私が、関東に来て、初めての夏だった。
私のRoommateのClassで一緒にいる沖縄出身の小禄という女性が
実家からバーベキューセットを送って貰ったらしく、
近所の公営の海浜公園に行くことになった。
小禄嬢は、当時鎌倉に住んでいたので、そこでも良かったはずだ。
でも、私の住んでいる三浦金沢市のそっちがいいと彼女が言ったと淡雪が言う。
「佳奈ちゃんもてるね。」
同じくRoommateの高槻久留美が私をからかいの目を見せた。
「ああ。」
私の気のない返事は、現実を何とか肯定したかったのだろう。
「なんでも、鎌倉からここら辺って道が混むのにね。」
淡雪は呆れていた。
「仕方がない、私に会いたいからだろう。」
後ろの座席に座っていた私は前の席2人を見回した。
神奈川県では定番のラジオ局が鳴っている。
「84.7fmなんとか、今日はご機嫌なNumberなんとか・・・。」
r&bともエレクトロニカともつかないヒットソングが流れていた。
「確かなんとか先輩が洋楽が好きで聞いていたな。」
高槻久留実の先輩である。
「佳奈ちゃんは、洋楽の關係は関東に来てから触れたんでしょ。」
私は黙って頷く。
みんな関東になれる下地を持っている人の中に、離島出身が投げ込まれた。
「それにしても佳奈ちゃんはいつも表情を変えずに暗い雰圍氣だよね。」
久留実は私の顔をのぞき込んだ。
「しかたない。親戚は大阪より東に出てこない中で私が初めて関東に出てきたからだよ。」
淡雪も久留美も分からないという顏をした。
「でも・・。」
淡雪は一瞬口籠もって・・・。
「私が関東は神奈川縣のここら辺を選んだのは、下町というアジールに籠もりたくないと
思ったから。下町はやたらと東北人には甘い。そこがいやでね。」
と顏が真剣になりつつ、私の質問に回答した。
「まあ、私も大阪・關西が奄美人のアジールになっているってお前さんの言葉を借りると
いいたい。だから、補欠でも合格したら關東で就職か何かをしたい。」
と自慢げに淡雪に答えた。
「佳奈ちゃんみたいな気負いをしている人間は石川の地元には居ない。
石川の人間は關東と關西に同じくらいの比率で出るけれども、自然な感じだよ。」
久留実は笑いを抑えられなかった。そのときの顏は今も忘れられない。
私はばつが悪くなって
「ああ、すまない・・・。」
と訂正する。
車は確実に海浜公園に向かっていた。
ここだったよなとみんなで駐車場を照らし合わしながら
私たちの乗ったrv車は泊まった。
黒っぽい色とガンメタを基調とした色の我々の其れの隣に
大きな商用バンに毛が生えたような車が止まっていた。
「これって小禄さんの車だ。」
淡雪が声を発した。
看板に
「バーベキュー会場はここ。」
とでかく表示されているのに私たちは向かっていく。
海上には私たちのような大学生ぐらいの年齢の若者が沢山来ている。
管理事務所が貸してくれた物を使っている人が多い中、一人だけ
流し台の親戚のような焼き網を見つけた。
「小禄さん?」
淡雪が声をかけた。
「ああ、みんなよく来たね。」
焼き網に肉や沖繩の食材を乗せていた女性が我々を見た。
「小禄さん、これを自慢したかったのか?」
小禄は少し考えつつ、
「まあ、佳奈ちゃんに言われると仕方がないかな。」
と苦笑した。
「小禄さん、私らも食材を持ち寄ったから。」
と、いって私のクラスメートである宇品さんから貰ったサーモンや烏賊を焼き始めた。
「東北や北陸って魚が多いよね。」
と、小禄はそう語りながらみんなを見た。
「宇品さんは北海道は札幌の人だ。母方が津軽だ。」
私は、小禄に平板な顏をして彼女から貰った、其れをバーベキューセットに乗せる
「それが、關東の醍醐味だ。」
小禄も平板な顏で答える。
「そうだろうな。こういう人たちと出会ったのが關東だと思う。それ故に
大阪に就職が決まりかけて居たときに、記念で今の大学を受けた。」
跡で、小禄に聞いたのだけれども私は嬉しそうだった。
「悪戦苦闘しながら、佳奈ちゃんは楽しんでいる。」
淡雪はclassmateにそう伝えた。
「そうなのかな。」
小禄は、みんなを見回しながら
「佳奈ちゃんはもしかしたら、將來關東では生活できないと思う。
大阪でもなくて鹿児島の本土でもなくて、彼女が生まれ育った加計呂麻島のシマか、
沖繩で生活するんじゃないかな。」
と言った。
高槻久留実は
「またまた、冗談を。彼女講義にはまじめに出ているし、バイトで学費を稼いで
あまり仕送りとか期待していないみたいだよ。關東で就職することができるかもしれないのに。」
と半分笑いながら、半分困惑していた。
小禄は、私、淡雪、久留実の顔を一様に見回して、
「今は、逃げてきただけかもしれない。」
と答えた。
言われた私は何も言い返すことができない。
「佳奈ちゃん、悔しくないのこんなことを言われて。」
淡雪が言う。
「私が、大阪でもなくて鹿児島の本土でもない關東を選んだのは逃げてきたのは確かだ。」
と、答えた。
その後、小禄の爆弾発言は淡雪と小禄の共通のクラスメートたちの間に触れ回り
共通の鹿児島の本土出身のクラスメートが
「鹿児島の本土でもないところが、すごいな。予言しちゃっても・・・。」
と言っていたことを跡で告げられた。
そして、私は小禄の予言がある程度あたり、加計呂麻島のシマおよび沖繩に
遠からず近からずにある徳之島の老舗旅館「加賀美屋」に就職してしまった。
ここの上司にあたる人などからはやけに買われていて、自らの後継者と目されている。
ポジションからしたら上司が襲名している、仲居頭かあるいは若女将という
感じなのが怖い。このまえ横濱から血迷った人間が女将になりたいとか、
沖縄本島の女将のポジションを狙った人間が追放されたのは
上司たちの意に染まない生き物どもであり、私を將來しょって立つ為に
自ら手を汚して、Railを引いている。大学生まで好き勝手をした人間が
運命に翻弄され、魔物に好まれているのもなにやら変だと思う。
それでも、生きるのだ。
fine
私のRoommateのClassで一緒にいる沖縄出身の小禄という女性が
実家からバーベキューセットを送って貰ったらしく、
近所の公営の海浜公園に行くことになった。
小禄嬢は、当時鎌倉に住んでいたので、そこでも良かったはずだ。
でも、私の住んでいる三浦金沢市のそっちがいいと彼女が言ったと淡雪が言う。
「佳奈ちゃんもてるね。」
同じくRoommateの高槻久留美が私をからかいの目を見せた。
「ああ。」
私の気のない返事は、現実を何とか肯定したかったのだろう。
「なんでも、鎌倉からここら辺って道が混むのにね。」
淡雪は呆れていた。
「仕方がない、私に会いたいからだろう。」
後ろの座席に座っていた私は前の席2人を見回した。
神奈川県では定番のラジオ局が鳴っている。
「84.7fmなんとか、今日はご機嫌なNumberなんとか・・・。」
r&bともエレクトロニカともつかないヒットソングが流れていた。
「確かなんとか先輩が洋楽が好きで聞いていたな。」
高槻久留実の先輩である。
「佳奈ちゃんは、洋楽の關係は関東に来てから触れたんでしょ。」
私は黙って頷く。
みんな関東になれる下地を持っている人の中に、離島出身が投げ込まれた。
「それにしても佳奈ちゃんはいつも表情を変えずに暗い雰圍氣だよね。」
久留実は私の顔をのぞき込んだ。
「しかたない。親戚は大阪より東に出てこない中で私が初めて関東に出てきたからだよ。」
淡雪も久留美も分からないという顏をした。
「でも・・。」
淡雪は一瞬口籠もって・・・。
「私が関東は神奈川縣のここら辺を選んだのは、下町というアジールに籠もりたくないと
思ったから。下町はやたらと東北人には甘い。そこがいやでね。」
と顏が真剣になりつつ、私の質問に回答した。
「まあ、私も大阪・關西が奄美人のアジールになっているってお前さんの言葉を借りると
いいたい。だから、補欠でも合格したら關東で就職か何かをしたい。」
と自慢げに淡雪に答えた。
「佳奈ちゃんみたいな気負いをしている人間は石川の地元には居ない。
石川の人間は關東と關西に同じくらいの比率で出るけれども、自然な感じだよ。」
久留実は笑いを抑えられなかった。そのときの顏は今も忘れられない。
私はばつが悪くなって
「ああ、すまない・・・。」
と訂正する。
車は確実に海浜公園に向かっていた。
ここだったよなとみんなで駐車場を照らし合わしながら
私たちの乗ったrv車は泊まった。
黒っぽい色とガンメタを基調とした色の我々の其れの隣に
大きな商用バンに毛が生えたような車が止まっていた。
「これって小禄さんの車だ。」
淡雪が声を発した。
看板に
「バーベキュー会場はここ。」
とでかく表示されているのに私たちは向かっていく。
海上には私たちのような大学生ぐらいの年齢の若者が沢山来ている。
管理事務所が貸してくれた物を使っている人が多い中、一人だけ
流し台の親戚のような焼き網を見つけた。
「小禄さん?」
淡雪が声をかけた。
「ああ、みんなよく来たね。」
焼き網に肉や沖繩の食材を乗せていた女性が我々を見た。
「小禄さん、これを自慢したかったのか?」
小禄は少し考えつつ、
「まあ、佳奈ちゃんに言われると仕方がないかな。」
と苦笑した。
「小禄さん、私らも食材を持ち寄ったから。」
と、いって私のクラスメートである宇品さんから貰ったサーモンや烏賊を焼き始めた。
「東北や北陸って魚が多いよね。」
と、小禄はそう語りながらみんなを見た。
「宇品さんは北海道は札幌の人だ。母方が津軽だ。」
私は、小禄に平板な顏をして彼女から貰った、其れをバーベキューセットに乗せる
「それが、關東の醍醐味だ。」
小禄も平板な顏で答える。
「そうだろうな。こういう人たちと出会ったのが關東だと思う。それ故に
大阪に就職が決まりかけて居たときに、記念で今の大学を受けた。」
跡で、小禄に聞いたのだけれども私は嬉しそうだった。
「悪戦苦闘しながら、佳奈ちゃんは楽しんでいる。」
淡雪はclassmateにそう伝えた。
「そうなのかな。」
小禄は、みんなを見回しながら
「佳奈ちゃんはもしかしたら、將來關東では生活できないと思う。
大阪でもなくて鹿児島の本土でもなくて、彼女が生まれ育った加計呂麻島のシマか、
沖繩で生活するんじゃないかな。」
と言った。
高槻久留実は
「またまた、冗談を。彼女講義にはまじめに出ているし、バイトで学費を稼いで
あまり仕送りとか期待していないみたいだよ。關東で就職することができるかもしれないのに。」
と半分笑いながら、半分困惑していた。
小禄は、私、淡雪、久留実の顔を一様に見回して、
「今は、逃げてきただけかもしれない。」
と答えた。
言われた私は何も言い返すことができない。
「佳奈ちゃん、悔しくないのこんなことを言われて。」
淡雪が言う。
「私が、大阪でもなくて鹿児島の本土でもない關東を選んだのは逃げてきたのは確かだ。」
と、答えた。
その後、小禄の爆弾発言は淡雪と小禄の共通のクラスメートたちの間に触れ回り
共通の鹿児島の本土出身のクラスメートが
「鹿児島の本土でもないところが、すごいな。予言しちゃっても・・・。」
と言っていたことを跡で告げられた。
そして、私は小禄の予言がある程度あたり、加計呂麻島のシマおよび沖繩に
遠からず近からずにある徳之島の老舗旅館「加賀美屋」に就職してしまった。
ここの上司にあたる人などからはやけに買われていて、自らの後継者と目されている。
ポジションからしたら上司が襲名している、仲居頭かあるいは若女将という
感じなのが怖い。このまえ横濱から血迷った人間が女将になりたいとか、
沖縄本島の女将のポジションを狙った人間が追放されたのは
上司たちの意に染まない生き物どもであり、私を將來しょって立つ為に
自ら手を汚して、Railを引いている。大学生まで好き勝手をした人間が
運命に翻弄され、魔物に好まれているのもなにやら変だと思う。
それでも、生きるのだ。
fine
