保健福祉の現場から

感じるままに

クラスターの多様化

2021年04月30日 | Weblog
R3.4.29朝日新聞「学校や職場でも次々 クラスターの発生場所が多様化」(https://www.asahi.com/articles/ASP4X6GBDP4XULBJ00K.html?iref=com_apitop)。<以下引用>
<新型コロナウイルスのクラスター(感染者集団)が発生する場面が多様化している。これまでは医療機関や飲食店などに集中していたが、学校や職場での発生も目立つようになった。厚生労働省の専門家組織は、対策の徹底を呼びかけている。5人以上の感染者を確認したクラスターを月別に集計した専門家組織の資料によると、「第3波」だった今年1月のクラスターは全体で961件。このうち、医療機関、高齢者福祉施設、飲食店で60%を占めた。この3施設は昨年から多くのクラスターが発生。一方、学校・教育施設、職場、スポーツ関連は全体の21%だった。だがその後、発生する場面が多様化。4月は計463件のクラスターが発生し、学校・教育施設、職場、スポーツ関連が全体の37%を占めるようになった。逆に医療機関と高齢者福祉施設、飲食店の割合は38%になった。クラスターの発生場所が多様化した理由ははっきりしないが、行動が活発な20、30代の感染が全国的に広がっているという事情がある。専門家組織は「クラスターの発生しやすい場での対策を徹底するとともに、『人流』や都道府県を越える移動を抑制して幅広く接触を削減する対策が求められている」としている。>

R3.4.30朝日新聞「滝沢の高齢者施設でクラスター 感染者数は過去2番目」(https://www.asahi.com/articles/ASP4Y6SV7P4YULUC001.html?iref=com_apitop)。<以下引用>
<岩手県と盛岡市は29日、新たに34人が新型コロナウイルスに感染したと発表した。1日あたりの新規感染者数では、過去最多となった昨年12月12日発表の43人に次ぐ規模となった。34人のうち26人は滝沢市の高齢者施設の職員や入所者で、県はクラスター(感染者集団)が発生したと判断した。感染者の累計は901人となった。県によると、クラスターが発生した施設は、同じ敷地内にある同系列の三つの施設。感染者は盛岡市と滝沢市、雫石町の20代~60代のいずれも女性職員5人と、60~90歳以上の男女21人の入所者。発熱などの症状がある感染者は15人で、いずれも重症者はいない。28日発表の80代の男性入所者1人を含め、この施設に関係する感染者は27人。保健所が感染経路を調べているが、今のところ不明という。県は29日、感染制御の専門家らでつくる「クラスター制御タスクフォース」を施設に派遣、入院の調整などをしている。いわて感染制御支援チーム(ICAT)も施設に入り、職員の感染対策の指導などをしている。県の新型コロナウイルス感染症担当の工藤啓一郎・理事心得は「クラスターは残念だが、早期に囲い込みにつながることを期待している」と述べ、感染拡大を防ぐための行動を呼びかけた。>

「データからわかる-新型コロナウイルス感染症情報-」(https://covid19.mhlw.go.jp/)の基本統計に掲載される経時的なクラスター発生状況(場面別)は直近3週間だけであるが、中長期的な掲載を期待したい。「新型コロナウイルス感染症」(https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000164708_00001.html)(https://corona.go.jp/)(https://www.niid.go.jp/niid/ja/diseases/ka/corona-virus/2019-ncov.html)(https://www.who.int/emergencies/diseases/novel-coronavirus-2019)について、わが国では、「新型コロナウイルス感染症対策アドバイザリーボード」(https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000121431_00256.html)のリスク評価と、新型インフルエンザ等対策有識者会議(https://www.cas.go.jp/jp/seisaku/ful/yusikisyakaigi.html)の「新型コロナウイルス感染症対策分科会」・「新型コロナウイルス感染症対策本部」(https://corona.go.jp/expert-meeting/)のリスク管理が行われている。「新型コロナウイルス感染症対策アドバイザリーボード」(https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000121431_00256.html)のR3.4.27資料1(https://www.mhlw.go.jp/content/10900000/000774310.pdf)p3「職場での感染も目立ってきており、非正規雇用者なども含め、症状を感じた場合にも安心して受診し検査が受けることのできるような体制の整備やテレワークの活用等による出勤の抑制など対策の強化が求められる。」とあるが、R3.4.23「濃厚接触が生じやすい職場におけるクラスター発生時の検査について」(https://www.mhlw.go.jp/content/000772931.pdf)で要請されるのは、あくまで「クラスター発生時」の検査である。また、「新型コロナウイルス感染症対策アドバイザリーボード」(https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000121431_00256.html)のR3.4.27資料1(https://www.mhlw.go.jp/content/10900000/000774310.pdf)p3「感染者の増加に伴い、医療施設や福祉施設のクラスターも多発している。更に、施設の職員の感染防止が重要。感染予防策の徹底や発生時の迅速な対応、職員の定期的な検査とともに、軽い症状でも迅速に検査できるような体制整備が必要。」「有症状者への受診の呼びかけと迅速な検査対応が必要。」とあるが、R3.3.16参議院予算委員会公聴会での「医療現場でも熱が1日だけならPCR検査を受けられない。」(https://www3.nhk.or.jp/news/html/20210316/k10012917411000.html)は問題で、「令和3年3月18日開催ウェブセミナー「高齢者施設等における感染やクラスター発生時の対応」~支援と受援の経験と教訓を共有して地域ぐるみで強くなる~」(https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000121431_00252.html#h2_free1)の資料4「新型コロナウイルス感染症集団発生がおきた介護老人保健施設での対応と受援」(https://www.mhlw.go.jp/content/000755260.pdf)p45「介護老人保健施設配置医師の判断でのPCR検査は行政検査にならない」も至急改善される必要がある。新型コロナウイルス感染症対策の基本的対処方針(https://corona.go.jp/news/news_20200411_53.html)のR3.4.23方針(https://corona.go.jp/expert-meeting/pdf/kihon_h_20210423.pdf)p17「新型コロナウイルス感染症についての相談・受診の考え方を分かりやすく周知すること」について、R2.5.8共同「味覚や嗅覚の異常は「軽い症状」に該当」(https://www.kyoto-np.co.jp/articles/-/239077)で「厚生労働省の担当者は、味覚や嗅覚の異常については専門家との検討により記載は見送った」とあり、厚労省「相談・受診の目安」(https://www.mhlw.go.jp/content/000628619.pdf)(https://www.mhlw.go.jp/content/000628620.pdf)には、いまだに「味覚や嗅覚の異常」が記されていない。「新型コロナウイルス感染症患者に対する積極的疫学調査実施要領(2021年1月8日暫定版)」(https://www.niid.go.jp/niid/ja/diseases/ka/corona-virus/2019-ncov/2484-idsc/9357-2019-ncov-02.html)(https://www.niid.go.jp/niid/images/epi/corona/COVID19-02-210108.pdf)p2「新型コロナウイルス感染症を疑う症状」は「発熱、咳、呼吸困難、全身倦怠感、咽頭痛、鼻汁・鼻閉、頭痛、関節・筋肉痛、下痢、嘔気・嘔吐など」とされ、ここでも「味覚や嗅覚の異常」が記されていない。当初は、日本感染症学会(https://www.kansensho.or.jp/)と日本環境感染学会(http://www.kankyokansen.org/)の連名発出のR2.4.2「新型コロナウイルス感染症に対する臨床対応の考え方―医療現場の混乱を回避し、重症例を救命するためにー」(https://www.kansensho.or.jp/uploads/files/topics/2019ncov/covid19_rinsho_200402.pdf)(http://www.kankyokansen.org/uploads/uploads/files/jsipc/covid19_rinshotaio.pdf)p1「PCR検査の原則適応は、「入院治療の必要な肺炎患者で、ウイルス性肺炎を強く疑う症例」とする。軽症例には基本的にPCR 検査を推奨しない。」とされていたが、R3.2.18日本感染症学会「花粉症患者の中に紛れ込む新型コロナウイルス感染症のリスク― “あやしい” と感じたときには積極的な検査を ―」(https://www.kansensho.or.jp/uploads/files/topics/2019ncov/covid19_kafunsho_210218.pdf)と全く変わっていることをもっと周知すべきと感じる。ところで、R3.3.29日本感染症学会「COVID-19施設内感染アンケート調査を踏まえた施設内感染対策案―わかっていること、わかっていないこと―」(https://www.kansensho.or.jp/modules/topics/index.php?content_id=49)(https://www.kansensho.or.jp/uploads/files/topics/2019ncov/210329_covid_taisaku.pdf.pdf)p4「施設内で感染者が出た場合に⾏う新型コロナウイルス感染症検査(PCR 検査や抗原定量検査)の実施範囲と頻度。」「⼊院時のスクリーニング新型コロナウイルス感染症検査を⾏うべきか。どのようなフェーズで⾏うべきか。」「施設状況やフェーズに応じた職員の定期的なスクリーニング検査を⾏うべきか。」は医療介護施設に限らず、具体的に明らかにされた方が良いように感じる。
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