保健福祉の現場から

感じるままに

がんの地域連携パス

2008年06月29日 | Weblog
昨日、都内でがんの医療連携に関する講演を聴いた。当日の資料は先生ご自身のブログで公開されるそうである(http://www.asahi-net.or.jp/~gt2m-mtu/lecture/200806.html)。研究班による各地域で活用可能な地域連携クリティカルパスモデルの作成(がん臨床研究事業「全国のがん診療連携拠点病院において活用が可能な地域連携クリティカルパスモデルの開発」班)については、今年度、胃がん・大腸がんについて取り組まれているとのことであるが、おそらく、班員のS先生の取り組み(http://www.yokohama-mc.com/topics/benrina.html)がベースになるのかもしれない。がん診療連携拠点病院では、平成24年3月末までに、5大がん(肺がん、胃がん、肝がん、大腸がん、乳がん)の地域連携パス(がん診療連携拠点病院と地域の医療機関等が作成する診療役割分担表、共同診療計画表及び患者用診療計画表から構成されるがん患者に対する診療の全体像を体系化した表)を整備しなければならない(http://www.mhlw.go.jp/topics/2006/02/tp0201-2.html)(http://www.mhlw.go.jp/shingi/2008/01/dl/s0117-5r.pdf)。5大がんの地域連携パス運用の文献が散見されており、5大がんの標準的な連携パス様式は、はやく公開が期待されるところかもしれない。しかし、一昨日、医療現場では、がんの地域連携パスの運用は容易ではないという声を聞いた。各施設にいきなり連携パス様式を要請してもうまくいかないそうである。講演では、小規模な連携から拡げる方法も有効とのことであり、実績ある病院と気心の知れた連携施設間で運用を始めるのもよいのかもしれない。一方で、新たな医療計画では、がんは具体的な連携体制を推進すべき疾患である。地域での連携会議では、最初から連携パスを前面に出すのではなく、医療機能情報提供制度(http://wwwhourei.mhlw.go.jp/hourei/doc/tsuchi/191113-d00.pdf)(http://www.wam.go.jp/wamappl/bb13GS40.nsf/0/7872efb1ae67adc0492573e9001fe2b7/$FILE/20080208_7sankou1_1.pdf)(http://www.wam.go.jp/wamappl/bb13GS40.nsf/0/7872efb1ae67adc0492573e9001fe2b7/$FILE/20080208_7sankou1_2.pdf)(http://www.wam.go.jp/wamappl/bb13GS40.nsf/0/7872efb1ae67adc0492573e9001fe2b7/$FILE/20080208_7sankou1_3.pdf)(http://www.wam.go.jp/wamappl/bb13GS40.nsf/0/7872efb1ae67adc0492573e9001fe2b7/$FILE/20080208_7sankou1_4.pdf)(http://www.wam.go.jp/wamappl/bb13GS40.nsf/0/7872efb1ae67adc0492573e9001fe2b7/$FILE/20080208_7sankou1_5.pdf)(http://www.wam.go.jp/wamappl/bb13GS40.nsf/0/7872efb1ae67adc0492573e9001fe2b7/$FILE/20080208_7sankou1_6.pdf)をもとに、各施設の医療機能についての相互理解と信頼関係の構築が不可欠なのかもしれない。そういえば、本年4月から、「インターフェロン治療に関する医療費助成」(http://www.wam.go.jp/wamappl/bb14GS50.nsf/0/f5aaffa6898b659c492573e6000caf0e/$FILE/20080205_1shiryou8.pdf)(http://www.kanenzero.jp/)が始まっている。「肝炎診療における専門医と一般医の連携に関する地域ごとの取組」(http://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/kekkaku-kansenshou09/03.html)は、早急に確立される必要があり、ツールの一つとして、肝がんの連携パスは慢性肝炎の連携パスとして、運用が期待されるところかもしれない。さて、当日の講演では、5大がんだけではなく、前立腺がんの医療連携事例(http://plaza.umin.ac.jp/capmnet/)もあった。前立腺がんは、一般医と専門医の連携が図りやすい疾患のようである。PSA検査については国のガイドライン(http://canscreen.ncc.go.jp/pdf/guidebook/zenrituganbook.pdf)に対して、学会が反発している(http://www.urol.or.jp/kankeisya/info/prostate_exam.html)(http://cancernavi.nikkeibp.co.jp/report/071127_01.html)が、国のガイドラインでは、PSA検査自体の有効性が否定されているわけでも、任意での実施が否定されているわけでもない。まずは、一般の方々に情報を正しく普及することが不可欠であることを改めて感じたところである。その際、ネット情報(http://cancernavi.nikkeibp.co.jp/)(http://canscreen.ncc.go.jp/)も役立つことであろう。ところで、厚生労働省のがん対策専用HP(http://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/gan.html)にがん検診の話題(リンク集だけでも)をもっと期待したいところかもしれない。
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