保健福祉の現場から

感じるままに

コロナ対応の分岐点

2021年07月27日 | Weblog
R3.7.27朝日新聞「宣言はデルタ株に打ち勝てるのか 今週見える「優劣」」(https://www.asahi.com/articles/ASP7V5F6MP7VUTIL02S.html)。<以下一部引用>
<東京都内で今週、新型コロナウイルスの感染者数がどこまで増えるのかが焦点となっている。緊急事態宣言の発出から2週間が経ち、宣言による感染防止の効果が本格化する時期に差しかかるためだ。宣言後は都内の繁華街での人出は減っているが、感染力の強い変異株(デルタ株)の脅威を上回るほどの効果があったのか。その「優劣」に都庁関係者は気をもんでいる。「いま見ていただいている数字は2週間前の話。この時差のことも改めて確認をしていただきたい」 小池百合子知事は21日にあった都のモニタリング会議後、記者団に強調した。「2週間前の数字」というのは、小池知事があらゆる場面で用いてきた言葉だ。新型コロナは、潜伏期間や検査に至るまでの日程を踏まえ、感染してから陽性者としてカウントされるまで、長くて2週間ほどかかると言われている。21日に都内で確認された感染者数は1832人に上ったが、この人数は2週間ほど前の感染状況を表しているとされている。政府による緊急事態宣言発出から、2週間が経った時期にあたるのが今週だ。>

R3.7.26NHK「新型コロナ 4連休 医師往診に4000件超の相談殺到」(https://www3.nhk.or.jp/news/html/20210726/k10013160981000.html?utm_int=all_side_ranking-social_005)。<以下引用>
<新型コロナウイルスの感染が拡大する中、夜間や休日に医師の往診を行っている民間の会社には、この4連休中発熱した患者などからの依頼が殺到し、4000件以上の相談が寄せられたことがわかりました。首都圏を中心に複数の医療機関と連携して夜間や休日に医師の往診を行っている会社では電話などで依頼を受けると登録している医師が患者の自宅を訪れて診察や薬の処方を行い、新型コロナへの感染が疑われる場合は、PCR検査も実施します。会社によりますと、今月22日から25日までの4連休中発熱した患者などから寄せられた往診の相談は、全国で4000件以上、首都圏の1都3県だけでもおよそ2500件に上るということです。1日当たりの件数は、第3波の年末年始や第4波の5月の大型連休を上回っていて、電話による問診で往診が必要と判断した患者に医師が手分けして診察にあたったということです。また、PCR検査を行った首都圏の患者のウイルスを調べたところ、インドで確認された変異ウイルス「デルタ株」の割合は、先月27日までの1週間は19%でしたが、今月4日までは24%、今月11日までは33%、今月18日までの1週間では55%と半数を超え、急速に置き換わりが進んでいるということです。この会社を立ち上げ、自身で往診も行っている医師の菊池亮さんは、最近の感染者の傾向について40代から50代の患者が重症化するケースが目立っているほか、会食などの明らかなリスク行動をとっていないのに感染するケースが複数確認されデルタ株の感染力の強さを感じていると話しました。菊池医師は、往診の相談が殺到したことについて「感染者が増加しているのに加えこうした感染状況に対する不安感から微熱の症状でも相談するケースが増えているのではないか」と分析したうえで「オリンピックも始まって気の緩みやすい時期ですが、感染者の増加傾向は今後も続いていくとみられます。感染対策を改めて徹底するようお願いしたい」と話していました。自宅療養者の診療も この会社では、東京都の委託を受けて新型コロナウイルスに感染した自宅療養者の診療も行っています。東京オリンピックの開会式が開かれた23日の夜には、自宅療養を続けている都内の50代の夫婦の自宅を訪れました。この5日前に夫が発症し、翌日、妻も発症して感染が確認されたということで、医師は到着すると防護服に着替えてから部屋に入りました。そして、血液中の酸素の状態をみる「パルスオキシメーター」の値や肺の状態を診た結果、発熱は続いていたものの、肺炎の可能性は低いと判断し、経過観察としたということです。>

R3.7.28NHK「中等症も高度治療必要な患者増加 医療のひっ迫に危機感」(https://www3.nhk.or.jp/news/html/20210728/k10013164321000.html)。<以下引用>
<東京都では、新型コロナウイルスの1日の新規感染者数が27日、過去最多となりましたが、都内の病院で治療に当たる医師は中等症とされている患者でも高度な治療が必要な人が増えているとして、医療のひっ迫に危機感を募らせています。厚生労働省の専門家会合のメンバーで、東京都立駒込病院で治療に当たる今村顕史感染症科部長によりますと、現在、中等症の患者の中で「ネーザルハイフロー」と呼ばれる鼻から高濃度の酸素を大量に投与する治療が必要な人が増えているということです。この治療は人工呼吸器ではないため、東京都の基準では重症には含まれませんが、症状が重い患者が対象で、周囲への感染対策を徹底したなかで治療を行う必要があることなどから、医療スタッフの負担は大きいということです。都内では27日時点で重症患者の数は82人でしたが、今村部長によりますと、この治療を受けている患者は先週の段階で合わせて91人に上ったということです。今村部長は「重症患者とされていなくても、非常に重い肺炎の人が多くいる。今後、さらに毎日2000人、3000人の新規感染者数が続くと入院患者が積み上がり医療提供体制が圧迫される。デルタ株が広がっていることで感染がすぐには収まらない可能性もあり、ここを乗り越えることができるかどうか、重要な局面になっている」と話しています。>

R3.7.28NHK「政府 40代・50代のワクチン接種積極的進め感染拡大防止を」(https://www3.nhk.or.jp/news/html/20210728/k10013164261000.html)。<以下引用>
<東京都では27日、過去最多の新型コロナウイルスの感染者が確認されました。政府は40代や50代など感染が増えている世代へのワクチン接種を積極的に進めるとともに、先に承認された治療薬も活用するなどして、医療のひっ迫やさらなる感染拡大を防ぎたい考えです。新型コロナウイルス対策で緊急事態宣言が出されている東京都では27日、過去最多となる2848人の新型コロナウイルスの新規感染者が確認されました。こうした中、菅総理大臣は総理大臣官邸で関係閣僚とおよそ1時間半、対応を協議したあと、記者団に対し「デルタ株の割合も急速に増加しており、まずは4連休の人の流れも含めて分析をしていく。各自治体と連携しながら、強い警戒感をもって、感染防止にあたっていく」と述べました。政府は、入院患者が増えている40代や50代など感染が増えている世代へのワクチン接種を積極的に進めるとともに、先に承認された治療薬も活用して重症化を防ぎ、医療提供体制への負荷を軽減したいとしています。そして、感染力の強い変異ウイルスが急速に広がっていることを踏まえ、東京オリンピックは自宅でテレビで観戦するよう求めるなど、不要不急の外出の自粛を改めて呼びかけて人の流れを抑制するほか、自治体と連携して飲食店の見回りを行うなど、対策の徹底を図ることで、さらなる感染拡大を防ぎたい考えです。>

R3.7.27Web医事新報「新型コロナ感染症に対する抗体カクテル療法が特例承認:「重症化リスク因子」を有する軽症・中等症患者に使用できる初の治療薬【Breakthrough 医薬品研究開発の舞台裏】」(https://www.jmedj.co.jp/journal/paper/detail.php?id=17692)。

緊急事態宣言地域(https://corona.go.jp/emergency/)における新規COVID死亡者数とともに、「療養状況等及び入院患者受入病床数等に関する調査」(https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/newpage_00023.html)、「都道府県の医療提供体制等の状況(医療提供体制・監視体制・感染の状況)について(6指標)」(https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/newpage_00035.html)、日本集中治療医学会(https://www.jsicm.org/covid-19.html)の「COVID-19 重症患者状況」(https://crisis.ecmonet.jp/)の都道府県別「人工呼吸器装着数、ECMO装着数」による総合的な医療提供体制評価の行方が気になる。R3.7.6東スポ「三浦瑠麗氏がワクチン接種後の“世界”に言及「陽性者数より重症者数を基軸に報じるべき」」(https://www.tokyo-sports.co.jp/entame/news/3385215/)に賛同する方が少なくないかもしれない。国際比較は札幌医大 フロンティア研 ゲノム医科学HP(https://web.sapmed.ac.jp/canmol/coronavirus/)やJohns Hopkins University.のMaps & Trends(https://coronavirus.jhu.edu/data)のマップ(https://coronavirus.jhu.edu/map.html)がわかりやすく、「ワクチン接種率と人口あたりの新型コロナウイルス新規感染者数の推移」(https://www.youtube.com/watch?v=mPp_2coNxU8&list=TLGG-5fOrEKUoIMxNTA2MjAyMQ)をみると、ワクチン接種率が高くなるほど、陽性者数が改善するという簡単な話ではないことがわかる。しかし、Johns Hopkins University.のMaps & Trends(https://coronavirus.jhu.edu/data)のマップ(https://coronavirus.jhu.edu/map.html)の英国、スペイン、オランダ、ポルトガルなどでは陽性者数が急増しているものの、死亡者数はそれほど増えていない。日本も同様である。ところで、Pharmaceutical Intervention(医薬品による)は、新型コロナワクチン(https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/vaccine_00184.html)(https://www.kantei.go.jp/jp/headline/kansensho/vaccine.html)(https://www.pc-covid19.jp/article.php?ckbn=8)が中心になっているが、早期治療は位置づけられないであろうか。R3.7.19「新型コロナウイルス治療薬の特例承認について」(https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_19940.html)(https://www.mhlw.go.jp/content/11123000/000807746.pdf)が出ていた「カシリビマブ・イムデビマブ(ロナプリーブ点滴静注®)」(https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_19940.html)(https://www.mhlw.go.jp/content/11123000/000807746.pdf)(https://www.mhlw.go.jp/content/000808613.pdf)はR3.7.20「新型コロナウイルス感染症における中和抗体薬「カシリビマブ及びイムデビマブ」の医療機関への配分について(依頼)」(https://www.mhlw.go.jp/content/000808613.pdf)p2「本剤は、現状、安定的な供給が難しいことから、当面の間、これらの患者のうち、重症化リスクのある者として入院治療を要する者を投与対象者として配分を行うこと」とあり、かなり限定的である。R3.7.26塩野義「新型コロナウイルス感染症(COVID-19)治療薬S-217622の臨床試験開始について‐経口抗ウイルス薬の国内第1相臨床試験開始‐」(https://www.shionogi.com/jp/ja/news/2021/07/210726.html)、R3.4.21NHK「継続審議中の新型コロナ治療薬「アビガン」新たな治験開始」(https://www3.nhk.or.jp/news/html/20210421/k10012987541000.html)、R3.7.1読売新聞「コロナ患者に「イベルメクチン」治験開始へ…ノーベル賞の大村氏が開発貢献」(https://www.yomiuri.co.jp/medical/20210701-OYT1T50207/)、R3.7.6毎日新聞「コロナ新薬、国内治験 海外2社の経口薬で開始」(https://mainichi.jp/articles/20210706/ddm/012/040/081000c)は第5波に間に合わない。R3.7.16「新型コロナウイルス感染症治療薬の治験に係る被験者募集の情報提供の取扱いについて」(https://www.mhlw.go.jp/content/000807637.pdf)では「特に、軽症かつ発症早期の患者を対象とする治験においては、PCR検査を実施する地域外来・検査センター等、発症早期又は発症前の段階で患者が訪れる場所においても、被験者の募集を効率的に行えることが有用であると考えられます。」とされているが、R3.4.13Web医事新報「内科学会「新型コロナ特別シンポ」詳報:治療薬・ワクチン巡り議論、臨床現場での「アビガン」使用に批判も【Breakthrough 医薬品研究開発の舞台裏〈特別編〉】」(https://www.jmedj.co.jp/journal/paper/detail.php?id=16972)で紹介される「国立国際医療研究センターCOVID-19治療フローチャート」がバックに控えていれば、宿泊療養・自宅療養における「ファビピラビル(アビガン®)」(https://brand.fujifilm.com/covid19/jp/avigan.html)、「イベルメクチン(ストロメクトール®)」(http://www.interq.or.jp/ox/dwm/se/se64/se6429008.html)の軽症者(自宅療養、宿泊療養)での国内治験を進めるチャンスはいくらでもあったはずである。R3.5.13衆議院「国民の命を救うための新型コロナウイルス感染症治療薬の政府主導による治験等に関する質問主意書」(https://www.shugiin.go.jp/internet/itdb_shitsumon_pdf_s.nsf/html/shitsumon/pdfS/a204133.pdf/$File/a204133.pdf)のR3.5.25答弁書(https://www.shugiin.go.jp/internet/itdb_shitsumon_pdf_t.nsf/html/shitsumon/pdfT/b204133.pdf/$File/b204133.pdf)p1「「自宅療養やホテル療養となっている患者」に対し、医師の判断により投与が行われることがあり得ると承知」ならば、R3.4.27厚労省「新型コロナウイルス感染症に対するアビガン(一般名:ファビピラビル)に係る観察研究の概要及び同研究に使用するための医薬品の提供について」(https://www.mhlw.go.jp/content/000773801.pdf)p2「自宅療養及び療養施設での投薬はできない」を至急訂正すべきである。また、R3.3.9東京都医師会定例会見(https://www.tokyo.med.or.jp/press_conference/tmapc20210309)でR3.3.9東京都医師会「新型コロナの重症化を抑えるイベルメクチンの有用性」(https://www.tokyo.med.or.jp/wp-content/uploads/press_conference/application/pdf/20210309-5.pdf)が出され、R3.6.16JBpress「標準治療にならないアビガンとイベルメクチン、判断は妥当な理由」(https://jbpress.ismedia.jp/articles/-/65662)でも「イベルメクチンを試してみる価値はある」とあり、R3.5.27デイリー新潮「「イベルメクチン」治験でも日本は後進国か ノーベル賞・大村教授が講演で有効性を解説」(https://www.dailyshincho.jp/article/2021/05260556/?all=1)の「手持ちのイベルメクチンはもう使い切り、問屋に問い合わせても『出荷調整中』と言われ、手に入りません」(https://www.dailyshincho.jp/article/2021/05260556/?all=1&page=2)のような状況を改善すべきであろう。R3.7.9東洋経済「「五輪はOK」「フェスNG」の矛盾が巻き起こす波紋 茨城県医師会の「中止要請」は妥当か不当か」(https://toyokeizai.net/articles/-/439983)の「たとえば、「そろそろ重視する指標を感染者数ではなく重症者数と病床使用率に切り替えて、コロナとつき合っていく形に変えられないか」「軽症者や無症状者への対応を変えて医療従事者の負担を軽減できないか」「イベントでは新たにこういう形の感染対策をしてはどうか」などと提案する。あるいは、「ファンのみなさんとフェスを開催できる方法を一緒に考え、共有することで実現にこぎつけよう」などとポジティブな一体感を生み出して対抗していくことも1つの方法でしょう。」(https://toyokeizai.net/articles/-/439983?page=5)をみると、そろそろコロナ対応の分岐点に差し掛かっている感じがしないでもない。
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