花山の思い9番札所(一網打尽)

 春日大社、東大寺、そして興福寺、その横にこんもりきれいな姿を見せる三笠山(若草山)。
 ここへお参りに来た花山法皇は、多くの思いを31文字の中に盛り込みました。

 春の日は 南円堂に 輝きて 三笠の山に 晴るる薄雲

「春の日」は春日大社にもかかる言葉。実際の春の光に照らされるお堂も見たことでしょう。そしてまた、この光は、観音さまの慈悲の光もかけてある言葉。三つの意味を最初の句にかけるとは、すごいですね。

「三笠の山」も、実際の三笠山と、私たちの心を笠のように覆う三つの煩悩(むさぼり、いかり、おろかさ)を表しています。

 意味は、

「観音さまの慈悲の光は、春の日にも似て、ここ南円堂の観音さまから発せられていることだ。その御利益によって、私たちの心をおおう煩悩さえも、薄雲が晴れ渡るように消えていくことだなぁ」

というところだろうか。

 この南円堂の観音さまは、33カ所中唯一の不空羂索(ふくうけんじゃく)観音さま。羂は獣や魚を採る網のこと。索は釣り糸のこと――網や糸を使って(つまり慈悲のことです)人々をすくい取るということ。不空は「むなしくない」ということから、失敗しないの意。

 がっつりと人々を救いますぞ、という誓いを身に帯している観音さまです。

 だだっぴろい興福寺の境内から、バーッと慈悲の光を全方向に発する、神々(こうごう)しいお姿が目に浮かびますね。そして、その光の包まれ、自分の中にある同じ慈悲の光が反応して、自分の体からもドバーッと慈悲オーラが出てくるイメージをしてみたいものです。

 そのイメージのまま、「おはよう」「こんちは」「こんばんは」「ありがとう」「いただきます」「ごちそうさま」が言えたら、その時、あなたは観音さまです。

 さて、奈良盆地を後にして、目指すは北、山城の国。宇治近くの三室戸寺(みむろとじ)の千手観音(せんじゅかんのん)さまのみもと。

 いざ。10番札所へ。

西国霊場ホームページ⇒http://www.saikoku33.gr.jp/

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 テレビ版初代「ルパン三世」のビブラホン(鉄琴?)で奏でられるテーマを覚えておいでの方も多いだろう。
 演奏は松石さんというプレーヤー。私が「声明ライブ」をやっているお店(新小岩チピー)で、月に一回出演している。何度も聞きにうかがっているが、にこやな笑顔で軽快に演奏する姿に、こちらの心も軽くなる。
 昨日チピーのマスターから「松石さんの演奏、聞きにおいでよ」とお誘いをいただいた。
 秋の夜長、今晩はたいした用事もないので、珍しく出かけて、まったりと松石さんの打ち出す生のジャズを堪能しようと思う。
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コメント
 
 
 
まったりとした時間 (ruri)
2009-09-26 20:15:37
なんて幸せで贅沢なひと時でございますね。今日はなんとなく漫画でも買いに行こう、と本屋へ。目当てのマンガ本はなく、ぶらりと新書のコーナーへ。「こだわらない生き方」・・・これって。もちろん買いましたとも!ええ買いましたとも。
お地蔵様がキュートでございます。表情豊でございます。今にマスコット人形になりそうですね。
もうすぐバイトに行く時間。がんばってお金を貯めて娘に会いに行かなくちゃ!アンド密蔵院まいり、いざ行かん!おーーー!
 
 
 
なんとも粋な・・・ ( 和尚)
2009-09-26 21:27:44
ruriさん>なんと粋な文章でございますことよ。何かいいことあったのでしょうか(私の新刊をゲットした以外に)。こんな文章が書けたらいいですね。パチパチパチ。富山の本屋さんにあったんですか。三笠書房の営業のかた、頑張ってますね。ありがたいですね。


 
 
 
煩悩だらけのわたし (なも)
2016-06-18 09:54:19
9番なんゑん堂観世音菩薩に奉納とうしろに達筆に書いてある掛け軸をいただきました。表は南無阿弥陀仏と小さな字で横にも縦にも小さすぎる字できれいに書いてあります。飾っています。ご利益あれば嬉しいです。
 
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