哲学とワインと・・ 池田晶子ファンのブログ

文筆家池田晶子さんの連載もの等を中心に、興味あるテーマについて、まじめに書いていきたいと思います。

オリンピックと国籍

2010-02-20 07:02:00 | 時事
 今開かれている冬季オリンピックで、フィギュアスケート・ペアの女性選手が日本国籍からロシア国籍に転じて出場した話題があった。ペアの二人が同国籍でなければ、オリンピックに出場できないのだそうだ。オリンピックと国籍の話は、おそらく池田晶子さんが雑誌連載を続けていたとしたら、きっと取り上げた話題に違いない。

 オリンピックについては、池田さんは『さよならソクラテス』で直接取り上げている。平和の祭典のはずなのに、国同士が戦争のごとくメダル争いをしている矛盾を的確に指摘している。本当の平和の祭典なら、国籍を全て無視すればよいという。確かにそうなれば、冒頭のペアの問題も発生しなくなる。

 ただ、面白いと思ったのは、オリンピック出場について国籍が要件となっているがため、一方で国籍を変わって出場する選手も居るという事実だ。オリンピック出場の方が国籍よりも重要と考えたのであれば、それだけ国籍というものは軽い意味合いであることを証明している。

 国籍を変わって出場する選手がどんどん増えれば、オリンピックの様相も随分と変わりそうだ。そうすれば、国別のメダル争いは無意味になってくるし、結局池田晶子さんの考えた、国籍無視のオリンピックに事実上近づいていくことになる。