2013年4月20日土に行った粒子線の医療講演
裏話的な話も聞けてとても勉強になりました。最終的に130人を超える方が来てくれて、席がぎりぎりでちょっと焦りました。でも、いっぱいの話がきけて、よかったです。また、個別の相談も寺嶋先生のご厚意で実施することができて参加した皆さんもさらによかったと思われました。
寺嶋先生自体もみんなに聞いてほしい話がたくさんあってと、盛りだくさんにしてくれたとのことで、本当によかったです。
今回の講演の内容を聞きながらメモですが皆さんにお送りします。
相変わらず誤字脱字内容間違いあり得ます、また専門用語もそのままなのでわかりにくい点もあるかもしれませんが、ご了承ねがえれば幸いです。
第1部は川西が担当して、療養のこころがまえと内科的な治療の進歩などについて話して、ギターでみんなと歌ってリラックスしていただきました。
2部 北海道大学の陽子線治療
次世代の世界標準を目指す最先端プロジェクト
北海道大学大学院医学研究科 放射線医学分野 清水伸一
高速CTによる肺がんの動き ずいぶんとずれるので動く物を狙い撃ちする治療が北大ががんばっている。
肝臓癌を放射線で治すのが以前は相手にされていなかったが、いまは、治療光が認められるようになってきた。
健康保険 先進医療関連の実績
体幹部定位放射線治療健康保険認可申請をしてきた。北大でやっていることがたくさんある。
X線 治療に使う 深くなると線量が下がるが
陽子線は深いところでぽんと上がる腫瘍の後側にはいかない。
小児の難しいところでの治療
全能全脊髄照射 陽子線が望ましい
スポットスキャニング照射法 いままでは散乱体照射法
今までの方法ではできなかったが動体追跡を合わせることで可能になる
1000億円が30人の科学者に分配されるBigな国家プロジェクトだったが
仕分けで1回ゼロになって半年して30億円もらえた、普通は70億円(H2ロケット1回分、豊平橋)
でも、これではできないので、いろいろと検討したと。
名古屋で215億円だった
小さくして安く作った。効率がいいので加速器も小さくできて、165トンだった重さが100トンくらいでできる
30mから23mになった。
小型化も切望されていた。病院内における大きさになってきた。メイヨークリニックやセントジュードホスピタルとの契約も成立した。
スポットスキャニングの重複照射なども解決が必要
肝臓腫瘍に対するスポットスキャニング照射
何とかかけないですむエリアなどを守りながら
2014年3月治療開始予定
健康保険がまだ通っていない。先進医療でできる。10人の治療をしてから申請ができる。
質問 金マーカーは取り出せるのか 取り出せませんがトラブルは無いとのこと
3部 粒子線治療による新たな肝がん治療の戦略
最先端医療から実地医療へ
兵庫県立粒子線医療センター 寺嶋 千貴(かずき)
血管造影による治療を専門にやってきてた。限界を感じ、粒子線治療の話があり、こちらに移った。
陽子線、重粒子は炭素線
肝臓癌の治療効果はすばらしい
粒子線治療は世界に40弱ある
日本に陽子線7カ所、重粒子3カ所 兵庫は両方がある。9施設がある。
非常に大きい施設 古いのと二つあるのと
1日100人から120人 280億円かかってる 11年前?
年間700人の患者さん 2012年度関西圏が409人、北海道7人
肝臓癌は、120から130人 陽子と炭素線のどちらがいいかの確認を今している。
荷電粒子を加速して打ち込む
定位放射線治療は全体に当たってしまうが、陽子線炭素線はまわりには少ない
そろえてX線や陽子線、炭素を照射したら、炭素が2~3倍の効果がある。
血流の少ない癌には炭素がいいかも
肝臓癌については同じ効果
粒子線適応疾患
頭頚部腫瘍
骨軟部腫瘍
肉腫
仙骨脊索腫
肝臓癌
前立腺癌
適応外は
広範な照射範囲が必要なもの 15cm以上は難しい。
進行食道癌
進行肺がん リンパなども当てたいので
臓器移動の大きい腫瘍
乳がん かえって放射線の方がいいかも固定がしずらいため
消化管癌 胃、小腸、大腸、直腸
膀胱癌
なかにし礼さんは非常に少ない例 問合せがたくさんくる
粒子線治療の実際 いろんな部位の腫瘤がよくなっている例が示されました。膵癌もありました。
スペーサー留置術
当てたら困る場所 神経や腸管
ゴアテックススペーサー留置術
大網充填術
肝臓癌の特徴
多中心性発がんを起こしやすい
門脈、肝静脈腫瘍栓を生じやすい
定期検査の必要性
5mm,7,5mm、11mm、17mm 3ヶ月おきにこのくらいのサイズアップ
2cm以内で97%なおる 9ヶ月は猶予がある
40いかはMRI、超えるとCTとMRIを3ヶ月おきに交互
日本はいろんな治療があり技術が高い、海外は偏りが多い
RFA 3%の再発はあるが繰り返しできる 2cmいかは手術と同等
コンセンサスに基づく肝がん治療アルゴリズムが受け入れられている
2001年から2009年364人治療して局所制御率は2年以上再発が無かったらなおる。97%
消化管が近い(94%)か遠いか(97%なおる)で成績が違う 1cm離れるかどうか
4cm超えるかどうか
カテーテルでの完治は10%、粒子線は80%と話している。
肝がんでは、陽子と炭素に治療効果に差が無い
費用は、陽子が30億 炭素は130億作るのにかかる
治療2ヶ月待ちになっている。兵庫の場合。鹿児島も福井も2ヶ月待ちになってきている。1カ月を超えてきている。
治療効果
副作用を含めた評価 生存率
切除可能な場合の生存率とそうでない場合の生存曲線つくったら全国の成績と比べると切除のデータより上にある。いいということ。背景違うので比較はできないが勝っていると言えるのではないかと
RFAの治療効果とは一致している。
副作用は、肝臓ではほとんど問題ない
皮膚の副作用 黒く変色してくる。軽減する工夫がいまされてきている。
肋骨が骨折しやすくなる。100人で3人くらい1年後に起こっている。
門脈腫瘍栓は長生きが難しい 治療しなかったら3ヶ月といわれる。
局所制御率は高い
対象が広い 肝予備能が悪くても可能な場合がある
存在部位の依存が少ない
血流や分化度への依存少ない
治療期間中の体の負担が少ない
合併症が少ない 肝臓癌の場合
複数回の治療が可能 同じ場所は当てれないけど X線では広く当たっちゃうので難しい
粒子線が不可能な場合
予備能が非常に悪い
以前にX線治療を受けている場合
粒子線治療の欠点
局所再発時の治療が少ない RFAも血流などが制御できない出血が止まらない可能性が有る。
外科も難しい癒着などによる
TACEしかないという形になってくる
手術ができるならやっぱり手術、小さいならRFA できない場合は考えられる
粒子線治療の適応
手術(外科やRFAなど)のできない人が適応
ヘリウムもいいとこ取りになるかと研究されている
粒子線でしかできない腫瘍がある
陽子線と炭素の施設比は5:1くらいでいいのでは無いかと思うとのこと。
1時間半の長時間、話したいことをしっかり話したかったと先生の言うとおり非常に肝がんすべてを網羅しているようなまとめもあり勉強になりました。
粒子線について知ってもらう機会を引きつづきつくって行けたらと思いました。