ルーツな日記

ルーツっぽい音楽をルーズに語るブログ。
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ローリング・ストーンズ@東京ドーム

2014-03-22 19:43:52 | ルーツ・ロック
ローリング・ストーンズ、行ってきました!! 「14オン・ファイアー・ジャパン・ツアー」と題された、8年振り6度目の来日ツアー。私が観たのは2日目、3月4日の東京ドームです。

席は2階スタンド席ながら、ど真ん中で、しかも目の前が通路だったこともあり、まったく視界を遮ることなく、巨大スケールなストーンズの姿をたっぷり堪能してまいりました。ま、巨大と言ってもその姿自体は豆粒以上に小さいものでしたけどね…。


「Start Me Up」で幕を開けた最強のロックン・ロール・ショー。8年ぶりに見るストーンズ達の勇姿に2階スタンド席までいきなり総立状態。スリムな体で踊りまくるミック・ジャガー。スタジャンを着たキース・リチャーズも見える。「You Got Me Rocking」で一気にタイトなグルーヴを加速し、「It's Only Rock 'N Roll (But I Like It)」、「Tumbling Dice」という70年代の名ロックン・ロールで東京ドームという巨大空間をストーンズ色に染め上げていく。ミックのヴォーカルはソウルフルに弾みまくり、キース&ロニーのギターがルーズに絡み合う。チャーリーのドラムスも相変わらずタイトこの上ない! そんなバンドの演奏はもちろん、バック・コーラスもホーン隊もこれぞストーンズ!! さらにミックが「東京ドームで27回目のショーだ!」と日本語で語った後に始まった「Angie」。毎回注目のスロー・ナンバー、この夜は「Angie」でした。ミックの歌声が味わい深かったですね~。名曲!!

そして新曲「Doom And Gloom」で新鮮な風を吹き込んだ後のまさかの「Silver Train」。73年の名作「GOATS HEAD SOUP」収録曲ですが、この曲、その73年以来41年ぶりにこの日パフォーマンスされたとか。レアですよね~。しかもここでゲストのミック・テイラーが紹介され、ロニーとのダブル・スライドギターでビュンビュン弾きまくり、さらにミック・ジャガーがブルース・ハープで絡む。こんなストーンズが観れるなんて!! 感無量ですよ! 50年という長いストーンズの歴史の中で、私もミック・テイラー在籍時が一番好きですからね。ホントこの共演は夢のようでした。実はこの曲、いくつかの候補曲の中から事前にファンの人気投票によって選ばれた曲だったのです。いやはや、よくぞ選んでくれましたよ! (ちなみにこの曲以外の候補曲は「All Down The Line」、「Respectable」、「When The Whip Comes Down」、「You Got Me Rocking」、「If You Can’t Rock Me」でした。選ばれなかった「You Got Me Rocking」も2曲目に演っちゃているいい加減さがストーンズらしい?)

もうこのまま出ずっぱりで良いんじゃない?と思ったミック・テイラーは残念ながらここで一旦ステージを去り、前半のハイライト曲「Honky Tonk Women」。もう最高でしたね! この緩いのにエッジの立った独特のノリはやっぱりキースのギターですよね。キース節をたっぷり堪能いたしました。もちろんサビでは大合唱。チャック・リーベルのホンキー・トンクなピアノも良かったです。そしてミックによるメンバー紹介。まず真っ先に日本語で「アカデミー賞受賞おめどとう!リサ・フィッシャー!!」と“バック・コーラスの歌姫”ことリサ・フィッシャーが紹介される。映画で俄然注目を浴びるリサの存在感もさることながら、色々と日本語を覚えてくるミックが微笑ましかったり。ロニーを紹介する時なんて、「ロニーのスニーカー……、スニーカー、ダサ!!」と言ったような?いや、言いました、確かに。まあ、そんな日本語で頭がいっぱいだったのか、ベースのダリル・ジョーンズを紹介する時には思わず「チャック!…」と危うく鍵盤奏者の名前を言いかけてましたけどね。あとチャーリーが紹介されたときの盛り上がりも印象的でした。やはり大黒柱。彼あってのストーンズというのはみんな分ってるんです。

そして最後にキースが紹介され、大歓声に包まれる中そのままキース・コーナーとなり「Slipping Away」、続いて「Happy」。初日のキースは元気が無かったなんて声も聞きましたが、この日は絶好調でしたね。ギターはもちろん、ハスキーなハイ・トーン・ヴォイスもまさしくキース・リチャーズ! あと「Happy」でのロニーのスティール・ギターにも痺れました!

さて、1曲目「Start Me Up」から名曲名場面の目白押しで、まるで全てがハイライトのようなストーンズのライヴでしたが、正真正銘のハイライトと言えるのが「Midnight Rambler」。ここで再びミック・テイラーが登場。いや、再びではなく三度目なんですけどね。実はキースの「Slipping Away」でもミック・テイラーはギターを弾いていたらしいのですが、私、まったく気がつきませんでした…。すいません…。2階スタンドからず~っと望遠鏡でキースを追いかけてたもんで…。ま、それはいいとして、この曲こそ、ミック・テイラーの本来の出番なのです! 東京ドームを埋め尽くした観客達もそのことは百も承知のようで、始まるや否や歓喜の盛り上がり。この曲のようなブルージーなブギのリスムで5万人が盛り上がるって、流石にストーンズですよね。60年代末~70年代全盛期の魔力を感じさせられました。もちろん弾きまくるミック・テイラーも最高でした!!

この後も「Miss You」(ダリル・ジョーンズのベースソロも格好良かった!)、「Paint It Black」、「Gimme Shelter」、と名曲オン・パレード。序盤から代表曲を惜しみなく披露してきたストーンズでしたが、まだまだあるんです。さすがトップ・バンドに50年間君臨してきた歴史がものを言います。この次から次へと名曲が繰り出されるカタルシスはホント圧巻でしたね。このシンプルこの上ないロックン・ロールの数々!!もうそれだけでいいんです。それがストーンズなんです。これがロックン・ロールなんです。今回のステージでは特に、ローリング・ストーンズというバンドとしての底力と言いますか、彼らが50年間闘ってきた生身のロックン・ロールのパワーというのを、まざまざと見せつけられた思いですね。

ステージ・セットもライティングもいたってシンプル。バルーンも膨らみませんし、Bステージに向かって橋が架かったり、フロートに乗って演奏しながら移動とかいうギミックもありません。あるのは3つの大型ヴィジョンと、太陽を象ったようなステージセットと、花道だけ。その花道もミックは何回も行ったり来たりするものの、他のメンバーはほとんど通らない。ロニーは一度だけ通ったかな?(「Miss You」でしたっけ?記憶が曖昧…)。キースにいたっては、最後まで花道へ行かないのかな~?とやきもきしちゃいましたけどね。でもそのシンプルさが、かえって良かったんですよ。それだけストーンズの演奏は最高でしたし、演奏以外何もいらないと言わんばかりの自信にみなぎる彼らの姿こそ、ロックン・ロールそのものでした。

あと花道と言えば、軽やかにスキップしながらそこを行ったり来たりするミックの元気さには、本当に驚愕でしたね。あのしなやかな身のこなしは70歳のそれじゃないですよ。あんまり元気過ぎて化け物じみてましたね。ホント凄い!! ですがその花道で最も存在感を発揮したのは、ミックではなく、以外にもリサ・フィッシャーだったり。「Gimme Shelter」こそ彼女の見せ場であり、花道をまるで自分のステージの如くゆっくりと歩きながら歌う彼女の姿はまさにディーヴァ! そしてブラック・フィーリングたっぷりな歌声で、シャウトを繰り返すその歌声の凄まじかったこと! まるで彼女の生き様を感じさせてくれるような歌唱でしたね。その熱演に観客達も大歓声で応える。後半はミックも合流し、デュエットとなる。花道がまさしく花道となった瞬間。それにしてもリサのオーラは半端なかったです。リサ押しの私としては、なんか涙が出る程嬉しかった!

ライヴはいよいよ終盤。まずは泣く子も黙る「Jumpin' Jack Flash」。キター!!って感じですよね。リフが刻まれた瞬間からまさにロックン・ロールの磁場に会場が支配されたかのよう。またキースのテレキャスが良い音してるんですよ。もうコード一発で痺れまくりでしたね。そして続いて「Sympathy For The Devil」ですから。もうどうにでもしてくれ!って感じ。ただただそのエネルギーに飲み込まれる快感。しかもこの曲ではついにキースが花道を駆け足で進み、満面の笑みで観客達に応えてくれましたから、場内の盛り上がりも最高潮ですよ。しかも畳み掛けるように「Brown Sugar」!! ボビー・キーズのサックス・ソロにも痺れましたし、お馴染みの「イエー!イエー!イエー!フー!!」の掛け声も盛り上がりました。いや~もう本当に、ストーンズ最高!!

洗足フレッシュマン・シンガーズの合唱で始まったアンコールは「You Can't Always Get What You Want」。先の英米ツアーから、この曲では現地の合唱団を起用するのが呼び物になっていたそうですが、東京で選ばれたこちらの合唱団の皆様も、この曲の崇高な雰囲気を高める大役を見事に果たされていました。合唱付きのこの曲、格好良かった~!! そして最後はミック・テイラーも加わっての「(I Can't Get No) Satisfaction」。この曲のイントロが鳴った瞬間、待ってましたの歓喜と同時にこれで終わりという、何とも言えない複雑な感情が込み上げる。桃源郷のような幸福感と、その夢のような儚さ。それもまたロックン・ロール!




ありがとう!ローリング・ストーンズ!!!

また来てくれますよね?





この日のセットリスト↓

01. Start Me Up
02. You Got Me Rocking
03. It's Only Rock 'N Roll (But I Like It)
04. Tumbling Dice
05. Angie
06. Doom And Gloom
07. Silver Train
08. Honky Tonk Women
09. Slipping Away
10. Happy
11. Midnight Rambler
12. Miss You
13. Paint It Black
14. Gimme Shelter
15. Jumpin' Jack Flash
16. Sympathy For The Devil
17. Brown Sugar

ENCORE
18. You Can't Always Get What You Want
19. (I Can't Get No) Satisfaction





ちなみに、初日2月26日のセットリストはこんな感じだったそうです↓

01. Get Off Of My Cloud
02. It's Only Rock 'N Roll (But I Like It)
03. Tumbling Dice
04. Wild Horses
05. Emotional Rescue
06. Doom And Gloom
07. Bitch
08. Honky Tonk Women
09. Slipping Away
10. Before They Make Me Run
11. Midnight Rambler
12. Miss You
13. Paint It Black
14. Gimme Shelter
15. Start Me Up
16. Brown Sugar
17. Jumpin' Jack Flash
18. Sympathy For The Devil

ENCORE
19. You Can't Always Get What You Want
20. (I Can't Get No) Satisfaction

1曲目「Get Off Of My Cloud」は個人的にはかなり意外なんですけど、この曲ってオープニングの定番なんですかね? スローの「Wild Horses」、これ聴きたかった~。あと「Emotional Rescue」も良いな~。終盤、曲順が若干入れ替わってますね。




そして最終日3月6日はこんな感じだったとか↓

01. Jumpin' Jack Flash
02. You Got Me Rocking
03. It's Only Rock 'N Roll (But I Like It)
04. Tumbling Dice
05. Ruby Tuesday
06. Doom And Gloom
07. Respectable
08. Honky Tonk Women
09. Slipping Away
10. Before They Make Me Run
11. Midnight Rambler
12. Miss You
13. Paint It Black
14. Gimme Shelter
15. Start Me Up
16. Sympathy For The Devil
17. Brown Sugar

ENCORE
18. You Can't Always Get What You Want
19. (I Can't Get No) Satisfaction

いきなり「Jumpin' Jack Flash」で始まる衝撃。そして「Respectable」ではゲストに布袋寅泰が登場したとか。って言うか「Respectable」って人気投票曲ですから、布袋さんはこの大舞台で自分が何を弾くか直前まで分らなかったってことですかね? あとキース枠の「Before They Make Me Run」も聴きたかったですね~。初日もこの曲を演ったようなので、逆に「Happy」を演ったのは2日目だけだったんですね。





会場で買った14ON FIREツアーのTシャツ。






*3月17日、ミック・ジャガーの恋人ローレン・スコット(ファッション・ブランド「ローレン・スコット」のオーナー・デザイナー)さんが亡くなられ、3月19日より始まる予定だったローリング・ストーンズのオーストラリア&ニュージーランド公演の全日程が延期されたそうです。近年のミックのステージ衣装もほとんど彼女が手掛けていたそうです。R.I.P.