ブルーシャムロック

此処はtomohiroのオリジナル小説サイトです。
小説主体ですので、小説に興味の無い
人は、退出下さい。

面馬家の野望/5

2008-12-10 22:31:58 | 逆襲の藤隆

東北連邦警察、秋田支部。
そこにこもって、クィベックは資料を物色していた
「なるほど・・・。出木杉を殺した犯人は時間を捩じ曲げたのかもしれない。」
と有力リストを見ながら考えていた。
「時間をですか。」
部下はきょとんとした顔をして、
クィベックを見た。
テレビでは、経済情報が映されていた。
社長にインタビューをするコーナーのようである。
そこには仲達こと仙三郎が映っていた。
「この男、面馬家の中でも、日本で根を下ろしているのか。」
といってモニターから目をそらした。
「そういえば警視は、この前関東に行かれていましたね」
部下を見て、クィベックは
「ああ。」
と言った。
この世界では東アジアは小国に分裂しており、今回の話の舞台である
臺灣・福建聯合、東北聯邦の他は、廣東共和國、九州聯邦、といった国が存在する。
関東とは言えども、日本列島の盟主・中心ではない。
その関東にあるある男が、出木杉一族のあり方や、そして出木杉英才を殺した男が
何を考えているかを語っていた。
関東に存在する國家、足柄聯邦、鎌倉市。
そこに、訳を知る男が居た。
「クィベックさん、初めまして。」
眼鏡を掛けた長身の男。
柔和そうだが、抜け目なさそうな感じだとクィベックは
感じた。
「東北から罷り越しましたクィベックです。出木杉一族はどんな一族だったのでしょうか。」
男に突如話題を切り出した。
「そうですねぇ。あの一族は、アジアの均衡を守るために歴史の流れに合わない人間を
処罰することすらあるのです、もう一つの面馬家よりは穏健でしたね。」
眼鏡の下から鋭い眼光が見えた。
「そういえば、クィベックさんは出木杉英才を殺した犯人がわかったようですが
私も分かります。しかし何も考えない男でした・・・。自らの壁だとしか思わなかったようですな。」
男は鎌倉山の自然を眺めた。
コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 面馬家の野望/4 | トップ | 面馬家の野望/6 »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

逆襲の藤隆」カテゴリの最新記事