ルーツな日記

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フジロック予習:エディー・ロバーツ・ウェスト・コースト・サウンズ

2013-06-13 23:53:10 | フジロック
EDDIE ROBERT'S WEST COAST SOUNDS / IT'S ABOUT TIME

フジロック予習特集第3弾、今回はエディー・ロバーツ・ウェスト・コースト・サウンズです!

2011年のフジロックで、あのバディ・ガイのキャンセルを受け、急遽代役でオレンジの大トリという大役を果たしたことも記憶に新しいディープ・ファンクの草分け的存在、ザ・ニュー・マスターサウンズ。08年にはフィールド・オブ・ヘヴンのトリも務めていますから、フジロックでもお馴染みですね。そのザ・ニュー・マスターサウンズのギタリストにして中心人物のエディ・ロバーツによるニュー・プロジェクトがこのエディー・ロバーツ・ウェスト・コースト・サウンズ。

エディー・ロバーツ(g)が米西海岸で出会ったというメンバーは、ウィル・ブレイズ(organ)、ジャマール・ワトソン(ds)、ジョー・コーエン(sax)、マイク・オルモス(tp)という、いわゆるオルガン・トリオ+ホーン隊という布陣。ウィル・ブレイズはスタントン・ムーア&カール・デンソンという強力トリオで活動したり、メデスキ・マーティン&ウッズのビリー・マーティン(ds)と共演アルバムを発表したりしてる人。日本での知名度はまだ低いですが、おそらくその界隈では相当名の知れた鍵盤奏者なんでしょうね。

ジャマール・ワトソンはご存知ダーティ・ダズン・ブラス・バンドのドラマーです。ですが、このバンドも出入りが激しいと言いますか、現時点で誰がメンバーなのか、非常に分りにくい。少なくとも、昨年のフジロックに来日した時のドラマーはジャマール・ワトソンでしたけどね。この彼、ドラマー王国ニューオーリンズにあってははまだまだ若手な存在だろうと思われますが、あのダーティ・ダズン・ブラス・バンドのリズムを任されている訳ですから、既にかの地のトップ・ドラマーの一翼を担っていると言っても過言ではないでしょう! そしてジョー・コーエン、マイク・オルモスの2人はニューマスター・サウンズの最新作「OUT ON THE FAULTLINE」にも参加していたジャズ・マフィア・ホーンズのメンバー。いや~、なかなかクールな面子ですよね!

さて、彼らのファースト・アルバムとなる「IT'S ABOUT TIME」です。ファンキーですよ!特にジャマール・ワトソンのドラムが凄い! もうドッカンドッカン叩きまくっている感じ。ですが大味にならず抜群の切れ味でスタン!スタン!と入るスネアが気持ち良い!「Bouncin' Around」や「Fast' In」で聴けるドラム・ブレイクの格好良いこと! 荒々しい音質によるところもあるかと思いますが、ジャマール・ワトソンってこんなにハード・ヒッターでしたっけ?って思う程の豪腕振り。テンポを落としたヘヴィー・ファンク「Black Bag」ではセカンドライン仕込みのハネまくるスネアにやられます。そしてこの曲のブレイクも最高です!

思わず耳がドラムを追いかけてしまいますが、もちろんエディー・ロバーツのギターも相変わらずのファンキーぶり。ジャズ・ファンクなソロも良いですが、ウィル・ブレイズのベース・ラインに絡むカッティングのグルーヴ感は流石としか言いようが無いですね。そのウィル・ブレイズのオルガンも存在感抜群。彼のソウル・ジャズ的なオルガンをフィーチャーした「Good Thing」はメロウなファンクネスが素敵! この曲を始めとして、レアなファンク名曲をカヴァーしているのもエディー・ロバーツらしいですよね。ま、正直、私にはマニアックすぎて元ネタまでは付いていけませんが…。

他にもアフロなリズムを感じさせる「Break the Fast」、クールなホーン・リフが格好良い「Aguacate」、高速オルガンジャズな「All the Time」、なんとゴティエのカヴァー「Somebody That I Used To Know」など、ファンキー・チューンの連続。ヴィンテージ・テイストをヒップに料理したようなエディー・ロバーツならではのセンスが光る快作です!!

さて、フジロックは初日7月26日のフィールド・オブ・ヘヴンに登場するエディー・ロバーツ・ウェスト・コースト・サウンズですが、間違いなくファンク天国と化してくれることでしょう。ですが、ちょっと気になることもあります。それはオルガンのウィル・ブレイズ。実は彼、スタントン・ムーア・トリオのギタリスト、ウィル・バナードとW-BEEZというバンドも組んでるようで、そのW-BEEZがフジロックと同じ7月26日にシスコ・グローヴで開催される「GUITARFISH FESTIVAL」というフェスに出演するようなんですよね~。しかもジョー・コーエンもメンバーだったりする。これ大丈夫なんですかね? 一応、フジロック・オフィシャル・サイトのアーティスト・データーにはこの「OUT ON THE FAULTLINE」レコーディングメンバーの5人の名が記されていますが、あのデータも当てにならないですからね~。案外、蓋を開けてみたらまったく違うメンバーで来日してた、なんてこともあり得るかも? でもジャム系アーティストのサイドプロジェクトって概してそんな感じですよね? (出来ればこのメンバーで来日してもらいたいですけど…。)




最後に動画を1つ。エディー・ロバーツ・ウェスト・コースト・サウンズ、今年3月のライヴ映像のようです。曲は「The Long Drive Home」。終盤にはジャマール・ワトソンのドラムソロもフィーチャーされています。オルガンはウィル・ブレイズではなくJoe Ashlar。彼はギャラクティックのロバート・マーキュリオ(b)やジェフ・レインズ(g)が組んだGood Enough For Good Timesなるバンドでオルガンを弾いたり、ボノラマのアルバムに参加したりしている、おそらくニューオーリンズ系の鍵盤奏者。はい、彼が来てくれても全然OKです!
http://www.youtube.com/watch?v=Y9kr2m6HOow