保健福祉の現場から

感じるままに

コロナ対策検証

2023年11月28日 | Weblog
R5.11.28Web医事新報「【識者の眼】「新型コロナとの闘い⑧─冷静に議論をするために」田中雄二郎」(https://www.jmedj.co.jp/journal/paper/detail.php?id=23178)の「パンデミック当初、PCR検査が追いつかなかったことも問題だが、(事前確率が低い場合)検査をしても偽陰性が多くなり、社会が混乱する─という反対論も目立った。現場にいる人間としては、臨床経過を見つつ再検査をすればよいことなのだが……と思った。しかし、反対論者は「ベイズの定理を理解しない素人は困る」くらいの勢いで反論を許さない。2020年6月、思いあまってメディアでPCR検査処理数を1日10万件に増やすように訴えた。」に目が止まった。新型インフルエンザ等対策推進会議(https://www.cas.go.jp/jp/seisaku/ful/taisakusuisin.html)のR5.9.4資料(https://www.cas.go.jp/jp/seisaku/ful/taisakusuisin/dai1_2023/gijisidai_1.pdf)では、「新型コロナウイルス感染症対応に関する有識者会議」(https://www.cas.go.jp/jp/seisaku/coronavirus_yushiki/index.html)のR4.6.15「新型コロナウイルス感染症へのこれまでの取組を踏まえた次の感染症危機に向けた中長期的な課題について」(https://www.cas.go.jp/jp/seisaku/coronavirus_yushiki/pdf/corona_kadai.pdf)に続き、第8波までの経緯がまとめられているが、例えば、R5.7.21President「「PCR検査体制の強化」はコロナ禍前に提言されていた…日本が「過去のパンデミックの経験」を活かせない原因 次なる感染症の脅威がいつ訪れるかはわからない」(https://president.jp/articles/-/71278)の「日本政府は12年、新型インフルエンザ等対策有識者会議(尾身茂会長)を設置して課題を分析し、将来、襲来する感染症に備えるための対策を練った。しかし、今回の新型コロナウイルス対策には、ほとんど生かされなかった。」(https://president.jp/articles/-/71278?page=3)は検証されないのであろうか。例えば、R2.3.30朝日「タレントの志村けんさん死去 70歳 コロナ感染で入院」(https://www.asahi.com/articles/ASN3Z3D71N3TUCLV004.html) の「17日に倦怠感をおぼえ、自宅で静養。19日から発熱や呼吸困難の症状があり、20日に都内の病院に搬送され、重度の肺炎との診察を受けて入院した。」、R2.4.23FNN「岡江久美子さん(63)肺炎で死去 新型コロナに感染 「悔しくて悔しくて」夫・娘・芸能界から悼む声」(https://www.fnn.jp/articles/-/35680)の「4月3日に発熱。自宅で療養していたが、6日の朝に容体が急変し、都内の大学病院に緊急入院した。すぐにICUで人工呼吸器を装着。その後、PCR検査を行い陽性と判明したという。」をみると、R2.2.17「新型コロナウイルス感染症についての相談・受診の目安」(https://www.mhlw.go.jp/content/10900000/000596978.pdf)による「受診の遅れ」が否定できないであろう。R2.4.30Business Journal「加藤厚労相“PCR検査4日自宅待機ルールは保健所と国民の誤解”発言…現場から怒りの声」(https://biz-journal.jp/2020/04/post_154931.html)が報じられていたが、日本感染症学会(https://www.kansensho.or.jp/)と日本環境感染学会(http://www.kankyokansen.org/)の連名発出のR2.4.2「新型コロナウイルス感染症に対する臨床対応の考え方―医療現場の混乱を回避し、重症例を救命するためにー」(https://www.kansensho.or.jp/uploads/files/topics/2019ncov/covid19_rinsho_200402.pdf)(http://www.kankyokansen.org/uploads/uploads/files/jsipc/covid19_rinshotaio.pdf)p1「PCR検査の原則適応は、「入院治療の必要な肺炎患者で、ウイルス性肺炎を強く疑う症例」とする。軽症例には基本的にPCR検査を推奨しない。時間の経過とともに重症化傾向がみられた場合にはPCR法の実施も考慮する。」と当初、学会は徹底的な検査抑制方針であった。コロナ流行の当初、検査体制の確立が大きな課題であった。例えば、R2.5.8日刊ゲンダイ「日本が開発「全自動PCR検査システム」なぜ導入されず?」(https://www.nikkan-gendai.com/articles/image/life/272862/143943)が報じれられていたように、当初から検査体制を構築する政策意欲に欠けていたであろう。そもそもPCR検査機器はノロウイルス検査やベロ毒素検査などで全国的に普及していたが、コロナ検査で十分活用されなかったであろう。その後も、我が国では、新型コロナウイルス感染症対策アドバイザリーボード(https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000121431_00424.html)のR4.8.2「限りある医療資源を有効活⽤するための医療機関受診及び救急⾞利⽤に関する4学会声明 〜新型コロナウイルスにかかったかも︖と思った時にどうすればよいのか〜」(https://www.mhlw.go.jp/content/10900000/000972886.pdf)p1「症状が軽い場合は,65歳未満で基礎疾患や妊娠がなければ,あわてて検査や受診をする必要はありません.」と受診抑制が徹底して要請されてきた。R5.10.26Web医事新報「【識者の眼】「新型コロナとの闘い⑦─社会の応援と変貌」田中雄二郎」(https://www.jmedj.co.jp/journal/paper/detail.php?id=22995)の「「1年間何をしていたのか」をはじめとする社会からの怒りをぶつけられた」は印象的かもしれない。例えば、R5.7.31神奈川県「新型コロナウイルス感染症神奈川県対応記録(保健医療編)」(https://www.pref.kanagawa.jp/docs/ga4/covid19/archive/records.html)に関して、R5.8.15東京新聞「<新型コロナ>神奈川県、政策検証の報告書 自己評価の甘さが露呈 死亡原因の記述わずか」(https://www.tokyo-np.co.jp/article/270196)で「県内でも相次いだ自宅・宿泊施設療養者の死亡に関し、原因や再発防止策の記述はわずか。」「外来診療を受けられない患者が続出したことなど、取り上げられていない問題も多い。」と批判されている。もっと早く、「悪化・重症化してからの入院治療」から「早期にかかりつけ医療機関(施設の併設・嘱託・協力医療機関、在宅医療機関含む)での軽症からの外来治療(往診含む)・全身管理、必要時医療連携」に抜本的に転換されなければならなかったであろう。中医協(https://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/shingi-chuo_128154.html)のR5.7.26資料2「感染症について(その1)」(https://www.mhlw.go.jp/content/12404000/001125269.pdf)p17「病床のひっ迫を回避するためには、早期受診と重症化防止が重要」は本当に“ようやく”の感がある。ところで、介護給付費分科会(https://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/shingi-hosho_126698.html)のR5.11.27「感染症への対応力強化(改定の方向性)」(https://www.mhlw.go.jp/content/12300000/001171210.pdf)p22「急性期一般入院料を届け出ている医療機関のうち感染対策向上加算1又は2の届出医療機関では、多くの施設が高齢者施設に対して院内感染等の助言を行っていた。」は確かに重要であるが、施設の嘱託・協力医療機関の役割も非常に重要と感じる。R5.2.2Web医事新報「【識者の眼】「施設の感染症対策はこれから」関なおみ」(https://www.jmedj.co.jp/journal/paper/detail.php?id=21309)の「施設医や嘱託医が機能しておらず、往診や検査の相談に応じてもらえない、陽性者は全員入院といった指示しか出さない、という悩み」は当初から続いていたであろう。
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