肝臓病と共に生きる人たちを応援します

肝臓友の会との関わりで成長した肝臓専門医のブログです。2017.2.12より新規開始しました。

肝臓病は国民病だと言える

2007年12月07日 | 肝がん検診

平成十八年の日本における死因別死亡数を表にしてみました。悪性新生物、いわゆる癌がダントツ一位なのは、以前変わらずですが、この中の肝ガンの人数と肝疾患の人数を合わせると死亡順位が5位になります。さらに肺炎は、感染症であることから、急性疾患と言えるため、慢性疾患として考えると日本人の死亡の4位が肝臓病と言うことになるのです。

ですから、ウイルス肝炎がほとんどと言える肝臓病は、国民病と言える。そして、その肝癌の原因の95%がB型やC型ウイルス肝炎ですから、このウイルス肝炎の治療をしっかりとすることは、亡くなってしまう国民を減らすことにつながり、国にとっては非常に重要な方針となると言うことを本気で考えて欲しいと思います。

悪性新生物や脳疾患、心疾患は、起こす原因となる病気、病気の方の人数はたくさんありますが、肝臓病のようにガンのほぼ確実な原因となる病気はほとんどありません。ウイルス肝炎は改善がなければほぼ100%が肝ガンや肝硬変になって命にかかわるといっても過言ではないのです。

ですから、国が果たすべき役割として、薬害などの保障の問題だけでなく、国民を救うという国の義務が生じていることに気づいて欲しいと思います。気づいてもらうために自分たちが出来ることはなんなのか、常に考えていきたいと思います。

2007.12.6道新記事 肝炎患者さん救済へ向かって欲しい

2007年12月07日 | 患者さんとの関わり

道新の記事がのりました。ここではB型か肝炎の方がの負担が増えることが述べられています。しかし、肝硬変症や肝癌といった今急がなければ救えない方々のことはもっともっと急ぐべき事なんだけど、どうして国は急げないのでしょう。システムのスピード、国民病となった肝臓疾患をいかに救うか、原因と治療法がここまではっきりしてきたなら、生活習慣病以上に早急に対策をすることで早急に助かる命がたくさんあるというのに。。。もっともっと患者さんの状態を伝えていかなければならないのだと痛感します。臨床医として、小さい声かもしれませんが、たくさんの声を響かせて、国民病としての肝臓病を日本から消滅させて欲しい。肝癌になる病気を無くして欲しい、これは、国の税金を納める国民の数が減ると言うだけでも国にはダメージなはずなのに、お金の話をするのは、気持としては納得できませんが、今の出費と将来の収入は比べものにならないという試算さえできないのでしょうか。。。積極的に国の貴重な国民が死んでいくことを黙ってみていると言うことが出来ないという気持で十分元が取れる話だと、最近とても痛感します。。。

道新の記者の方に了承を得て掲載しています。