、二人の美しくもスリリングな掛け合いに心を奪われつつ、身体はヤンディ・マルティネスが繰り出す催眠的反復グルーヴに揺らされる。ラムセス・ロドリゲスのドラムスが激しく熱を帯び、そのサウンドの緊張感が最高潮に達し頃、曲は静かに終演を迎える。格好良い~!!!
続いてこのバンドの凄まじさを最も物語った「80's」。アルバム「YO」のオープニングを飾るまさにラテンvsアフリカンなトライバル・ビート。生で聴くこの曲の凄まじさは半端無かったです!! ラムセス・ロドリゲスのドラムス、そしてジョエル・イエレスエロのパーカッションが鳴り響き、シェリフ・ソウマノはタマと呼ばれるいわゆるトーキングドラムを叩いてる。まるで大地からマグマが湧き出るかのようなリズム。これにロベルト・フォンセカの鋭利なピアノが踊る。こんなエッジの立ったトライバル・グルーヴはなかなか体験出来ませんよ! で、案外そのグルーヴの肝はベースのヤンディ・マルティネスだったり。彼がエレキ・ベースで繰り出す低音フレーズは、そのグルーヴをさらにロールさせていく加速力を伴っている。まさにリズムとグルーヴの饗宴。とにかく5人全員がとんでもないリズム職人でありグルーズ・マスター。その5人5様が一丸となって押し寄せてくる快感。堪りませんでしたね~。
冒頭2曲でクロスオーバーなキューバ・ジャズを見せつけた後は、ここで一旦シェリフ・ソウマノがステージを去り、ヤンディ・マルティネスがウッド・ベースに持ち替えてのキューバ・カルテットとなる。変則的な拍子と一風変わったブレイクが醸す異国情緒が秀逸な「Quien Soy Yo」や、フォンセカの繊細且つ表情豊かなピアノタッチに聴き惚れた「Así Es La Vida」など、メンバー各々のソロを交えながらクール且つ熱い演奏が繰り広げられる。特にラムセス・ロドリゲスのドラム・ソロは圧巻でしたね。彼のプレイは終始素晴らしかったですが、まるで一人ポリリズムのようなドラム・ソロにはただただ興奮させられるばかりでした。ドラムソロにあんなに興奮させられたのは久しぶり!!
このドラムソロの時も思ったんですけど、今回のライヴは音が凄く良かったですね。ドラムスとパーカッション、そしてピアノが激しく折り重なっても、リズムのニュアンスがはっきりと耳に入ってくる。繊細且つ鋭利なピアノのタッチはもちろん、例えばパーカッションの叩き方やミュートの感じなどによる多彩な音色とか、ドラムスの一音一音の粒立ちやアクセントの付け方とか、様々な音が立体的に聴こえてくる感じ。ロベルト・フォンセカ自身が信頼を寄せるミキサーの方を連れてこられてるそうなので、その辺のこだわりも感じさせられました。
再びシェリフ・ソウマノが戻っての本編ラストは「Bibisa」。サビの「ビビサー、ビビサー」を観客に合唱させたりというクラブならではの親密感もあったりで、バンドと観客が一体となって最後に相応しい濃密な雰囲気にクラブが包まれる。恐るべしキューバ&アフリカ。恐るべしロベルト・フォンセカ!!もちろんこれで終わりではありません。観客達のスタンディング・オベーションに応えるようなアンコール曲「Triste Alegria」によって、熱い熱い夜がふけっていきました。アンコール含め計9曲、およそ1時間45分くらい?の熱演でした。
いやもう、今年のベストライヴか!?ってぐらい、衝撃的に格好良かったです!!
ROBERTO FONSECA / YO
ライヴの後はお楽しみのサイン会。一緒に写真を撮ってくれたりなナイスガイでした!!
キューバとアフリカのリズムをヒップな現代的ジャズ感覚で融合したような最新作「YO」が、今年のグラミー賞にノミネートされるなど各方面で絶賛されるキューバ・ジャズの最先端、ロベルト・フォンセカ。私もジャイルズ・ピーターソンの「Havana Cultura」以来、一度は生で観てみたいと思っていたのですが、実際に生で観るのはこの日が初めて。これが凄いのなんの!! ロベルト・フォンセカのピアノが強力なのはもちろんですが、彼が率いるバンドがまた素晴らしかった! その圧倒的なグルーヴと鋭利な音空間に、ただただ打ちのめされるばかりでした。
メンバーは、ロベルト・フォンセカ(p,key,vo)、ジョエル・イエレスエロ(cuban per,coros)、ヤンディ・マルティネス(b)、ラムセス・ロドリゲス(ds)という4人のキューバ戦士に西アフリカはマリ出身のシェリフ・ソウマノ(kora,tama)が加わるクインテット。
拍手歓声に包まれながらステージに上がるメンバー達。ロベルト・フォンセカの弾くキーボードのスピリチュアルな音色が静かに場内に浸透し、どこからか女性の歌声が聴こえてくる。これはロベルト・フォンセカの母でありシンガーでもあるMercedes Cortes Alfaroの歌声のサンプリング。いきなり歌をサンプリングで聴かせるあたり、単なるジャズやワールドミュージックではない現代的な感覚をひしひしと感じさせてくれます。そしてシェリフ・ソウマノによる流麗なるコラの調べが更なる風景を描き出し、ヤンディ・マルティネスのエレキ・ベースが加わると、最新作「YO」のなかでもヒップなリズムが印象的な「7 Rayos」へと導かれていく。もうこの導入部分から痺れまくりでした!そしてロベルト・フォンセカのピアノと、シェリフ・ソウマノのコラ、二人の美しくもスリリングな掛け合いに心を奪われつつ、身体はヤンディ・マルティネスが繰り出す催眠的反復グルーヴに揺らされる。ラムセス・ロドリゲスのドラムスが激しく熱を帯び、そのサウンドの緊張感が最高潮に達し頃、曲は静かに終演を迎える。格好良い~!!!
続いてこのバンドの凄まじさを最も物語った「80's」。アルバム「YO」のオープニングを飾るまさにラテンvsアフリカンなトライバル・ビート。生で聴くこの曲の凄まじさは半端無かったです!! ラムセス・ロドリゲスのドラムス、そしてジョエル・イエレスエロのパーカッションが鳴り響き、シェリフ・ソウマノはタマと呼ばれるいわゆるトーキングドラムを叩いてる。まるで大地からマグマが湧き出るかのようなリズム。これにロベルト・フォンセカの鋭利なピアノが踊る。こんなエッジの立ったトライバル・グルーヴはなかなか体験出来ませんよ! で、案外そのグルーヴの肝はベースのヤンディ・マルティネスだったり。彼がエレキ・ベースで繰り出す低音フレーズは、そのグルーヴをさらにロールさせていく加速力を伴っている。まさにリズムとグルーヴの饗宴。とにかく5人全員がとんでもないリズム職人でありグルーズ・マスター。その5人5様が一丸となって押し寄せてくる快感。堪りませんでしたね~。
冒頭2曲でクロスオーバーなキューバ・ジャズを見せつけた後は、ここで一旦シェリフ・ソウマノがステージを去り、ヤンディ・マルティネスがウッド・ベースに持ち替えてのキューバ・カルテットとなる。変則的な拍子と一風変わったブレイクが醸す異国情緒が秀逸な「Quien Soy Yo」や、フォンセカの繊細且つ表情豊かなピアノタッチに聴き惚れた「Así Es La Vida」など、メンバー各々のソロを交えながらクール且つ熱い演奏が繰り広げられる。特にラムセス・ロドリゲスのドラム・ソロは圧巻でしたね。彼のプレイは終始素晴らしかったですが、まるで一人ポリリズムのようなドラム・ソロにはただただ興奮させられるばかりでした。ドラムソロにあんなに興奮させられたのは久しぶり!!
このドラムソロの時も思ったんですけど、今回のライヴは音が凄く良かったですね。ドラムスとパーカッション、そしてピアノが激しく折り重なっても、リズムのニュアンスがはっきりと耳に入ってくる。繊細且つ鋭利なピアノのタッチはもちろん、例えばパーカッションの叩き方やミュートの感じなどによる多彩な音色とか、ドラムスの一音一音の粒立ちやアクセントの付け方とか、様々な音が立体的に聴こえてくる感じ。ロベルト・フォンセカ自身が信頼を寄せるミキサーの方を連れてこられてるそうなので、その辺のこだわりも感じさせられました。
再びシェリフ・ソウマノが戻っての本編ラストは「Bibisa」。サビの「ビビサー、ビビサー」を観客に合唱させたりというクラブならではの親密感もあったりで、バンドと観客が一体となって最後に相応しい濃密な雰囲気にクラブが包まれる。恐るべしキューバ&アフリカ。恐るべしロベルト・フォンセカ!!もちろんこれで終わりではありません。観客達のスタンディング・オベーションに応えるようなアンコール曲「Triste Alegria」によって、熱い熱い夜がふけっていきました。アンコール含め計9曲、およそ1時間45分くらい?の熱演でした。
いやもう、今年のベストライヴか!?ってぐらい、衝撃的に格好良かったです!!
ROBERTO FONSECA / YO
ライヴの後はお楽しみのサイン会。一緒に写真を撮ってくれたりなナイスガイでした!!