花山の思い11番札所(たのもしきかな)

 おかげさまで三笠書房の『般若心経 心の大そうじ』の第二弾『実践版 般若心経 こだわらない生き方』もボツボツ書店に並んでいる様子。いくらかでもお役にたてば幸いです。

 さて、西国11番札所は、上醍醐(かみだいご)。醍醐(だいご)というのは仏教語。醍醐味なんかはもう日本語としても使われますね。

 醍醐味はどんな味かというと、「精製した乳酪」とありますから、バターやチーズの味のこと。ほう……。味の王様ですね。
 そこから、一番素晴らしいものという意味で、仏の教えのことを指します。

 さて、この醍醐寺の山の上にあるのか上醍醐。祭られている観音さまは准羝(じゅんてい。テイは月偏です)観音という聞き慣れぬ仏さま。ジュンテイはサンスクリット語の音写ですが、古来語源についてはたくさんありますが、一般的には「清浄」という意味のチュンデイだろうとされています。

 人間の三つの煩悩(むさぼり、いかり、おろかさ)を打ち砕き、特に驕慢(きょうまん)という「驕り高ぶり」を静める力が尋常でないとされています。

 さて、このお堂の前で花山法皇が詠んだご詠歌は……

  逆縁も 漏らさず救う 願(がん)なれば じゅんてい堂は 頼もしきかな

「逆縁」は普通は、親より子供が先に亡くなることをいいますが、
 仏教語では「仏の教えに背くこと」という意味で使われます。
 「別に観音さまなんて信じてないよ」ということも含まれます。
 このご詠歌で使われる逆縁も元々の仏教語の意味のほうです。

>>>信仰ある人はもちろんだが、そうでない人々さえしっかりと救ってくださる観音さま。なんと頼もしいことだろ。<<<――そういうことを花山法法皇は感じたわけです。

 私は三度お参りしていますが、毎回たどり着くのにクタクタ。同行の仲間もフーフー言って、呼吸の整えるまもなく勤行をするものですから、ご詠歌の意味をじっくり味わって唱えることは、まだまだ、難しいのが正直なところです。

 ちなみに、手元にある資料では「頼もしい」を「頼母しい」と書いてあります。
 母の頼もしさをこう書くんですね。昔の人はいい書き方をしますねぇ。

 さて、山城の国を後にして、次に向かう12番札所は近江(おうみ)の国の岩間寺(いわまでら)でございます。

西国霊場ホームページ⇒http://www.saikoku33.gr.jp/

   ☆    ☆    ☆    ☆    ☆

 法事やお葬式で、お清めのお酒をいただいている間に、やらねばならぬことが山積してしまった私・・・ぎゃはは。
 まずは、新潟のお坊さんが作った和讃の譜面制作と清書作業。
 そして、 来週からお参りにいく小豆島88カ所霊場のご詠歌、88首を譜面に合わせて文字を切り貼りする作業も同時スタート。4日間くらいはかかる量です。
 
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コメント
 
 
 
夜もすがら (ruri)
2009-09-29 10:41:57
大へん心に染み入りました。中学時代の友人が1ヶ月前に亡くなりました。友人知人がいない奥様に昨夜電話で話しました。聞いている内に、長い闘病生活の時に誰も助けてくれなかったとか、お葬式で誰それに言われた言葉にどんなに傷ついたかとか話し出しました。まったく知らない私に対しても不満の矛先をむけてきたので早々に電話を切りましたが、「夜もすがら」ではありませんが、表面の彼女の態度や言葉ではなく本当に大切な何かを見なくちゃと思いました。心の状態で人の親切もおせっかいになったり、もしかしたら見える姿も変わるのでしょうか?少し落ち込んでいます。「夜もすがら」を読んで心が和らぎました。
 
 
 
いくらかでも (和尚)
2009-09-29 12:04:53
ruriさん>彼女の本当の心を探してあげようとするruriさんの優しい気持ちが、他の場面でも周囲の人の心をも優しく包んでいきます。
彼女の気持ちを聞いてあげるだけでいいんですよ。「いいよ全部聞くよ」そんな気持ちでいればいい。相談された訳じゃないから。わははは。
 
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