息をするように本を読む

初めて読んだ本も、読み返した本も、
ジャンルも著者もおかまいなしの私的読書記録
と、なんだかだらだら日常のことなども

つくも神さん、お茶ください

2012-12-11 10:09:55 | 畠中恵
畠中恵 著

著者はじめてのエッセイ集。
なんとデビューのきっかけとなった「日本ファンタジーノベル大賞優秀賞」の
受賞の言葉までおさめられているのでファンにはうれしい。

このかた40歳過ぎてのデビューだったんだなあ。
もともと漫画家だからストーリー作りや背景の作り込みはお手の物だろうが、
小説を書こうと思ってから実に7年間小説講座で修行を重ねたという。
まさに万を辞して、という感じだ。

大好きなお江戸の話はコミカルでわかりやすく、たくさんの研究や知識に
基づいているのがよくわかる。
今と昔を軽快に行き来しながら紡がれる物語の数々は、そこここに妖たちが
顔を出して不思議と楽しさに満ち溢れている。

著者の手にかかれば、古さも不便さも闇もなにもかもが魅力的に見えてしまう。

杉浦日向子さんにささげる一文がとても好きだ。
違う角度からだけれども、江戸をしっかり切り取り、読者に見せるふたり。
二人が江戸について語り合うのを聞きたいなあ。無理だけど。

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