肝臓病と共に生きる人たちを応援します

肝臓友の会との関わりで成長した肝臓専門医のブログです。2017.2.12より新規開始しました。

02肝がんの死亡数と原因

2007年12月23日 | 肝癌の診断と治療

肝臓癌での死亡は年々増加し、男性が女性よりも多いという状況が続いていましたが、最近は女性の比率も高くなってきています。ピークはそろそろ過ぎようとしています。肝硬変での肝不全死を加えると50代60代の死亡原因の上位になっていることがわかります。肝臓病は国民病と言える。しかし、あと10年もすると、死亡数は下がっていきます。
これは、日本の肝臓病の患者さんの年代分布があるからです。国の方で本格的な対策をしなければ、患者さんは治療が間に合わずになくなってしまう。そんな、問題が起こってきています。訴訟の結果を待たず、肝炎患者救済に是非動いて欲しい。患者会も頑張っていますが、国が動いてくれないと本当の意味での救済が実現しません。

肝癌の原因は、ウイルス性肝炎を知らない人は、アルコールだと思っているかたが非常に多い。新聞の芸能人が肝癌でなくなってもその原因が、B型やC型のウイルス性肝炎が基礎にあることはほとんどかかれていません。知らないのか、アルコールを強調した方が記事が読まれやすいのか、理由はよくわかりませんが、日本人では肝癌の原因は95%位がB型C型のウイルス性肝炎によって起こっています。

01肝がんの診断と治療

2007年12月23日 | 肝癌の診断と治療

肝癌の診断は、画像検査、組織検査、腹腔鏡などから診断がつきます。
普通癌の診断は、胃ガンや大腸癌などの小さいうちの癌は組織をとってみてはじめて診断がつくことが多いのですが、肝臓癌は画像検査の結果で判断が付くことも多い珍しい癌です。もちろん、組織をとって診断がつく場合もありますし、腹腔鏡検査ではじめて見つかる肝癌もあります。いろいろなパターンがありますが、まず、早期発見に役立つ検査としては、エコー、CT、MRIの画像検査が行われます。この中でもエコーが非常に無害な検査で、小さい病変を見つけることに優れているので、半年に1度はエコーの検査を受けることは、肝疾患を持っている方にはお勧めと言えましょう。