ブルーシャムロック

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ぷりぷり市物語_2

2010-08-23 21:03:48 | 逆襲の藤隆
「海老名さん、この写本を出版したいと思っているんですよ。」
甘井サンは私に小さな声で問いかけた。
「はぁ。いいんですか?」
私は一瞬怖くなった。
「私は、フリーライターとして民俗学や各地の古い習俗を調べてきた
から解るんですけれども、こういう秘伝書は、出版してはいけないと
おもうのですが。」
私はなおも続けた。
甘井サンは
「写本だから、秘伝書の文章をそのまま出すわけじゃないですよ。あくまでも
異本として、出版した方がいいと思っています。」
ときっぱり話した。
「異本ですか・・・。この模型秘伝帳の写本が出版されたのはいつ頃になります?」
歴史に詳しくない自分は、甘井サンに聞いてみた。
「ええとですね・・・。当時の著名人で言えば佐竹署山とか、杉田玄白とか・・。」
なんとなく自分でも解る・・。著明な蘭学者だな・・。
「そういった時代に何故、模型秘伝帳は写本されたんです。」
私は甘井サンに問い続けた。
「今上げた蘭学の徒に但馬守はしきりに接触して、蘭学のノウハウを吸収する一方
伝統的な技術が枯渇するのではないかとおそれを抱いたから、祐筆の日下部に模型秘伝帳

写本させたらしいのです。くだんの模型秘伝帳の一族は近江に根城を張っていたとか・・
。」
甘井サンは資料を見せ続けた。
つづく








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