保健福祉の現場から

感じるままに

宿泊療養・自宅療養の留意点

2020年12月28日 | Weblog
1.1NHK「新型コロナ 自宅療養の男性死亡 予定では翌日に療養解除 東京」(https://www3.nhk.or.jp/news/html/20210101/k10012793441000.html)。<以下引用>
<東京都は、新型コロナウイルスへの感染が確認され、自宅療養中だった60代の男性が自宅で意識がない状態で見つかり、先月29日に死亡していたことを明らかにしました。男性は、感染が確認されたあとも症状が落ち着いていて、死亡した翌日には、自宅療養が解除される予定だったということです。東京都によりますと、死亡したのは、都内に住む60代の男性で、男性は、先月19日に新型コロナウイルスへの感染が確認され、発熱やせきなどの症状が見られましたが、基礎疾患がなかったことなどから自宅で療養していたということです。その後、保健所の職員が、経過観察のために定期的に連絡を取り合い、先月28日に最後に連絡を取った際には男性が「熱は下がった」などと話したため、2日後の先月30日に再度、連絡を取って症状が見られなければ、自宅療養が解除される予定でした。しかし、職員が連絡を取った日の翌日の先月29日、男性の家族が自宅を訪ねたところ、男性が意識のない状態で倒れているのが見つかり、病院に運ばれましたが、その後死亡が確認されたということです。都の担当者は、男性が、新型コロナウイルスが原因で死亡したかどうかは、現時点では分からないとしたうえで「今後、詳しい調査を進めたい」と話しています。>

12.29FNN「自宅療養中の高齢者が死亡 群馬県」(https://www.fnn.jp/articles/-/125572)。<以下引用>
<群馬県では、新型コロナウイルスへの感染が確認され、自宅療養していた高齢者が亡くなった。群馬県によると、この高齢者は、陽性が判明した際は呼吸器症状があったものの軽症で、症状が出てから10日以上たっていたため、入院が必要と判断されず、自宅で療養を続けていた。12月25日に、本人から息苦しいとの相談を受けた保健所が救急車を呼んだが、搬送後に死亡が確認されたという。>

12.28毎日新聞「コロナ軽症施設で高齢者死亡 夜連絡は変わった様子なく、朝に遺体で 名古屋」(https://mainichi.jp/articles/20201228/k00/00m/040/339000c)。<以下引用>
<新型コロナウイルス感染症の軽症者用療養施設で28日、高齢者が死亡しているのが見つかったと、名古屋市が発表した。市によると軽症者用療養施設内での死亡は愛知県内で初めて。26日夕に入所した時は無症状だったという。28日午前8時45分ごろ、ベッド上で心肺停止の状態で見つかった。看護師が心臓マッサージを施したが、既に死後硬直がみられた。県警は新型コロナ感染症で死亡したとみている。死亡推定時刻は28日午前0時ごろ。市によると、27日午後9時ごろの電話連絡では、変わった様子はなかった。だが28日午前7時半から同8時にかけ、健康観察のため何度も電話したが連絡がつかず、看護師が防護服を着用して入室したところ、あおむけに倒れていた。テレビがついていたという。市は、遺族と連絡がついていないことから高齢者の年代や性別、基礎疾患の有無を公表していない。>

12.26NHK「療養施設死亡で検証委初会合」(https://www3.nhk.or.jp/lnews/yokohama/20201226/1050012480.html)。<以下引用>
<神奈川県で新型コロナウイルスに感染した男性が県が用意した療養先のホテルで死亡した問題で、25日夜、県の対応について検証する委員会が初会合を開き、来月中に中間報告をとりまとめることになりました。神奈川県では、今月、軽症と診断され、県が用意したホテルで療養していた50代の男性が、新型コロナウイルスによる急性気管支肺炎で死亡しました。これを受けて、県が設置した弁護士などによる検証委員会の初会合が25日夜、開かれ、黒岩知事は、県の対応について徹底的に検証してほしいと述べました。会議は非公開で行われ、県によりますと、男性の血液中の酸素濃度が低くなっていたのに医師の診察が行われなかったことや看護師が部屋を訪れるまでに4時間近くかかったことについて、委員からは、現場のスタッフが新型コロナウイルスの特徴を十分理解していなかったのではないかとか、緊急時の対応を定めたマニュアルがなかったのではないかといった意見が出されたということです。検証委員会は、来月中に中間報告を出すことにしています。委員長を務める前田康行弁護士は、「酸素濃度という客観的なデータがあったのに対応できていないのは大きな問題と感じた。医師の専門的な意見を聞くなどして検証したい」と話していました。>

そういえば、12.25「感染拡大時に入院治療が必要な患者の考え方(神奈川県の取組)」(https://www.mhlw.go.jp/content/000712385.pdf)が出ている。「都道府県の医療提供体制等の状況(医療提供体制・監視体制・感染の状況)について(6指標)」(https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/newpage_00035.html)では都道府県の、①病床のひっ迫具合(全入院者と重症患者それぞれの確保病床利用率と確保想定病床使用率)、②療養者数、③陽性者数/PCR検査件数(直近1週間)、④直近1週間の陽性者数、⑤直近1週間とその前1週間の比、⑥感染経路不明な者の割合が1週間ごとに評価されているが、高齢者関連の医療介護クラスターが発生すれば一挙にひっ迫する可能性がある。11.22「11 月以降の感染状況を踏まえた病床・宿泊療養施設確保計画に基づく病床・宿泊療養施設の確保及び入院措置の対象について(要請)」(https://www.mhlw.go.jp/content/000697246.pdf)の「上記政令により入院勧告等ができるとしている者のうち、医師が入院の必要がないと判断し、かつ、宿泊療養施設(適切な場合は自宅療養)において丁寧な健康観察を行うことができる場合には、そのような取扱として差し支えないこと。」とされ、宿泊療養の推進が図られているが、12.4「新型コロナウイルス感染症(COVID-19)診療の手引き・第4版」(https://www.mhlw.go.jp/content/000702064.pdf)p27「低酸素血症があっても呼吸困難を訴えないことがある 」「SpO2 を測定し酸素化の状態を客観的に判断することが望ましい」は、新型コロナの診療では重要なポイントで、p28「診察時は軽症と判断されても発症2週目までに急速に病状が進行することがある」は注意しなければならない(特に高齢者や基礎疾患有する方)。12.21NHK「千葉市 自宅療養者に食料配達」(https://www3.nhk.or.jp/lnews/chiba/20201221/1080013096.html)では「血液中の酸素濃度を測定する機器の貸し出しも検討」とあったが、12.20NHK「コロナ 陽性確認で入院待ちの男性 自宅で容体急変し死亡 広島」(https://www3.nhk.or.jp/news/html/20201220/k10012774861000.html)等の事例を踏まえて、積極的に進めるべきと感じる。
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