肝臓病と共に生きる人たちを応援します

肝臓友の会との関わりで成長した肝臓専門医のブログです。2017.2.12より新規開始しました。

肝炎肝癌についての相談 再掲載 カウンター

2007年12月30日 | 肝臓センター
日、肝炎友の会のかたから相談窓口が厚労省や自治体にあるが友の会の方に紹介されるという話がありました。実際病気について勉強してどこに紹介していくか親身に相談することはお役所では確かに難しいのかもしれませんが、せめて医療機関へつなぐことを出来るレベルに勉強はして欲しいと切実な声を聴きました。友の会の方は病気を抱える方でもあり、生活も本当に両立させながらの活動で大変なものがあります。給料をもらって相談窓口を担当している方がいるのであれば、是非、友の会の方がする親身な対応を是非して欲しい、これは、肝炎のことに限らないですがお願いしたいことです。

私の方も相談にのることは出来ますが、反応が若干遅くなることがあります、お許し頂ければ、相談を聞くことは出来ますのでメッセージやコメント欄を使用して、相談していただければと思います。
肝癌検診団の相談コーナー
もしくは、このブログ(肝臓病と共に生きる方を応援します)の記事のコメントのところへ相談内容を載せてくれると公開していいものは公開しますし、個人情報が載っているものは公開せずに相談にのることも可能です。メルアドを記載していただければと思います。電話での対応は時間的に難しいのでできるだけ、メールで対応していきたいと思います。

また、公開すると同じような悩みの方の解決にもなるので、公開してもよろしい場合は、その旨記載していただけると有り難いです。

私も参加しているブログのMELITの掲示版 では、慶応の肝臓専門の加藤先生も質問に答えてくれますので、活用してみてください。


カウンター

10-2胃静脈瘤のB-RTO ムービー

2007年12月30日 | 門脈圧亢進症 食道静脈瘤
      
このムービーはB-RTOの際に、あらかじめ撮影をしたものです28秒くらいのところで、門脈への血流が見えるのですが、副腎静脈から胃静脈瘤を通って門脈へ造影剤が逆流して撮影しているものです、普段はこの逆に流れています。
B-RTOでは、静脈の血流の下流側に風船でつっぺをするため造影剤が逆流するのでこの撮影法が可能となり、最終的には静脈瘤の部分に硬化剤という薬を入れて治療をして終了します。
硬化剤の停留が非常によい場合はほぼ100%の治療効果が得られ、胃静脈瘤が消失することになります。B-RTOが開発される前には、こういった静脈瘤には内視鏡的に薬を注入するか、外科的に治療をするしかなかった時代でした。

10-1胃静脈瘤の治療 B-RTO

2007年12月30日 | 門脈圧亢進症 食道静脈瘤

胃静脈瘤の治療の中でも、孤立性胃穹窿部静脈瘤という静脈瘤に対しては、B-RTOという治療が大変有効です。
孤立性の胃穹窿部静脈瘤というのは、胃静脈瘤は食道静脈瘤とつながって発生することが多いのですが、それが、血流の関連から少し離れたところに発生していて、その血流が脾臓から副腎静脈への途中にあることに着目して開発された治療です。現在は何通かの血流に合わせて治療にはいる血管がわかれますが、最も多い治療に使用する血管は副腎静脈です。

この治療は、1991年当時、勤医協の中央病院の肝臓内科の金川 博史先生が開発した治療です。北海道発信の治療法で、大変有効性が高くいまも進歩が続いています。この治療が開発される以前は、胃静脈瘤の大量出血で命に関わっていた患者さんが多かったのですが、B-RTOにより、予防的に出血前に治療することが出来るようになり、患者さんもたくさん救われるようになりました。また、B-RTO以前は、胃カメラによる2から3回の治療が必要でこれもまた、患者さんにとって楽な治療法が開発されたことになり喜ばれました。しかし、すべての場合に出来るわけではなく、合併症もありますので、治療の際には必ず主治医に話を聞きましょう。

スライドは左が治療前、中央の写真が治療時、右が治療後です。
上が食道、下が胃で、下の胃のところに出っ張っている静脈瘤が、治療後は無くなっていることがわかります。

最近はB-RTOのみで完了しない場合は、早めに胃カメラによる治療を追加することも検討しています。

09-2食道静脈瘤の治療戦略経過

2007年12月30日 | 門脈圧亢進症 食道静脈瘤

静脈瘤の治療が終わったあと、再発する場合があります。これは、1カ月後、3ヶ月後、半年後と経過を見ていき、小さいうちに治療をすることで、短期間の入院で済むようになってきます。しっかり再発が出来上がるまで待ってしまうと入院期間が長くなってしまうので、早めはやめにチェックして、早期に治療を受けることが望ましいです。

もちろん治療を一度していると再発形式も小さい状態なので最初の入院よりは短く済む場合がほとんどでヒートプローブ(HPU-ST)地固め療法だけで済む場合は7日前後で済んでしまいます。

私たちの経験では、早ければ1度の治療で再発はなくなりますし、長くても、3年間くらい頑張って治療するとほとんどでることが無くなります。

09-1食道静脈瘤の治療戦略

2007年12月30日 | 門脈圧亢進症 食道静脈瘤

食道静脈瘤は、現在、私たちの経験では、血管内注入療法(EIS)が再発が少なく、適応の範囲が広い治療ですが、静脈瘤を作る血管が単純な場合などは輪ゴムでしばるEVLを選択します。この治療を週に一回から2週に一回行い、1カ月ほど繰り返すとほぼ太い血管は消失します。その後、食道粘膜内の細かい血管をヒートプローブで焼灼(地固めということが多い)して再発がしにくい形にしています。

その後細かい血管がそれでも再発する場合があるので、その際は再度焼灼術を追加して治療しています。地固めをすることによって再発の静脈瘤が小さくなって治療の回数が減ったことは、大変有用でした。

08-2食道静脈瘤破裂のEVL(結紮術)による止血ムービー

2007年12月30日 | 門脈圧亢進症 食道静脈瘤
      
3秒くらいで上の方からしたへ向かって出血が見えます。これが、静脈瘤の出血です。いろんなパターンの出血形式がありますがこの例のように噴出性に出る場合、胃カメラの視野がとらえにくく治療に難渋することもありましたが、EVLによる止血が可能となり、出血源より向こう側に入れて引き抜いてくることで出血点が探せる場合もあり、便利な方法です。ムービーでは15秒くらいのところで再度出血点を確認プラスチックのチュー部内に静脈瘤を吸い込んで輪ゴムでしばっているます。黒いわっこになってるのが輪ゴムですがわかりますかね?

現在は、連発式となって輪ゴムが最初からいくつもついている状態でさらに便利になっています。

08-1食道静脈瘤治療 結紮術 EVL

2007年12月30日 | 門脈圧亢進症 食道静脈瘤

食道静脈瘤の治療の一つに結紮術(けっさつじゅつ)、EVLというのがあります。
これは、胃カメラの先端に小さい輪ゴムをつけておいて、静脈瘤を吸い込んでその根本に輪ゴムをかけるというシンプルなものです。手技としては非常に簡単で、研修医でもすぐ習得できるのですが、不十分な治療になると容易に再発し、その後の治療がしにくくなるという欠点があります。ですから、適応をしっかりと理解して、十分な治療ができるように心がけます。

静脈瘤破裂時の止血、肝臓の予備能が低下している場合、静脈瘤を作る血管が1本となっている場合にも効果的です。

この治療は、静脈瘤を短期間で消失させることが可能で治療期間も3週間以内で終了することがあります。その分、再発には、注意が必要です。