哲学とワインと・・ 池田晶子ファンのブログ

文筆家池田晶子さんの連載もの等を中心に、興味あるテーマについて、まじめに書いていきたいと思います。

茨木のり子『ハングルへの旅』(朝日文庫)

2006-05-24 05:22:36 | 語学
 この著者は最近亡くなられたそうです。詩人だそうですが、この本を書店でたまたま手に取るまでは、全く名前を知りませんでした。


 それにしても「詩人」という方々の感性は、我々庶民には決して到達しえない、すばらしいものがあります。例えば、谷川俊太郎さんはCMでも何でも引っ張りだこですが、その作品の「感性」には誰でも驚嘆するのではないでしょうか。我々と同じ日本語を操り、言葉そのものは決して日常使う言葉でしかないのに、書かれたものはまるで別世界のようです。谷川さんが宇宙人と呼ばれる所以です。


 さて、茨木さんの詩はよく知りませんが、この本を読めば、詩人らしい感性の鋭さは感じることができます。

 とくにおもしろいと思ったのは、ハングルと山形県の庄内弁との類似で、表形式で比較されています。その他にも、日本の地方方言とハングルとが類似する表現が多くあるようです。


 茨木さんは50歳代からハングルを学び始めたそうですが、日本語のルーツというものに想像を働かせながらハングルを学ぶのも面白いのではないか、と思いました。