保健福祉の現場から

感じるままに

ブレイクスルークラスター対策

2021年11月29日 | Weblog
R3.11.26「新型コロナワクチンの追加接種の接種間隔に係る例外的取扱いについて」(https://www.mhlw.go.jp/content/000859077.pdf)では「医療機関等(医療機関、高齢者施設等)においてクラスターが発生した場合」に限定され、R3.11.26「例外的な取扱として接種券が届いていない追加接種対象者に対して新型コロナワクチン追加接種を実施する際の事務運用について」(https://www.mhlw.go.jp/content/000859245.pdf)を踏まえて行われることになる。「データからわかる-新型コロナウイルス感染症情報-」(https://covid19.mhlw.go.jp/)の基本統計に掲載される「集団感染等発生状況」での福祉施設、医療機関はブレイクスルークラスターなのかもしれない。R3.11.25「障害者支援施設等入所者等及び従事者への新型コロナウイルス感染症に係る予防接種(追加接種)について」(https://www.mhlw.go.jp/content/000858540.pdf)の「追加接種にあたっては、障害者支援施設等の従事者が勤務先施設等で住所地外接種を受ける場合は、適宜施設所在市町村と施設とで調整した上で、市町村への住所地外接種届は要しないこととしても差し支えないこと。」は高齢者福祉施設、児童福祉施設、医療機関も同様であろう。但し、R3.11.25AFP「コロナワクチン、感染予防効果は40% WHOが警告」(https://www.afpbb.com/articles/-/3377533)が出ており、やはり、治療薬の進歩に期待したい方が少なくないかもしれない。R3.11.24「新型コロナウイルス感染症における中和抗体薬の医療機関への配分について(疑義応答集の修正)」(https://www.mhlw.go.jp/content/000836895.pdf)p18「本剤とSARS-CoV-2に対するワクチンとの相互作用に関するデータは得られていません。ワクチン接種者における本剤の適用に当たっては、本剤投与のリスクベネフィットを慎重に検討してください。」はエビデンスを踏まえた見解が速めに示されるべきである。R3.11.10日本感染症学会「COVID-19に対する薬物治療の考え方第10.1報」(https://www.kansensho.or.jp/uploads/files/topics/2019ncov/covid19_drug_211110.pdf)p10「SARS-CoV-2の既感染やワクチン接種等により自己の抗体を有すると考えられる患者では中和抗体薬の必要性、有効性が低くなる可能性があると考えられるが、現時点ではその臨床的意義は必ずしも明らかではなく、国内で使用可能な抗体検査薬は承認されていないため、今後の知見が待たれる。」とあるではないか。R3.11.24「新型コロナウイルス感染症における中和抗体薬の医療機関への配分について(疑義応答集の修正)」(https://www.mhlw.go.jp/content/000836895.pdf)p7「発症抑制に用いる場合にあっては、点滴静注又は皮下注射による投与を検討してください。」とあり、予防投薬では皮下注射が選択されるかもしれないが、R3.10.13毎日新聞「抗体カクテル療法「1回31万円で50万回分調達」 菅前首相が発言」(https://mainichi.jp/articles/20211013/k00/00m/010/213000c)・R3.10.14朝日新聞「抗体カクテル「1回31万円で50万回分調達」 菅前首相明かす」(https://www.asahi.com/articles/ASPBG4VZVPBGULBJ00C.html?iref=com_apitop)とあり、1回31万円の薬剤を安易に予防投与するわけにはいかないかもしれない。ブレイクスルークラスター対策として、R2.11.17「新型コロナウイルス感染症に関する国内外の研究開発動向について」(https://www.kantei.go.jp/jp/singi/kenkouiryou/tyousakai/dai25/siryou3.pdf)p22「アジア地域における臨床研究・治験ネットワークの構築」の一環で、「ファビピラビル(アビガン®)」(https://brand.fujifilm.com/covid19/jp/avigan.html)(https://www.info.pmda.go.jp/go/pack/625004XF1022_2_02/)(https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%95%E3%82%A1%E3%83%93%E3%83%94%E3%83%A9%E3%83%93%E3%83%AB)や「イベルメクチン(ストロメクトール®)」(https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A4%E3%83%99%E3%83%AB%E3%83%A1%E3%82%AF%E3%83%81%E3%83%B3)の予防投薬の治験はできないのであろうか。そういえば、R3.11.13日経「アビガンのコロナ転用「治験で有意性なし」 カナダ社」(https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUC12DMW0S1A111C2000000/)が出ているが、R3.11.10日本感染症学会「COVID-19に対する薬物治療の考え方第10.1報」(https://www.kansensho.or.jp/uploads/files/topics/2019ncov/covid19_drug_211110.pdf)p5「ファビピラビル 海外での臨床報告:ロシアで行われたRCTでは、ファビピラビル投与群では投与5日目でウイルス消失率が62.5%でありプラセボ群と比較して有意差がみられた。また平熱になるまでの期間もファビピラビル群の方が早かった(中央値2日vs 4日)。インドで行われたRCTでは、主要評価項目であるPCR陰性化までの期間の中央値がファビピラビル投与群で5日、標準治療群で7日だった(P = 0.129)。また副次評価項目である臨床的軽快までの期間の中央値が前者で3日、後者で5日だった(P = 0.030)。中国からロピナビル/リトナビル群45人と比較してファビピラビル投与群35人ではウイルス消失時間が短縮され、画像所見の改善も早かったという非ランダム化比較試験が報告されている。」とある。R3.9.8Web医事新報「[緊急寄稿]COVID-19における薬剤治験のあり方─移植感染症学の視点からみたCOVID-19[第3章]高橋公太 (新潟大学名誉教授,日本臨床腎移植学会元理事長,高橋記念医学研究所所長)」(https://www.jmedj.co.jp/journal/paper/detail.php?id=17992)の「当局の体質として,海外メーカーの高価な薬剤に対しての審査には甘く,逆に安価な国産品のファビピラビルやイベルメクチンの治験審査のあり方に厳しいと捉えられても仕方があるまい」ではいけない。ところで、R3.11.10日本感染症学会「COVID-19に対する薬物治療の考え方第10.1報」(https://www.kansensho.or.jp/uploads/files/topics/2019ncov/covid19_drug_211110.pdf)p2「原則として、無症状病原体保有者では薬物治療は推奨しない。」について、R3.11.2「新型コロナウイルス感染症( COVID 19 )診療の手引き・第6.0版」(https://www.mhlw.go.jp/content/000851077.pdf)p35「病状が進行しているにもかかわらず,呼吸苦低感受性の症例(silent hypoxia)がある」を踏まえると聞き取りだけで「薬物治療不要」と判断するのはリスクが伴う。R3.11.2「新型コロナウイルス感染症( COVID 19 )診療の手引き・第6.0版」(https://www.mhlw.go.jp/content/000851077.pdf)p34「肺炎の有無を把握するために,院内感染対策を行い,可能な範囲で胸部CTを撮影することが 望ましい.」、p45「発症日から7日前後で悪化することが多いため綿密なフォローが必要」を踏まえる必要がある。R3.9.7NHK「“第5波”若い世代の死者増加 東京 8月は最も高い割合に…」(https://www3.nhk.or.jp/news/html/20210907/k10013247861000.html)、R3.9.24朝日新聞「「首都圏は議論しているうちに死者増加」 コロナ自宅死、なぜ地域差」(https://www.asahi.com/articles/ASP9S664DP9SULEI002.html?iref=com_apitop)が起こった原因に「治療の遅れ」はないのであろうか。R3.9.23AERA「自宅放置死250人は「人災」 英米のコロナ対策を知る日本人医師が指弾」(https://dot.asahi.com/wa/2021092200010.html)の「酸素ステーションの設置も、後手の対策を象徴している。」(https://dot.asahi.com/wa/2021092200010.html?page=1)の指摘を重く受け止めたい。酸素が必要になってからでは抗体カクテルの適応はない。健康診断を受けていなければ、重症化要因である糖尿病や高血圧等を自覚していない場合が少なくないであろう。
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