風来庵風流記

縁側で、ひなたぼっこでもしながら、あれこれ心に映るよしなしごとを、そこはかとなく書き綴ります。

追悼:ミシェル・ルグラン

2019-02-02 00:51:20 | 日々の生活
 遅まきながら・・・フランスの作曲家ミシェル・ルグラン氏が亡くなったことに触れておきたい。享年86。
 同じフランスの作曲家で、つい11月に亡くなったばかりのフランシス・レイ氏(ブログにも書いた:https://blog.goo.ne.jp/mitakawind/d/20181110)の生まれは1932年4月で、三ヶ月と経たずに亡くなったミシェル・ルグラン氏の生まれは1932年2月と、フランス映画音楽界の双璧をなす巨匠が生まれたのも亡くなったのもそれぞれほんの2~3ヶ月の違いしかないとは、なんという偶然であろう。二人にどんな交流があったのか甚だ興味深い。
 私の世代にとっては・・・と言っても、多少、私はマセていたかも知れないが、中学生の頃、金はないから映画館に行くなんざあ夢のまた夢、テレビの水曜・金曜ロードショーあたりで放映される映画を観るのがせめてもの愉しみで、フランス映画が全盛だった。ミシェル・ルグラン氏は、『シェルブールの雨傘』(1964年)や『ロシュフォールの恋人たち』(1967年)や『愛と哀しみのボレロ』(1981年、これはフランシス・レイとの共作らしい)、それからアメリカ映画だけれども『華麗なる賭け』(1968年、私の大好きなスティーブ・マックイーン主演)や『おもいでの夏』(1971年)や『栄光のル・マン』(1971年、これもスティーブ・マックイーン主演)などの映画音楽を手掛けたことで知られる。
 ミシェル・ルグラン氏の映画音楽と言えば、アカデミー主題歌賞を受賞した『華麗なる賭け』と、『シェルブールの雨傘』が秀逸だ。『華麗なる賭け』は如何にもサスペンスっぽい、しかし哀愁を帯びたメロディが心に残るし、『シェルブールの雨傘』はシャンソン調の、なんとも言えないまったりとした感じが時代を感じさせて、とてもいい。何より『シェルブールの雨傘』のカトリーヌ・ドヌーヴは、まだ若くて愛らしかった。まだ、という意味は、つい最近、#Me Too運動でご発言される“貫録ある”御姿を久しぶりに拝見したからだが(苦笑)、当時の洟垂れ小僧にとっては、とてもこの世のものとは思えない、フランスのお人形さんのような神々しさがあった(当時の彼女は20~21歳)。もっとも今の私にとっては、もう少しお歳を召された、例えば『終電車』(1981年)の頃のエレガントな彼女(37歳)の方が好みなのだが・・・(笑)
 閑話休題。ジャズ・ピアニストでもある彼は親日家で、たびたび来日公演を行っていたらしいし、日本映画『ベルサイユのばら』の音楽を担当したり、CMに彼の音楽が使われたりしたらしい(気が付かなかった・・・)。ただの感傷でしかないのだが、若かりし頃に耳にした音楽はいつまでも記憶に残り、その作曲家が亡くなる歳になってしまったというのは、やはり感慨深いものがある。ご冥福をお祈りし、合掌。
コメント
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