哲学とワインと・・ 池田晶子ファンのブログ

文筆家池田晶子さんの連載もの等を中心に、興味あるテーマについて、まじめに書いていきたいと思います。

私の売り言葉(週刊新潮今週号の「人間自身」)

2006-06-19 08:12:55 | 哲学
 池田晶子さんの週刊新潮連載「人間自身」今週号は、「私の売り言葉」という題でした。携帯電話の話し放題という広告が相当変、という話題です。ポイントとなる文を抜粋します。

「言葉が自分の価値であるということは、その人の話す言葉を聞けば、その人の価値は瞭然だという事実に明らかである。」



 言葉が自分の価値であるのに、安く大量に無内容な言葉を発して、自分の価値を貶めていると言うわけですね。

 実際に私たちが話す際に、どこまで言葉の価値に拘っているかというのは心もとないですが、会話をしていて、お互いの言葉の「品」の有る無しは自然と判断しているような気がします。しかし、言葉の「価値」となると日常会話にそもそも馴染みません。要は、価値に馴染まない日常会話を何時間もするのか?ということでしょう。


 逆に価値の高い言葉の典型例とは、どのようなものでしょうか。例えば、エッカーマンの『ゲーテとの対話』のように、ゲーテの語ること全てに耳を傾けるような、そんな思いをいだかせる言葉が典型例でしょうか。



(私事ですが、転居のためしばらく本ブログの更新は中断します。)