ルーツな日記

ルーツっぽい音楽をルーズに語るブログ。
現在、 フジロック ブログ と化しています。

BING JI RING @渋谷タワーレコード

2014-03-30 10:39:09 | インストアイベント
3月24日、タワーレコード渋谷店にて、ビン・ジ・リンのインストア・ライヴを観てまいりました。

北カリフォルニア生まれながら、中国語でアイスクリームを意味するという“ビン・ジ・リン”を名乗る彼、ソロとしてはもちろん、トミー・ゲレロのバンドや、フェノメナル・ハンドクラップ・ヘッド・バンド、パクワなどでの活躍でも知られるマルチ・プレイヤー。今回はダイアン・バーチのギタリストとしての来日でしたが、渋谷タワーレコードにて特別にソロでのインストア・ライヴが実現致しました。

日本でも「SO NATURAL」、「SHADOW TO SHINE」といったソロ作で、その長髪に髭というヴィジュアルとは裏腹の爽やかなグルーヴと歌声で人気を博すビン・ジ・リン。ヴィンテージな空気感やフリー・ソウル的なグルーヴを、アダルトなポップセンスで壮快に纏め上げるホワイト・ソウル。そんなビン・ジ・リンの最新作「SUNSHINE FOR YOUR MIND」は意外にもアコギ弾き語りを中心にしたカヴァー・アルバム。プリンスの「Anotherloverholenyohead」、メイズの「Twilight」、ドナ・サマーの「Love To Love You Baby」、ネット・ドヒニーの「If You Should Fall」など、70年代~80年代の香りと、彼のアコギと歌声が見事に溶け合うのはもちろん、ループやエフェクトによる実験的なセンスが不思議な心地良さを醸す。そんな中にジャズ・ピアニスト、エロル・ガーナー の「Misty」や、シカゴハウスのレジェンド、リル・ルイスの「Club Lonely」なんかが交じっているところに計り知れないセンスを感じさせられます。

おそらく今回のインストア・ライヴもこの新作からの曲を中心に披露されたと思われます。ループ・ペダルを駆使して、ベースラインや、カッティング、リフなどを次々に重ねていくスタイルは、今時特に新しくはないものの、やはりそのアレンジなどポップ・センスは流石でしたね。そして伸びやかな歌声がまた良いんですよ!! 残念ながら、曲目等はもう既に記憶の彼方なんです(一番前で観ていたのでメモを取るのもなんとなく恥ずかしかったので…)。ですがメイズの「Twilight」はやりました。これははっきり覚えています。ループ・ペダルの効果が最も鮮やかに感じられたのがこの曲で、ギターによるベース・ラインやリフのループだけではなく、自信の声による「チク、チク、チク、チー」といったパーカッション的なリズムもループさせ、最後には「トワーイライト!」というコーラスも次々に重ねていく。そのキレのあるハーモニーがまた格好良かった! 目の前で観る一人ループの現場というのは、なかなかに刺激的でした。その風貌も含め独特のビン・ジ・リンの世界、短いインストア・ライヴとは言え、たっぷりと堪能させて頂きました。





そして終わったあとはお楽しみのサイン会。私も最新作「SUNSHINE FOR YOUR MIND」を購入し、サインを頂きました。



BING JI LING / SUNSHINE FOR YOUR MIND






ちなみに、この2日後、ビルボードライヴ東京で行われたダイアン・バーチのコンサートでは、赤?紫?のパンツでドレスアップしたビン・ジ・リンは、エレキ・ギターでスウィートなフレーズを連発し存在感を発揮していました。ちなみに彼はダイアン・バーチの最新作「SPEAK A LITTLE LOUDER」にもギタリストとして参加しています。




VA / BITTER SWEET VALENTINE 2014
こちらは今年リリースされたヴァレンタイン・コンピ。ここにビン・ジ・リンがダイアン・バーチをフィーチャーした「See Me Through」が収録されています。これがまた良いんですよ!ビン・ジ・リン流メロウ・グルーヴに乗るダイアンの歌声が! もちろんビン・ジ・リンとのデュエットの相性もバッチリ!! ビン・ジ・リンが昨年リリーした「POR CADA NUBE...」にも収録されてるのかな?

黒田卓也&ホセ・ジェイムス@渋谷タワーレコード

2014-02-13 23:54:16 | インストアイベント
2月13日、渋谷タワーレコードにて黒田卓也さんのインストア・ライヴを観てまいりました。

あのホセ・ジェイムスのバンド・メンバーとしても知られ、ニューヨークを拠点に活動するジャズ・トランペッター、黒田卓也さん。昨年、日本人では初めてという米Blue Noteとの契約を果たしたことも話題になりました。そして今月にはホセ・ジェイムスのプロデュースのもと制作された最新作「RISING SON」がリリースされるという、今最も注目される日本人ジャズ・アーティストと言って良いでしょう。

今回のインストア・ライヴはタワーレコード渋谷店の1階中央で行われるとあって、開演時間頃には凄い人が集まっていました。黒田さんのバックには現在ホセ・ジェイムスと共に来日中のホセのバック・バンドがそのままつく。ドラムスはリチャード・スペイヴェン、ベースはソロモン・ドーシー、そしてキーボードにクリス・バウワース。黒田さんの最新作「RISING SON」から「Afro Blues」、「Mala」などが披露されましたが、いや~、格好良かった。クール且つエッジの効いたグルーヴ、そしてそのグルーヴのギアを自由自在に変えていく感じが堪りませんでしたね。あのリズム隊は相当ヤバい! ジャズって格好良いな~と思いましたよ。ま、ジャズと呼ぶにはあまりにもファンキーでしたけどね。

やっぱりホセ・ジェイムスの息がかかっているだけあって、ニューヨークの先鋭、そして新時代のソウル・ミュージックな息吹もたっぷり感じさせられました。ドラムスのリチャード・スペイヴェンは 4ヒーローの「PLAY WITH THE CHANGES」なんかにも参加していた人ですから、この新しくヒップなジャズ/R&Bの波と、その根底に流れているであろうドラムンベースからの繋がりも興味深いところ。

もちろん主役である黒田さんの音楽性も見事。曲自体も格好良かったですし、鋭さと暖かさを併せ持つようなトランペットの響きにも魅せられました。ホセ・ジェイムス・バンドを率い中央で颯爽とトランペットを吹く勇姿も素敵でしたしたしね。

そして最後はロイ・エアーズの「Everybody Loves The Sunshine」。満を持してのホセ・ジェイムスが登場。もちろん歌ってくれました。流石にホセが出てくると場の雰囲気が変わりましたね。リッラックスした雰囲気ながらも、その歌声は艶やかでしっとりとした緊張感を伴い、それが堪らなく心地良かったです。

ちなみにホセ・ジェイムスはリハの時からステージ周りをうろちょろしてまして、本番中も写真を撮ったり楽しそうでした。





そして最後はお楽しみのサイン会。私もCDを買って、黒田さんとホセ・ジェイムスさんからサインを頂きました!! 黒田さんはもの凄く気さくな感じの方でした!


黒田卓也 / RISING SON
CDは今日買ったばかりなので、まださわりしか聴いてませんが、期待通りの格好良さ!!

ハッチハッチェルオーケストラ@新宿タワーレコード

2014-01-20 11:21:18 | インストアイベント
1月19日、新宿タワーレコードにてハッチハッチェルオーケストラのインストアライヴを観てまいりました~!!

長年、デキシード・ザ・エモンズで活躍し、フジロックでお馴染みの怪しい三人組や、ハッチハッチェルバンドを率い、またドラマーとして小島麻由美さんのバックなどでもお馴染みのハッチさん。このハッチハッチェルオーケストラは、そのハッチさんが昨年頃から始めた新プロジェクトだそうです。


いや~、面白かったです! 笑える面白さ、音楽的な面白さ、両方です。ちょい悪風なトランペット奏者さんがいらっしゃって、彼の吹くトランペットがデキシーランド・ジャズ的な雰囲気を醸してちょっと素敵でした。そしてトランペットと共にサウンドを彩るのが、女性が叩くスティールパンというのも個性的で面白い! ハッチさんはバンジョーを弾きながら歌っていましたが、相変わらずのキャラと歌声で、その奇才振りも含めて、良い味出していました。昨年末にリリースされたファースト作「つなわたり」から、「残高不足スイング」とか、「上司フクジョウシ」とか、「次なる作戦」とか、「つなわたりの唄」とか。なんか元気になりました!!




オフィシャルのツイッターによりますと、今回のメンバーはこんな感じだったそうです。

ハッチハッチェル(唄・バイオリン・バンジョー)
下田卓(トランペット)
岡戸一朗(ベース)
めめ(スティールパン)
杉尾一磯(ドラム)

ハッチさん、今回は残念ながらバイオリンは弾いてませんでしたけどね…。
トランペットの下田卓さんは、カンザスシティバンドというビッグバンドを率いて活躍されてるそうで、そちらも気になります…。

モダン・アイリッシュ・プロジェクト@渋谷タワー・レコード

2013-09-22 15:36:56 | インストアイベント
インストア・イベント観覧記その13 モダン・アイリッシュ・プロジェクト@渋谷タワー・レコード


少し前の話になりますが、8月18日、渋谷タワー・レコードにて、モダン・アイリッシュ・プロジェクトのインストア・ライヴを観てまいりました! 邦アイリッシュ・シーンの最前線を疾走中の彼らは、今年6月に2年ぶり3作目となる最新作「MOVING CLOUD」をリリースしたばかり。メンバーは長尾晃司(guitar)、大渕愛子(fiddle)、田嶋友輔(drums)の3人。最新作から大渕さん作曲の「The Humid House」や長尾さん作曲の「Elderly Polks」の含む数曲を披露してくれました。

大渕さんのスリリング且つ情緒豊かなフィドルは何度聴いてもワクワクさせられますね。そしてキレの良いカッティングで開放感溢れるグルーヴを提供する長尾さんのギター。さらに堅実ながら躍動感溢れる田嶋さんのドラムス。ダンス・ナンバーとしての昂揚感の高さは3人の一体感が成せる技ですね。インストアとは言え、生演奏ならではの臨場感たっぷりな気持ちの良いライヴでした!!



終演後にCDを購入しサインを頂きました! こちらの最新作「MOVING CLOUD」、ライヴにおける疾走感や昂揚感が見事に録音された快作です。ボーナストラック入りで全7曲、1,575円ですから、ミニ・アルバムですかね?



ガブリエル・アプリン@渋谷タワー・レコード

2013-09-07 12:57:40 | インストアイベント
インストア・イベント観覧記その12 ガブリエル・アプリン@渋谷タワー・レコード

随分と前の話で申し訳ありませんが、去る7月7日、渋谷タワー・レコードにてガブリエル・アプリンのインストア・ライヴを観てまいりました。YouTubeやiTunesから人気に火が付き、昨年12月にはシングル「POWER OF LOVE」(フランキー・ゴーズ・トゥ・ハリウッドのカヴァー)が全英シングル・チャートのNo.1となるなど、本国イギリスで大注目される若き女性シンガー・ソング・ライター、ガブリエル・アプリン。今年リリースされたデビュー・アルバム「English Rain」は、秀逸な“傘ジャケット”も相まってここ日本でも耳の早いリスナーの間で話題になっていました。

そんなガブリエル・アプリンのインストア・ライヴ、この時まだデビュー作の日本盤が発売前という状況ながら、会場は観覧客でぎゅうぎゅう。の人気ぶりに驚きました。そしてステージに現れたガブリエル・アプリンは想像以上に可愛い! まだ20歳ですからね。「Panic Cord」から始まったアコギ弾き語りライヴ。ブルース・スプリングスティーンの「I'm on Fire」のカヴァーを含む5曲程を披露。飾り気の無い素直な歌声ながら、しっとりとしたエモーショナルが感じられ、とても素敵なライヴでした。この若さにして、このフォーキーなフィーリングは素晴らしいですね。もちろん現代のSSWとしてのモダンな感覚にも溢れてて、この先、どういう方向へ向かうのか楽しみです。出来ればあまりポップにならず、フォーキーな方でお願いしたいな~、なんて思ったり。

ライヴ終了後のサイン会も大盛況でした。私もCDを買ってサインを頂こうかと思いましたが、とっくに参加券の配布は予定枚数を終了していたようです…。やっぱり凄い人気なんですね~。



ガブリエル・アプリンは、この7月のプロモ来日の後、8月には再来日しサマーソニックに出演しています。その時のステージの模様が10月11日(金)にWOWOWで放送されるようです。この時はアコギ弾き語りではなくバンド・セットだったようですね。さらに今年12月には、早くも来日ツアーが予定されています。今後どう化けるか解らないだけに、貴重なライヴになるかもしれませんね。

WOWOWによるサマーソニック放送スケジュール→http://summersonic-wowow.jp/
来日ツアー情報(クリエイティヴマン)→http://www.creativeman.co.jp/artist/2013/12gabrielle/






↓こちら、2012年の iTunes Festival からのフルライヴ映像。
http://www.youtube.com/watch?v=kmCd_oFd67M

サム・リー@渋谷タワー・レコード

2013-06-25 23:33:14 | インストアイベント
インストア・イベント観覧記その11 サム・リー@渋谷タワー・レコード

1週間以上も前の話になってしまいましたが、6月16日、渋谷タワーレコードにて、噂のサム・リーを観てまいりました。この人、イギリスから登場のフォーク・シンガーなんですが、フォークと言ってもちょっと変わってるんです。いわゆるアコースティック・ギターを爪弾きながら歌う感じではありません。

この日、手渡されたフライヤーのプロフィールに曰く、彼は1980年イギリス生まれで、ルーツは東欧系ユダヤ人だそう。父は作家/芸術家で、母はオペラ・マニアだとか。大学ではファインアートを学び、卒業後はバーレスクで喜劇役者やダンサーを務めたりもしていたそうですが、25歳の時に耳にした1950~60年代に録音された伝統音楽と恋に落ち、人生が変わることに。

彼が魅了された伝統音楽は、トラヴェラーズの歌でした。トラヴェラーズとは、英国、スコットランド、アイルランドに古くから住むジプシー、漂白民で、かつてはキャラバンで移動生活をし、今なおトレーラーなどで集まって暮らしているそうです。そんな彼らのコミュニティーで何百年にも渡って「歌い継がれてきた歌の数々。サム・リーはそのコミュニティーを訪ね、共に生活し、教えを乞い、伝承曲を150曲以上も習得したそうです。(ほぼフライヤーからの受け売りですいません…。って言いますか、頂いたフライヤーと言うか小冊子が素晴らし過ぎる!)

そんなサム・リーのインストア・ライヴ。インストアとは言え、彼の個性が存分に発揮された素晴らしいライヴになりました。最新作から「The Tan Yard Slide」、「Goodbye My Darling」など数曲を披露。サム・リーがシュルティ・ボックスを操りながら歌い、バックには6弦ウクレレ、トランペット、チェロという布陣で、ちょっとしたアート楽団的な雰囲気。特にインドのドローン楽器、シュルティ・ボックスを使う辺りユニークですよね~。しかもそれだけではなく、曲ごとに楽器を持ち替えたり。ジューズハープを使った「The Jew's Garden」も印象的でしたし、ウクレレ奏者が日本の琴を弾いた曲にはびっくでした。ですが主役はもちろんサムの歌声。静かながらピュアなエネルギーを感じさせるその響きは神秘的ですらありました。で、また目が奇麗なんですよ。透き通るような瞳で、語るように歌う。思わずその神秘の世界に引き込まれてしまいそう。

伝統音楽に向き合いながらも、研ぎ澄まされた自らの感性で自身の音楽として描くサム・リー。まるでフォーク界に現れた突然変異のような逸材ですね。この後、6月20日には青山CAYで単独ライヴがあったそうですが、残念ながら私は観に行けませんでした。どんなステージだったのでしょうか?

ジェシー・ハリス@表参道ヒルズ

2013-06-09 14:53:24 | インストアイベント
インストア・イベント観覧記その10 ジェシー・ハリス@表参道ヒルズ

6月2日、表参道ヒルズにてジェシー・ハリスのインストア・ライヴを観てまいりました。今回の来日でジェシーはいったい何回のインストア・ライヴをこなしたんでしょうね? 私は4~5回観させて頂きましたが、まだ観ようと思えば観れたんですけど、流石に6回目、7回目となると通い過ぎかな?と思い遠慮致しました。という訳で、この表参道ヒルズが私にとっての最後のジェシーのインストア・ライヴになりました。

吹き抜けの大階段に赤いカーペットが敷かれ、ジェシーが一人マイクの前に立ってアコギ弾き語り。曲目は他の日のインストアとほぼ同じ。「Borne Away」から始まり、「Like A Wheel」、「Say That You'll Never Go Away」、「Do You Really Love Him?」、「Black Orchid」など最新作「BORNE AWAY」からの曲を中心に前作「SUB ROSA」からの曲やジョン・ゾーンのプロジェクトで歌っている「Towards Kafiristan」などを織り交ぜた内容。ですが、この日がスペシャルだったのは、あの「Don't Know Why」を演ったこと。

ご存知、ノラ・ジョーンズが歌いグラミー賞受賞の栄誉に輝いた名曲ですね。もちろんジェシーのオリジナル曲ですが、少なくとも私が観たインストアのなかでは、これまで一度もやっていなかったんです。トリオ・エストランジェイロスのライヴではアンコールに披露されていると聞いてはいたんですが、インストアじゃ演ってくれないのかな~?と半ば諦めていたところでした。なのでジェシーがこの曲のイントロを弾き始めた瞬間、心の中で “うわ~!!” って叫びたい感じで、本当にドキドキしましたね。

ライヴ会場は吹き抜けの周りを螺旋状に通路がグルグル回ってるんですけど、もちろんその通路はジェシー目当ての方々が大勢取り巻いているんですが、普通にショッピングに来たお客さん達も歩いてるんです。そんな日曜の夕方、日常的な時の移ろいに「Don't Know Why」のメロディが溶け込んでいく。明らかに時間の流れ方が変わった印象。ゆっくりとしたさざ波のように、まるで広い空間そのものが癒されていくかのよう。やっぱりこの曲には特別な魔力が潜んでいますね。ジェシーの歌声とアコギの音色も素敵でした。

最後は「Listen To Your Heart」で締め。狭いカフェやショップでのライヴとは違い、ジェシーと観客との距離がある分、その曲調も相まってか、華やかな表参道ヒルズの雰囲気とは裏腹に、何となく孤独な雰囲気の感じられるライヴでした。それがまた独特な雰囲気で良かったんですけどね~。




この日のセットリスト↓

01. Borne Away
02. Like A Wheel
03. I Won't Wait
04. All Your Days
05. Say That You'll Never Go Away
06. Do You Really Love Him?
07. Towards Kafiristan
08. Don't Know Why
09. Black Orchid
10. Listen To Your Heart




JESSE HARRIS / BORNE AWAY
発売されたばかりのジェシー・ハリスの最新作。スタジオに一人こもって全編を録りあげたという作品。シンプルなサウンドから醸す何処か神秘的な雰囲気が秀逸。ブック型のアートワークにも想像力をそそられます。

テテ@渋谷タワーレコード

2013-05-28 23:35:15 | インストアイベント
インストア・イベント観覧記その9 テテ@渋谷タワーレコード

5月26日、渋谷タワーレコードにてテテのインストア・ライヴを観てまいりました。セネガル生まれフランス在住の黒人シンガー・ソング・ライター。3月に日本でも彼の新作「NU LA-BAS」が発表されたばかりで、今回はそのプロモーション来日。

私は開演ギリギリの時間に到着したのですが、4階奥のイベントスペースはもう人で一杯。テテの人気振りを思い知らされました。と言うことで今回は後ろの方から背伸びをして観る感じ。タイトル曲「Nus La Bas」で始まり新作から5曲程披露してくれました。アコギ弾き語りですが体から沸き出るが如くの弾力あるリズムは流石。やはりアフリカの血を感じさせられます。ファルセットを交えた独特の声で歌われるフランス語の響きも素敵。そして何よりハッピーなヴァイヴに溢れてる。力強くもポップなメロディーをファンキーかつ粋に歌い上げるテテの歌声には聴いてるこちら側もついつい笑顔になってしまう。間奏になるとちょっと戯けたような表情でギターを弾いいてみたり、曲間での愛情一杯のMCなど、テテの愛嬌溢れるキャラクターも全開でした。

演奏曲では「Comment Te Dire」が印象的でした。実はこの日はフランスの「母の日」だったそうで、この曲はテテがお母さんへの思いを綴った曲なんです。テテはセネガル人の父と、カリブ海のマルチニック出身の母との間に生まれましたが、幼い頃に両親は離婚されてしまったそう。そしてテテはお母さんと共にフランスに移住したそうです。彼の音楽にどことなく感じるトロピカルな幸福感はお母さんの血かも知れませんね。

ライヴの後は質問コーナーがあったり、みんなで写真を撮ったりと、和気あいあいな雰囲気でした。そしてもちろん最後にはサイン会が。私もサインを頂きました。テテはフランス語で挨拶をしていましたが、私は完全に舞い上がっていましたので、ただただ「サンキュー!」としか言えませんでした~。




この日は写真撮影0Kだったので。







サインを頂いたテテの最新作「NU LA-BAS」。貰う前からうすうす分ってはいましたが、サインが短い…。TETEですからね。ま、そこは仕方のない話。それはそうとこの新作、想像以上にポップ。ですが、そのキャッチーなメロディと色彩豊かなアレンジが、人間味溢れるテテのヴォーカルと見事にマッチしていて、聴けば聴く程その魅力に心を掴まれる快作です!

ジェシー・ハリス&ヴィニシウス・カントゥアリア@青山スパイラル

2013-05-27 22:16:45 | インストアイベント
ただ今来日中のジェシー・ハリス。今回はヴィニシウス・カントゥアリア、ダヂという二人のブラジル人アーティストと共にトリオ・エストランジェイロスを結成しての日本ツアー。現在そのツアーの真最中ですが、実はジェシーはそのツアーの前後にさらにいくつかのインストア・ライヴをこなすという過密スケジュールなのです。という訳で、私もいくつかインストア・ライヴを観てまいりましたので、さっそくそのレポートをお届け致します。


5月25日 青山スパイラル

まずはインストアの中でも前半のハイライトとも言える5月25日、青山スパイラル。この日は夕方にジェシー・ハリスのソロ、夜にはヴィニシウス・カントゥアリアを向かえてのデュオという2本立て。まずはジェシーのソロから。

てっきり2階のスパイラルレコーズでのインストア・ライヴだろうと思っていたのですが、ショップ内ではなく、2階に上がる階段の踊り場のようなスペースでのライヴ。青山通りに面した大きなガラス張りのスペースで、まだ明るい時間帯なこともあり、なかなかの開放感。壁側にステージが作られているのでジェシーは青山の町並みを観ながら歌うことに。

まずは最新作「BORNE AWAY」からタイトル曲「Borne Away」で始まり、そして「Like A Wheel」へと続く。素朴且つ静かなアコースティック・ギター弾き語り。ざわついた建物内、しかも階段というおよそライヴをやるとは思えない場所ながら、ジェシーが歌い出すと、スーッとその歌世界へ引き込まれるから不思議。観客達は思い思いに階段に座り、ジェシーの歌声に聴き入る。その向かいには大通りを車がビュンビュン行き交っている。そんな空間に響くちょっぴり神秘的な曲調とアコギの音色、優しくも思慮深い風合いのジェシーの歌声が素敵。

続いて前作「SUB ROSA」から、「I Won't Wait」、「All Your Days」を披露。「All Your Days」は良い曲ですよね~。アルバム・ヴァージョンも好きですが、アコギ弾き語りもまた味わい深い。さらに最新作から「Say That You'll Never Go Away」、「Do You Really Love Him?」と続く。私はこの日のインストア・ライヴで最新作を買ったのですが、CDを聴く前にライヴで聴いて大好きになったのがこの2曲。なんとなく古き良き時代のロマンチックなジャズを感じさせるラヴリーな曲です。ジェシーの歌にもうっとりです。

そして「Towards Kafiristan」と「Tamalpais」。なんとジョン・ゾーンの曲です。ジェシーは近年、マーク・リボー、ジョン・メデスキなどと共に、ジョン・ゾーンの「SONG PROJECT」というプロジェクトに参加しているそうで、そこでこの曲などを歌っている模様。本来はインスト曲なので、歌詞はジェシーが付けたんでしょうかね?そこのところはよく分からないんです。すいません…。それにしても選曲が見事。メロウな良い曲なんですよ~これが!

ジェシーがMCで「最後の2曲」と告げ、最新作からシリアスな「Black Orchid」、さらに「Listen To Your Heart」で終了。計10曲、決して派手ではありませんが、柔らかく聴く者の心をとらえる、ジェシーのソロ・ライヴでした。


そして待つことおよそ2時間半。同じ場所で2本目のインストア・ライヴがスタート。同じ場所とは言え、すっかり日も暮れて、2階のショップも閉店時間を迎えたので雰囲気は夕方と大分違います。しかもステージ前には椅子席も用意され、より一層ライヴらしい雰囲気に。まずはジェシー・ハリスがソロで「Borne Away」をはじめ4曲披露。ここまでは夕方の部とほぼ一緒。そして5曲目からヴィニシウス・カントゥアリアが登場。曲は「Black Orchid」。ジェシーのアコギ弾き語りの横でヴィニシウスがアコギをパーカッション代わりに叩く。これが独特のリズム! このヴィニシウス・カントゥアリア、我々ルーツ・ファンにとっては近年のビル・フリーゼルとのコラボが馴染み深いですが、70年代にはカエターノ・ヴェローソのバックバンドなどで活躍していたという才人。目の前で見る彼の本物感っていうのは半端無いほど。その立ち居振る舞いからして、何か違う“血”を感じさせられましたね。

そのヴィニシウスがアコギ弾き語りで披露した2曲。歌はボサノバらしいソフトな質感で、ギターのフィンガー・ピッキングも決して力強くはない。ですが野性味に溢れている。リズムが活きている。生で聴く本物のブラジル音楽の格好良さに痺れまくりでした。主催者さんのツイートによると、その2曲はヴィニシウス自身の曲とジョビンの曲だそう。ジョビンの方はおそらく「Caminhos Cruzados」かな? スローな曲調で、ヴィニシウスのギターが美しかったです。

そしてジェシーの「Say That You'll Never Go Away」。今度はジェシーのアコギ弾き語りにギターで絡むヴィニシウスが凄い! とにかく二人の感覚がまるで違う。ジェシー・ハリスの弾き語りはいわゆるフォーキーで落ち着いていて、そのリズムは良くも悪くもイーヴンな感じなんですよ。ですがヴィニシウスはそのジェシーのリズムの裏の裏まで感じとっているような、まるでジェシーのリズムの間合いに切れ込んでくるかのように次々に躍動的な南米タッチのフレーズを繰り出してくる。これが堪らなくスリリング。トリオ・エストランジェイロス(異邦人トリオ)とはよく言ったもので、その異邦人セッション振りにワクワクさせられました。さらにジェシーの曲「Straight Line」を二人でセッションし、最後はダヂも加わり、彼がリード・ヴォーカル&エレキ・ギターでリードしてのジョルジ・ベン「Ponta de lanca Africano」。まさかのトリオ・エストランジェイロスそろい踏み!!

ニューヨークとブラジルが東京で交差した計10曲。格好良かったです!

終演後はサイン会。もちろん私もサインを頂きました~。



ジェシー・ハリスの最新作「BORNE AWAY」(これ、傑作です!!)。ブック型の表紙をめくったところにサインを頂きました。


ヴィニシウス・カントゥアリアの最新作「INDIO DE APARTAMENTO」の見開きには、ヴィニシウス、ジェシー、ダヂの3人のサインを頂きました。







5月24日 SAN BAN CHO CAFE

九段は靖国神社の近くにあるお洒落なカフェ、SAN BAN CHO CAFE。こちらの1階フロアをフリー・スペースにしてのアコギ弾き語りライヴ。通りに面した1室の窓を開け放し、いかにも街角の一画といった雰囲気。そしてこの日はスタンディングでした。と言ってもすし詰め状態になったりはしませんから、思い思いにドリンクを飲みつつ、ゆったり佇みながら鑑賞する感じ。「Borne Away」から始まり、「Like A Wheel」、「Say That You'll Never Go Away」、「Do You Really Love Him?」などを歌ってくれましたっけ? 既に記憶が曖昧ですが、ジョン・ゾーンの「Tamalpais」はやりました。「Black Orchid」もやった。最後は「Listen To Your Heart」だったかな? センスの良いカフェでのライヴは、ちょっぴりニューヨークっぽいかな?なんて思ったり。こちらも素敵なライヴでした。




この日は演奏中の写真撮影もOKだったので。







5月23日 巣巣

今回のツアーのキック・オフとなったのが5月23日、等々力にある家具/雑貨店、巣巣でのインストア・ライヴ。駅から程よく離れた家具・雑貨屋さんという独特の雰囲気が、ジェシー・ハリスのソロ・ライヴによく似合ってました。「Borne Away」から始まり、「Like A Wheel」、「I Won't Wait」、「All Your Days」、「Say That You'll Never Go Away」、「Do You Really Love Him?」と続きました。この日、初めて聴く新曲の数々に耳を奪われました。ジョン・ゾーンの「Tamalpais」と「Towards Kafiristan」に驚きつつ、ジェシー色に染まったその魅力に拍手。あとは何をやりましたっけ? 「Black Orchid」とか、「Do You Really Love Him?」とか、あともう1曲ぐらいあったかな? あとこの日のジェシーは割りと饒舌でしたね。曲についての説明を丁寧に話していました。それをじっくりと聞く観客達。椅子席は満席、大勢の立ち見客、程よい密室感と、ジェシーとの近さが親密なライヴ空間を演出し、アットホームな素晴らしいライヴになりました。









なんだかんだで3日間連続で楽しませて頂いたジェシー・ハリスのインストア・ライヴ。青山の翌日26日はジェシーがソロで「東京蚤の市」に出演し、その夜からいよいよトリオ・エストランジェイロスのツアーがスタート。そして6月に入ってからはジェシーのインストア・ライヴもまたいくつかあるようです。気になる方はTRIO ESTRANGEIROS Tour in Japan 2013のFACEBOOKをチェックしてみてください。↓

https://www.facebook.com/TrioEstrangeirosTourInJapan2013/events





羊毛とおはな@新宿タワーレコード

2013-05-12 00:14:30 | インストアイベント
インストア・イベント観覧記その7 羊毛とおはな@新宿タワーレコード

5月6日、ゴールデン・ウィーク最後の日、新宿タワーレコードにて羊毛とおはなのインストア・ライヴを観てまいりました。

なんだかんだで久しぶりな羊毛とおはな。短い時間でしたが、はなさんの柔らかい美声と、市川さんの巧みなギターをじっくりと堪能させて頂きました。リリースされたばかりの最新アルバム「LIVE IN LIVING '13」からの選曲中心のセットリスト。特に印象深かったのはルイ・ジョーダンのカヴァー「Choo Choo, Ch'boogie」かな。スウィンギーな市川さんのギターも流石でしたが、それに乗ったはなさんの歌声が醸すオーガニックなヴィンテージ感がまたなんとも素敵でしたね~。あと間奏のカズーにも心躍りました。そしてジョニ・ミッチェルの「Both Sides Now」がまた絶品。こういう曲を歌うはなさんが素晴らしいのはもちろん、ガット・ギターらしい景色を描く市川さんのアレンジが秀逸でした。

はなさんがMCで話してらしたのですが、なんと今年は2人が出会って10周年だそう。そんな節目の年に感謝の気持ちを表した歌ったのが「うたの手紙~ありがとう~」。これは感動的でした。はなさんの透き通る暖かな歌声が心に滲みましたね~。ホントに良い声です。

およそ30分、聴き惚れました。今度はワンマンのライヴにも行ってみたいです。



この日のセットリスト↓

01. 晴れのち晴れ
02. キリギリアス
03. Choo Choo, Ch'boogie
04. Both Sides Now
05. うたの手紙~ありがとう~
06. ホワイト