肝臓病と共に生きる人たちを応援します

肝臓友の会との関わりで成長した肝臓専門医のブログです。2017.2.12より新規開始しました。

肝臓病の血液検査の見方 2017.10.27録画版

2018年03月18日 | 肝臓教室
肝臓病の血液検査の見方171027

 
肝臓友の会はるにれ会の観楓会のとき、勉強会で行ったスライド、録画して見れるようにと要望があったので再度録画してみました。肝臓クリニック札幌の検査結果の紙を使っているので、受診した方はそれをみながら聞くと自分の結果もわかりやすいかも。28分くらいあります。いつもの講演よりゆっくり話しているので、聞きやすいかなあ。

学んで治そう HBs抗原が陽性の場合 道新2015.6.3

2015年06月03日 | 肝臓教室

←大きくみたい方はこちらをクリックしてください。

学んで治そう B型肝炎の抗原が陽性 肝臓専門医 一度受診を
相談者 71歳、女性
30年前に献血でHB抗原が陽性と知りました。最近では2010年と、2015年に検査し、
やはり陽性でした。
体の異常は今のところなく、何年かおきに血液検査を受けるようにとの指導を受けています。
現在、血圧高圧剤を服用中で、それ以外の薬の服用はありません。何らかの大きな病気になった場合、治療の時、HB抗原陽性が差し障らないのでしょうか。

回答
 相談者のHB抗原と言うのは時期的にたぶん、HBs抗原のことだと思われます。HBs抗原とはB型肝炎ウイルスの外側のタンパク質で、これがあると言うことはB型肝炎ウイルスに感染していることを示します。
 B型肝炎の一般的な感染時期については、ほとんどが幼少期のことが多く、感染ルートは母親や集団予防接種などによるとされます。また、成人になってからの感染の可能性は、血液や体液を介しての感染(注射器や医療行為、性的接触など)ということになります。
 今後の過ごし方については、肝炎は進行していても症状がほとんどなく気付かない場合もあるため、肝臓専門医を一度受診して下さい。そしてB型肝炎のウイルス量や治癒に向かっているかどうか、腹部エコーなどで肝がんなどの発生が無いことなどの確認を受ける事をお勧めします。ウイルス量が少ない場合でも半年に1回の受診を勧めるようになってきています。
 また、高齢でなくとも、免疫を抑えるような治療(一部のリウマチ治療薬や抗がん剤など)の際にB型肝炎ウイルスが活動し始めるときがあるため、病院にかかる際にはB型肝炎ウイルスへの感染について伝えるようにして下さい。薬を使う際に安心して使えるよう配慮してくれます。高血圧の薬は、特に問題とならないことが多いです。
 日常生活では、傷には注意して血液がついたものは他の人に触れることのないように注意して下さい。その他は普通に生活して構いません。現在は、自然経過で治ってきている方もでてきていますので、状態を確認できるよう定期的な受診をするようにしていきましょう。

相談に回答する機会を与えてくれてありがとうございます。

肝臓教室&サロン会の案内 2014年2月13日木は肝臓講演会と交流会 3月20日木

2014年01月17日 | 肝臓教室

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肝臓教室 サロン会 by 肝がん検診団
きっとかなう夢のために 肝がんの不安がなくなる世の中を目指して
肝臓教室とサロン会
時間帯 午後1時から2時半 2014年1月から木曜日に変更してみます。
日程と会場
2月13日木は肝臓医療講演と交流会に変更 かでる2・7 550会議室(5階)
第8回3月20日木 かでる2・7 750会議室(7階)
   住所 札幌市中央区北2条西7丁目
テーマ 
 慢性肝炎・肝硬変の診療ガイド(2013)の読み解き方
 講師&コメンテーター 肝がん検診団 団長
            札幌緑愛病院 肝臓センター 川西 輝明
30分程度勉強会をして、日頃の疑問や悩みを話してみませんか。
テキスト
慢性肝炎・肝硬変の診療ガイド(2013)1,260円(税込)
著者/編集:日本肝臓学会 出版社:文光堂

インターネットで結ぶ肝臓患者と支援者の会 はるにれ会 の会員さんも参加します。
参加無料ですが 先着30名までになります。たぶん余裕だと思います。
お問い合わせ先 肝がん検診団事務局 011-350-1008(留守番電話に連絡先を入れて下さい折り返し電話します)
共催 肝がん検診団 はるにれ会 インターネットで結ぶ肝臓患者と支援者の会
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終了分
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第1回 肝臓教室 サロン会 by 肝がん検診団 7月19日火 午後1時から かでる2・7 750会議室(7階) 10名参加 肝臓病の最新治療のエッセンス
第2回 肝臓教室 サロン会 by 肝がん検診団 8月20日火 午後1時から かでる2・7 750会議室(7階)6名参加
第3回 肝臓教室 サロン会 by 肝がん検診団 9月17日火 午後1時から かでる2・7 750会議室(7階) 8名参加
第4回 肝臓教室 サロン会 by 肝がん検診団 10月15日火 午後1時から かでる2・7 750会議室(7階) 10名参加
 テキスト4ページからと24ページの中くらいからです。
 内容は、B型肝炎の検査と診断、C型肝炎の一般臨床検査成績から
第5回11月19日火 かでる2・7 750会議室(7階) 14名参加
 テキスト10ページからと28ページの中くらいからです。
 内容は、B型肝炎の経過、C型肝炎の自然経過から
第6回12月17日火 かでる2・7 750会議室(7階)10名参加
 テキスト13ページ中からと30ページの中くらいからです。
 内容は、B型肝炎とC型肝炎の治療
第7回1月16日木に変更 かでる2・7 750会議室(7階) 6名参加
 肝硬変 ガイド終了しました。
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第6回肝臓教室 慢性肝炎・肝硬変の診療ガイド2013から

2013年12月26日 | 肝臓教室
第6回肝臓教室 慢性肝炎・肝硬変の診療ガイド2013から

今回は、B型肝炎、C型肝炎の治療の項目でした。
医師の判断する内容が多い部分で、かなり飛ばしちゃったけど。興味のある方は本の方読んでみてください。

B型慢性肝炎の部分で13ページから
1治療の基本方針
ウイルスに対して使う治療として、インターフェロン、核酸アナログ製剤があります。
核酸アナログ製剤は飲み薬で副作用も少ないので、耐性ウイルスの対応以外は便利な薬です。道の副作用の可能性と書かれていますが、AIDSなどの薬でももっと長期に使用されているので、かなり安全性は確認されています。
インターフェロンは、抗ウイルス作用の他に免疫を高める作用があり、これが、治癒の方向へ向かわせる力を発揮しているという点ではなおる可能性を高めます。副作用が多いのが欠点と書かれています。
35才未満では、インターフェロン、35才以上は核酸アナログを使うことが多いです。
シークエンシャル療法というのが核酸アナログとインターフェロンを併用して核酸アナログをやめるための治療として言われていますが、本来であれば、療法を使いつづけられることが治癒のスピードを上げる可能性が有ると私たちは考えています。

15ページ
2.B型肝炎の各種治療法
ここでは、インターフェロン、核酸アナログ製剤の効果や投与対象となる患者さん、副作用などの特徴が書かれています。どういう患者さんにどういう使い方が効果的かが書かれています。アデホビルが2014年以降に使えるようになる予定なので、耐性ウイルスの問題や妊娠可能な時期の投与の可能性などが進歩していくと思われます。
さらに他の薬の開発もされているので、もっともっといい治療が可能になることと思われます。
20ページ

C型慢性肝炎の治療で30ページから
3.インターフェロンの種類と副作用
表1に書かれているようにたくさんの種類のインターフェロンがあります。副作用に注意しながら、治療が必要です。
4.抗ウイルス治療法選択の一般的な考え方
2013年12月にシメプレビル(ソブリアード)がでたので、1型の高ウイルス量の方についてはこれが第一選択となっています。再燃例にも非常に効果的なので、これ1本になる感じ。1型以外の方については従来のペグリバが中心の治療となっています。
インターフェロンの単独療法や肝硬変に対しての治療についても書かれています。
テラプレビルの使用に際しては、併用する薬などの注意も必要であす。

5.抗ウイルス治療効果の判定
欧米では、治療後3ヶ月での陰性かで判定をしますが日本では6ヶ月で判定をします。この辺はちょっと違います。
また、治療中のウイルスの変化のスピードで分類したり、いろんな分類があります。中止するための基準なんかもありますが、治療効果をみながら、副作用なくできるだけ多く長期にできる方が効果は引き出せると思います。
6,テラプレビルとペグリバの併用、7.ペグリバ治療について書かれていますが、IL28bなども含めて、これからの治療は、それを考えなくてもいいくらいに効果的になることが予想されていますので、過去の治療効果がある方はそれを参考に組み立てていくのが一番いいと思われます。
8.これからの抗ウイルス治療
飲み薬だけで,インターフェロンを使わずになおる治療が控えています。2014年後半にも登場するでしょう。
DAA製剤というグループで、直接ウイルスに作用する薬という意味での略語です。
9.肝庇護療法
ウルソや強ミノC、瀉血療法について書かれています。
10.インターフェロンの少量長期投与
まだ助成制度の適応になっていないですが、標準的な治療が難しい場合には、できる限り(心と体の負担を考えて無理をしないこと)可能な範囲で行うことが、いい結果につながっていると思われます。少量でもウイルスが減るパターンの人は今後の治療でまず確実にウイルスが消えてくれると思います。抗炎症、がんの抑制につながっていることを実感できるようになってきています。

11.一般的な注意
栄養の補給はあまり意識しなくてもいい。ただ、インターフェロン中や抗がん剤の使用中などは積極的に取る方がいいかもしれません。アルコールはこの手の本では原則禁止と書かれています。39ページまで

次回は42ページの肝硬変からになります。

第5回 肝臓教室 慢性肝炎・肝硬変の診療ガイド2013から

2013年12月02日 | 肝臓教室
札幌駅前地下歩行空間でのテイッシュ配りのあとかでる2・7へ移動して肝臓教室を行いました。
ちょっと送れてしまって申し訳ありませんでした。

今回は
B型肝炎の部分で10ページから
3.経過
1.はじめに B型肝炎ウイルスキャリア(HBVキャリア)の経過は、血液検査のデータから、3つの病気にわけることが可能と書かれています。これも時代によって少しずつかわる部分がありますが、表1で大まかに免疫の寛容期、排除期、監視期となっています。こう言うのを見て先生の方では時期を判断してるってことですね。大事なのは患者さん毎にデータの動きは違うことがあることなんですよね。

2.HBVキャリアの病気
1免疫寛容期 ウイルスは活発に増えているけど人の方が免疫反応を起こして排除しようとしていない時期
2免疫排除期 ウイルスを排除しようと感染した細胞を攻撃して肝炎を起こしている時期
 e抗原が陰性となってe抗体が陽性となっても再活性化がおこることもあるので経過を診るのが大事。この時期に肝炎を起こすのはウイルスの変異がおこっていることがあり、肝硬変や肝がんへ進行しやすいといわれている。

3免疫監視期 非活動性キャリアで人の免疫の方が優位になっていてウイルスの増殖が抑えられて減って行く時期
 この後にs抗原が陰性化したりする。発癌率は低いとされているがゼロではないため経過を診る必要がある。肝細胞の中にcccDNAがなくなるまでは排除されたとは言えないのが面倒なところ。

B型肝炎にかかって治った後でも免疫抑制がかかる治療をすると肝炎が再発することがあるので注意が必要

3.HBVキャリアの自然経過
テキストの図1にあるように多くは肝炎をおこして非活動性キャリアにいこうして回復期へ、慢性肝炎になっていくのは10%強で多くはない。
予後の悪い例が書かれているが、治療をしてウイルス量を抑えていくことが重要となっていくと思われる。

4.治療
1.B型慢性肝炎の治療方針
ウイルスの増殖を抑えて、肝炎を沈静化することである。これにより生命予後とQOLが改善。テキストにいろんな目標が書かれているが、ウイルスを抑えて、肝炎の
改善を維持することが大切。
患者毎のいろいろな状況を把握して治療計画を立てていく。
B型肝炎ウイルスへの免疫反応が少ないと抗ウイルス療法は効果が少ないとされ注意が必要とされている。 ここまで13ページで

C型肝炎の部分は28ページから
2自然経過
1.C型急性肝炎
A型やB型肝炎より軽いが70%が持続感染に移行する。
2.C型慢性肝炎
多くの人は正常化近くまでおちつく、このため健診で見つからない場合も多い。半数は再上昇するとされている。
ALTが持続正常化している人でも進行している場合があることに注意が必要。なるべく早くウイルスを排除するのが望ましいと思うが、いまは、基準としてもうけられている。以前は治療しない方がいいとされていた。
進展を促進する因子などについて書かれているが、早めにウイルスを減らす治療を、それができないばあいは少しでも炎症を抑える治療が望ましい。
3.肝外合併症
肝臓以外に症状が出ることがあり、甲状腺や皮膚、免疫系の病気などがある。自己免疫性肝炎を合併することも有る。

4治療
1.C型慢性肝炎治療の基本的な考え方
原則としてはウイルスを排除すること
治療を急いだ方がいい場合として高齢の方や血小板の低い方ALTの上昇がある人。少量長期投与についても記載されるようになった、うちでは標準量で治療が難しい人はこれを行っています。
2.抗ウイルス治療の適応
インターフェロンの副作用からしない方がいい人はある程度絞られる。それ以外はした方がいいと考えて行う。
もちろん、仕事や生活のことを配慮して相談することが大事。
血小板が15万未満については肝炎の進展を推測して治療を考えるのがいいと思われる。
表1にインターフェロンの種類と特徴が書かれています。
PNALT(持続的にALTが正常値である症例)についてもいまは治療をする方がいいとされるようになってきた。
ここまで30ページ
 
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第4回肝臓教室 慢性肝炎・肝硬変の診療ガイド2013から

2013年10月23日 | 肝臓教室
慢性肝炎・肝硬変の診療ガイド2013から
患者さん向けに行っている勉強会です。難しいところ実際の診療で自分の活用していることなどを解説しています。参考になれば幸いです。
5ページ 
2検査・診断
1はじめに 2.B型肝炎の診断
B型肝炎の診断や治療に使う検査について、ウイルスマーカーの意味を解説しています。これを使い分けて肝炎の状態を診断しながら診療を行います。
s抗原の測定法もどんどん進歩しているので、今の検査ではほとんど見逃されることがないです。でも、まだ、見逃される場合があります。それを補う目的にHBc抗
体測定が有用なことがあります。このガイドではs抗原で十分と書いていますが、肝臓の専門医では例外があるのは覚えておく必要があります。

3。HBV活動性の評価
HBVDNA量を測定することで把握して、陰性化するとs抗原をみて行くことになってきます。ウイルスの量を少なくすることが目標となります。
e抗原が陰性化してe抗体ができてくるこは、治ってくる過程で重要です。ただ、治りきっているわけではないところが注意点です。

4.抗ウイルス療法とウイルスマーカー
抗ウイルス療法をしてウイルス量が順調に下がることが多くなってきています。
薬が効かなくなる、耐性ウイルスがでてくると薬の調整が必要となる場合が有ります。そのタイミングも検査で検討します。
cccDNAとかについては、患者さんは覚えていなくていいと思うので飛ばします。
コア関連抗原量はDNAの陰性化の後低下してくるかを見ますが、いまはs抗原の量が測定されてマーカーとして使えるようになってきています。これが一番有用にな
りそうです。薬をやめるタイミングを計る意義も出てきています。

5.遺伝子型(genotype)とウイルス変異
日本ではgenotypeはCとBが多いです。9種類があるのですが、地域によって特徴が有ります。
プレコアとかコアプロモーターとかは患者さんはパスしてOKです。

6.その他の検査
組織学的な検査は、肝生検ですが、治療方針を決めていく上で重要となることがあります。線維化が強い場合は肝がんのチェックを頻回にする必要があります。危険因
子について書かれています。

24ページ
4.一般臨床検査成績
C型慢性肝炎のALTはそんなに上がらないことも多い。ZTTが高くて見つかる患者さんもいる。線維化が強い場合は肝がんのチェックが定期的に行う必要がある。

5.C型肝炎ウイルスマーカー
HCV抗体について、第2世代、第3世代になりほぼ診断がつくようになってきた。治った場合でも陽性になるので注意です。
抗体というと治す物を指すことが多いのですが、この抗体は治す抗体ではありません。

HCVRNA この測定もどんどん進歩しています。 HCVコア抗原も測定されることがあります

HCV遺伝子型genotype、血清型セロタイプ
genotypeは保険適応じゃないためにセロタイプを測ります。検査費用が高いと言うことも保健が通らない原因かな。
ISDRとかアミノ酸変異、IL28Bなどもありますが、これは、お金がかかる場合が多いのであまり知らなくていいと思います。ちゃんとはかれるようになってか
ら測るで十分でしょう。無料で測ってくれる場合は、測ってもらうことも意義がありますが、治療の反応性が一番重要なので、あまり今は意義が無いかなと思います。
今後治療方針を確定していくのに意義が出てくるなら保険を使って測定できるようになると思われます。

6.診断
6ヶ月以上の炎症があれば慢性肝炎と診断、肝生検でも診断が可能です。新犬山分類などをつかったりしています。
換算式で血液データなどを入力して推測するやりかたもありますが、肝硬変の初期であれば慢性肝炎と考えて治療するのとあまり差がないので実際は私たちはあまり
使っていないです。

次回は
第5回11月19日火 かでる2・7 750会議室(7階)
 テキスト10ページからと28ページの中くらいからです。
 内容は、B型肝炎の経過、C型肝炎の自然経過から

第二回肝臓勉強会してきました。2013年8月20日

2013年08月28日 | 肝臓教室
第二回肝臓勉強会 してきましたー。
今回は、
慢性肝炎・肝硬変の診療ガイド(2013)1,260円(税込)
著者/編集:日本肝臓学会 出版社:文光堂

B型肝炎、C型肝炎の概要ってことで
テキストの2ページ目から4ページ、22ページから24ページ中まで
今回の範囲は、難しいところがたくさんありました。なので、ここ飛ばしていいですよーっていってるところがたくさんありますが、参考になれば幸いです。テキスト
なくても読んで見ると少し勉強になるかと思います。

2ページ
1 B型慢性肝炎の概要
1.はじめに
B型肝炎ウイルスの感染状態を表す表現がいっぱい有ります。これはそのとき時の分かっている内容でも変わります。
急性肝炎、無症候性キャリア、慢性肝炎、肝硬変、肝発がん、潜伏感染・再活性化など。。。
どの状態もつながっている時期の事が有るのでつながりがある物ととらえて下さい。
ウイルスの活動性が持続して、体が排除しようとすることで慢性肝炎となる。

2.B型肝炎ウイルスとその感染
ここでは、ウイルスの分類が紹介されています。細菌学とかで勉強する内容がかいていますが、B型肝炎ウイルスはDNAが遺伝子のウイルスで、C型肝炎はRNAが
遺伝子のウイルスとだけ覚えていただければ十分です。
さらに勉強される方は、cccDNAとかの話がかいていますが非常に専門的な話なので患者さんはむずかしいのねえで飛ばしましょう。
図1で右側にある球形粒子、管状粒子というのは、ウイルスが増殖するときにできる使わなかったウイルスの殻で、それがs抗原となります。
HBV感染者は世界人口の3分の1(22億人)います。治った人も含めてです。この話を聞いてみんなびっくりしていました。知られてないんですよね。このうち
3億5千万人がキャリアで、その75%が東南アジア及び西大西洋に住んでいるのです。このことから、B型肝炎ウイルスのワクチンが地球規模で必要だという意義が
伝わるかなと思います。日本に人の出入りがないのであれば必要ないワクチンですが、これから国際化を考えると国民を守るという意味が強くなってきています。
日本では、130万から150万人と推定されている。
HBVキャリアの主な感染経路は、母児管感染と幼少時の水平感染である(これは世界的に見て)。日本では1986年からB型肝炎母子感染防止事業が始まったの
で、国民のキャリア率はきわめて低いです。
この辺に予防接種などの医療行為での感染がかかれて欲しいところですがこのガイドラインには記載はないです。
成人で感染すると急性肝炎で治るが、キャリア化もすることがある。ゲノタイプAが強調されているが、頻度としては少ないが他の型でもあり得る。

3ページ
3.診断と病態の把握
B型肝炎の持続感染の診断としてはs抗原が用いられるが、記載はないですが、s抗原が陰性でもHBc抗体が陽性の場合はキャリアと判断して経過を診ることが大切
です。また、治ってs抗体が陽性でも免疫抑制が起こる状態では再度発症することがあります。
HBVキャリアでは家族の感染がないかを確認することが重要。
自然経過では、各種採血検査、免疫状態から、免疫寛容期、免疫排除期、免疫監視期などの病気に分類されますが、これも、あまり覚えておく必要なないです。治って
いく過程での呼び名があるんだなあくらいでいいです。

4.治療の対象と目標
現在、B型肝炎ウイルスを完全に排除することは難しく、現在の治療目標はウイルスが増えないように維持することです。
しかし、現行の治療でs抗原が陰性化して、s抗体ができて治ってきている方がどんどん報告されてきています。
治療のDNA量での目安は、e抗原陽性なら5,e抗原陰性なら4,肝硬変では3log copy/ml未満としています。
HBVキャリアの約90%は自然経過でe抗原からe抗体陽性のセロコンバージョンを起こして、DNA量も低下してきます。さらに肝炎が沈静化が継続して非活動性
キャリアとなり予後がよく治療も必要としないです。
肝炎の発症後もDNA量が低下せず肝炎が持続する症例では進行して肝硬変や肝がんとなる危険性があるから積極的な治療が必要となります。

22ページ
1 C型慢性肝炎の概要
1.C型慢性肝炎とは?
C型肝炎ウイルス(HCV)により持続的な炎症を起こす病気です。
HCVが感染している人ではほとんどが肝臓の組織を見ると肝炎を伴っている。(ここがB型肝炎とことなります)
肝細胞が壊れて治ってを繰り返し肝硬変へと進行します。
肝がんを合併しやすい。いろんな作用によると言われている。
ALTが正常な場合を無症候性キャリアと呼ばれる。しかし、肝硬変や肝がんが出ていることもありきちんと受診して診なくてはいけない。
状態を把握して方針を決めておくことが重要です。

2.診断の流れ
持続する肝機能障害がある場合、C型肝炎を疑いHCV抗体検査を行うとかいていますが、肝障害がなくてもウイルス肝炎検査は1度は受ける必要があります。
HCV抗体が陽性となったらHCVRNA検査をする。RNA陽性ならウイルス量と血清型を測定(ゲノタイプが測れるようになってくれたらいいのに)、抗体陽性で
HCVRNA陰性なら治ったと考えられる。このHCV抗体陽性は、インターフェロン後ウイルス消えていていても要請となるために健診やドックでHCV抗体陽性と
言われてびっくりして受診される方もいます。心配ないパターンがあることも是非覚えておいて下さい。
肝線維化の程度は治療のタイミングをみて行くためにも重要で肝生検をせずに判別式やフィブロスキャンの測定も今はされるようになってきています。

3.治療の流れ
治療の目標はウイルスの排除と進行の防止です。
ウイルス排除については、インターフェロンが不可欠となっていて、ウイルスの血清型や量で治療効果を予測します。健康保険の適応のない検査もありますが、早く保
険適応になって欲しいところです。ただ、効果がないという判定になる人の中にも効果がある人がいるので、副作用が少ないのであればまずは治療して効果を見ること
が一番確実です。効果がないと言われているなら、逆に副作用が出たならすぐやめるって言うのもありだと思います。

23ページ
2 検査・診断
1.疫学
日本では、約150万から200万人が感染していると考えられる。慢性肝疾患の7割がC型肝炎による。図1がテキストにあります。

2.診断にあたって
①病歴 輸血や、手術歴を確認、病院などでの静脈注射歴も大事だけどそこはかいていない。
刺青や静脈注射(麻薬など)、ピアスの穴あけでも感染する人がいるが、この聴取には配慮が必要です。
ほとんどは医療行為での感染なのですが、こう言ったことにかかわったことはありませんかというように。
夫婦間、母子感染も少ないがあり得る。

②自覚症状 ないことが多い、治療してウイルスがいなくなった後に気づく人もいる。元気になって前がだるかったんだという感じ。
肝硬変で進行した状態でいろんな症状が出る。そうなる前の患者さんがたくさん。

24ページ
③身体所見 肝腫大は見られることもあるが、身体所見はほとんど見られない。
肝硬変の進行した状態では、黄疸腹水などもあり得る。テキストに詳細あり。
肝臓以外にでる症状としては、皮疹や口の中の扁平苔癬というのもある。

3.検査を進めるにあたって
何度もかかれていることですが自覚症状も身体症状もほとんどないので、血液検査が重要となります。
肝障害を診断する上では、ウイルス性以外にも薬害、アルコール、脂肪肝関連、自己免疫、胆道系のチェックも重要となります。

次回は、4ページからと24ページの中くらいからです。
内容は、B型肝炎の検査と診断、C型肝炎の一般臨床検査成績からです。
9月17日火曜日 午後1時から かでる2・7 750研修室で行います。
 

患者さん向け 慢性肝炎・肝硬変の診療ガイド2013の読み解き方 第1回 肝臓教室とサロン会 から

2013年07月17日 | 肝臓教室
2013年7月16日かでる2・7で、肝臓教室とサロン会をしてみました。
病院で行っていた肝臓教室もいいのですが、病院まで来るよりは街の方が参加しやすいという方もいるので、今回は札幌駅から徒歩10分ほどでつくかでる2・7を場所に選んでみました。外来で誘った患者さんやブログを見てきていただいた方を中心に10名の方が参加してくれました。

テキストとして 
慢性肝炎・肝硬変の診療ガイド(2013)1,260円(税込)
著者/編集:日本肝臓学会 出版社:文光堂
を使用して、その中で記載されいている部分を中心に患者さん向けに話をしてみようとやってみました。ちなみに札幌緑愛病院の売店でも売っていますので、このブログを見ながら一緒に勉強してみたい方も試してみて下さい。

このテキストは、医療従事者向けに書いているので、患者会の方が相談を受けたときに知識として身につけておきたいからといっていたのも印象的でした。内容としては職員の勉強会にも使用しているので、説明しながらちょっと難しいなあと思いましたが、みなさん頑張って聞いてくれていました。
患者さん方がこの本を活用するときには、難しい内容は読み飛ばして、わかるところだけ読んでください。具体的には目次の太字のところを表題のところだけをみるのも一つです。内容を読んでも難しいので、こんな項目があるんだなあ。でも、十分です。
そして、memoって書いている部分はかなり上級者の知識になりますので、こんな難しいこと先生方は勉強してるんだなあと思って読んでもらえたらいいかなと思います。

さて、今回の前半の肝臓教室の部分では 最新治療のエッセンスということでお話ししてきました。
テキストの序文をまず読みました。この本がどういう意図で書かれた物かが書いています。肝臓学会が出してきたいろんな本も紹介されています。1人でも多くの方へ肝臓について教育していく部分もになっている本であることがわかります。治療ガイドラインに示されている新しいC型肝炎ウイルスに対する薬や標準治療となってきていること、B型肝炎の治療も核酸アナログが3種類から4種類へと増えていくことにも触れていました。常に新しい話が出てきているのでこのガイドも2011年から2年弱で改訂になっているのです。内容的には新しい内容が付け加わっている感じでそんなに変わってはいません。その新しい内容について今回は勉強をしました。

今回解説した部分
○19ページの今後の展望のところ
エンテカビルの耐性出現率が低く、これは、B型肝炎ウイルスの核酸アナログの治療はとてもよく聞くのですが反面、効きにくいウイルスが出現します、これが耐性ウイルスというのですが、この耐性ウイルスの出現が少ないというのが特徴です。それでも、免疫不全や肝硬変、抗ウイルス症例などの場合には出現することがあるので、欧米ではすでに使われている、テノホビルやその合剤が推奨されています。日本ではこれから使えるようになるでしょう。
日本でもHIV(エイズのウイルス)には使える薬になっているので入手は可能で、HIVの合併例や治療抵抗例で使用経験として報告されています。
また、インターフェロンや核酸アナログ以外の薬も研究されているが、5年以上かかるとされています。
核酸アナログの長期投与の安全性と治療効果、治療の中止時期、核酸アナログとインターフェロンの併用療法の効果と適切な使用法の更なる検討が望まれていると結んでいました。
○37ページのこれからの抗ウイルス治療
シメプレビルが臨床開発段階であることが書かれていて、早ければ今年の末には使えるようになっているかもしれない。他の薬も研究が進んでいることが書いていました。ゲノタイプ2型の人向けのテラビックの臨床試験もおこんな我いるそうです。
○39ページのインターフェロン少量長期投与
これが私としては一番うれしい内容です。ウイルス排除だけでなく、肝がんができないようしていく治療として行うことがあると記載されるようになりました。医療費助成が実現してくれたらと思います。
○50ページのフィブロスキャン(FibroScan)
検査として、肝生検に置き換えることが可能と期待されています。超音波の原理を利用して肝臓の硬さを測定して、慢性肝炎や肝硬変の時期かを推測することができる。全体をチェックしているのではない点に注意が必要です。

次回は、8月20日かでる2・7 510会議室(5階)で午後1時から2時半(肝臓教室30分、その後サロン会)、B型肝炎(2ページから)とC型肝炎(22ページから)のそれぞれの概要を15分ずつ解説して行けたらと思います。
肝臓教室だけの参加もサロンからだけの参加も可能です。興味のある方はどなたでも参加下さい。
 

肝臓教室 in 札幌緑愛病院 日程が不定期になります

2010年11月17日 | 肝臓教室
札幌緑愛病院の川西の肝臓外来の午後が水曜日から金曜日に段階的に移行するため、肝臓教室が不定期になります。予定が決まりましたらお知らせします。

11月17日水 午後2時半 肝硬変の診断治療
12月1日水 午後2時半 内容未定
12月8日水 午後2時半 内容未定 
1月7日金 午後2時半 内容未定
1月14日金 午後2時半 内容未定
1月28日金 午後2時半 内容未定
の予定です。

肝臓教室 運動

2009年06月10日 | 肝臓教室

先週は、肝臓教室でリハビリの人たちに運動の話をしてもらって、実際に長生き呼吸体操というのをしてもらって、患者さんに簡単な体操をしてもらいました-。こういう運動って本当に体にいいんですよねえ。

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高額医療費について 肝臓教室

2009年04月15日 | 肝臓教室

今日は、高額医療費についての話でした。医事課の品川氏が資料を作ってくれて、仕組みが以前と変わっていたので、私もすっかり忘れていました。入院する際には認定証を交付してもらっておくといいと言う話、以外と知らない人がおおいかなと思いました。

食道静脈瘤の診断治療 肝臓教室

2009年04月01日 | 肝臓教室
今回は、食道静脈瘤と治療についてってことで、静脈瘤には色々あることや、肝臓がかたくなることで起こってくることを説明しました。出血した際の治療法や予防的治療、部分的脾動脈塞栓術で期待されることなど、いろいろな話をしてみました。

検査のコツ 日常生活 運動について 2009.3.25

2009年03月27日 | 肝臓教室

この回は、検査の時に呼吸法で少しでも楽に受けましょうって話と運動が肝臓にいいことがたくさんあるという話をしました。歩く運動がとてもやりやすい運動で優れていることを話しました。もちろん、膝や腰が悪いときや体調が良くないときは歩かなくても動かせるところを動かすでいいことを忘れないでくださいね。
インターフェロンの副作用も仕事や運動をしている人の方が軽くなる傾向もあるみたいですが、つらいときは無理しないようにしてください。

肝臓教室 2009年4月予定

2009年03月25日 | 肝臓教室
肝臓教室 週1開催案
日時 毎週水曜日 2時30分から20分 以下スケジュールを見てください。
場所 1階 肝臓内科診察室待合い
8回を1クール 医師や医療スタッフによる講義

4/1  食道静脈瘤の治療
4/8  採血データの見方            
4/15 医療制度 障害年金、新制度
4/22 薬の飲み方         
4/29は休み

入院患者さんが中心になると思いますが、地域や外来通院中の方でも参加可能です。
是非、来てください。

肝臓の画像検査について 2009.3.18

2009年03月18日 | 肝臓教室

今回は、肝臓病の画像検査と言うことで、肝がんの診断治療に伴う、エコー,CTの画像検査をみなさんに見てもらいました。治療する前とした後、腹腔鏡での治療の様子など、実際に治療しているときの映像をまじえてみてもらいました。自分がこの治療を受けてるんだあと改めて実感された方が多かったんじゃないかなあ。