肝臓病と共に生きる人たちを応援します

肝臓友の会との関わりで成長した肝臓専門医のブログです。2017.2.12より新規開始しました。

18肝臓の奥深くのがん S1の穿刺治療

2007年12月27日 | 肝癌の診断と治療

スライドは肝臓で一番深いところといえる、S1という場所に出来た肝がんに対して治療を行ったときのスライドです。
左から治療前、穿刺中、治療後と並んでいます。
エコーで見ながら、血管や胆管といった管を損傷しないよう気をつけつつ、穿刺を行い、そのあとCTにて肝腫瘍の位置と合致しているかを確かめます。エコーだけではぎりぎりのところがわかりにくいこともあり、刺しすぎないように細心の注意を払って行います。

17エコーガイドCTアシストRFA(ラジオ波焼灼術)時のCT撮影

2007年12月27日 | 肝癌の診断と治療
このムービーは実際にラジオ波焼灼術に用いる針を刺して、CTで肝がんの部位と針先を確認しているところです。ムービーの上側に白い点が移動しているのがわかるかと思います、これが刺さった針のラインになります。
腫瘍の部位に当たっていると判断できるばあいに焼灼を開始します。2007-12-27作成 2012-11-25更新

以前つくったコーナーの動画がサポートされなくなったため更新しました。

 
肝がんに対してのラジオ波焼灼術などの針を刺して行う治療には難しい場所と言われるところがあります。これはそのうちの横隔膜近くの腫瘍に治療しているものです。エコーで肝内に針があるのを確認して、CTで肝がんの位置と一致しているかを確かめます。
エコーだけでは腫瘤の位置がはっきりしない、見えないときもあるためこういう工夫をして安全に治療ができるようにしています。
 
これは、心臓近くの腫瘍に対して治療をしているときのものです。

施設によっては、造影エコーを使ったり、胸水や腹水をいれてエコーで見やすくして穿刺している先生もいます。それでも、位置がずれる場合もあるため、当院ではこの方法を使ってより性格に穿刺できるようがんばっています。それでも何度か治療をチャレンジしなくてはいけない場合があり、難しい場合はあります。外科的な治療よりも内科的な治療が必要な場合の工夫の1つと思っていただければ幸いです。

17エコーガイドCTアシストRFA(ラジオ波焼灼術)

2007年12月27日 | 肝癌の診断と治療

肝臓の肺側の部分や心臓側に肝がんが出来ると、胸水や腹水を注入して行う方法が良く検討されます。私たちの経験では横隔膜の炎症を気にして腹水を注入しても横隔膜の炎症が起きたことがあったため、水を注入しないでも胸水の合併が変わらない野ではないかと考え、安全に穿刺できるルートを確保できるよう、エコーで危険な部位を避け、腫瘍部位はCTで針先との位置関係を調節する方法を採用しています。

この方法であれば、胸水や腹水を作るという手技を省略することで合併症が減り、エコーでは見えにくい部分もCTで肝臓の血管や抗ガン剤のたまり具合を参考に穿刺部位を検討することが出来、効率的でした。
難点は、CT室を独占してしまうため、設備の使用が制限となって自由度がなかなか得られない病院が多いことがあげられると思います。幸い現時点では、治療時間帯の検査が少なく、ほぼ専有して行うことが出来て助かっています。

16肝がんの穿刺治療の困難な場合

2007年12月27日 | 肝癌の診断と治療

一般的に肝がんの場合、内科的な穿刺治療が難しい場合は、スライドの通です。
しかし、いろいろな、工夫をすることで難しいところでも治療が可能となってきます。
これは、経験や技術、設備いろんな条件により、さまざまな方法があると思います。私が経験してきた方法の一部を少し紹介します。