保健福祉の現場から

感じるままに

後期高齢者医療制度

2008年06月08日 | Weblog
「大ウソツキ厚労省!制度欠陥の言い繕い」(http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080608-00000005-gen-ent)の記事が目にとまった。<以下引用>
<「厚労省は何も信用できない」――お年寄りから、こんな声が噴出しそうだ。国民から批判の大合唱が起こっている後期高齢者医療制度で、厚労省の説明が何から何まで怪しくなってきたのである。与党は制度欠陥を言い繕うために一時的な負担軽減でごまかそうとしているが、小細工は国民の怒りに油を注ぐだけだ。
 後期高齢者医療制度について、厚労省はこれまで「所得の低い人は負担減になり、高所得者層は負担増の傾向がある」と説明してきた。
 しかし、これは大嘘だった。厚労省は先月、福田首相の指示で保険料の変化の実態調査に乗り出した。その結果を4日、会見で公表した。それによると、負担増になるのは全体の31%で、内訳を見ると、低所得者(年金収入が年177万円未満)が39%、中所得者(同177万~292万円未満)が25%、高所得者(同292万円以上)が22%だった。要するに、貧乏人の方が保険料が上がったのである。しかも、保険料を算定する際、「均等割」と「所得割」を合算する2方式を採用している東京都などの自治体では全体の49%が負担増で、低所得者は78%が負担増になった。中所得者は50%、高所得者は15%で、厚労省の説明はまったく逆だったのである。
●「7割が負担減」も絶対怪しい
 これだけでも責任問題になる話だが、実はこの数字も意図的にはじいた可能性がある。同じ調査で厚労省は、「基礎年金世帯及び厚生年金世帯の単身世帯については9割以上の市町村で保険料が減少」「75歳以上の者がいる市町村国保世帯については全国計で7割程度の世帯で保険料が減少すると推計される」などと強調した。「全体の7割は負担減になる」ことをことさらPRしていたが、7割という数字の根拠は、4つのモデルケースからはじき出した推計に過ぎず、実態を調べた数字ではない。推計する際の計算方法も不明で、いい加減な数字にしか見えない。こんなものを記者発表前に一部の大新聞・TVが報じた。厚労省の意図的リークとしか思えない。民主党の山井和則衆院議員はこう言う。
「例えば、厚労省が使ったひとつのモデルケースは『75歳以上の親が子供夫婦と同居している3人世帯』です。こういうケースは全体の55%もいるのに、厚労省の調査では4つのモデルケースのうちのひとつという扱いです。どうして4つのモデルケースで、全体の負担増減の傾向が計算できるのか。計算式や各モデルの世帯数も公表し、国民が全体像をつかめるようにするべきです。都合のいいモデル世帯を採用するのではなく、統計学的にしっかりした実態調査を早急にやるべきです」
 与党と厚労省はあまりにも国民をなめている。>

医療制度改革(http://www.mhlw.go.jp/bunya/shakaihosho/iryouseido01/index.html)の動きは5年前から始まっているのであるが、この趣旨が地域住民に普及しているようにはあまり感じられない。各種資料が厚生労働省から都道府県に対して出されるのであるが、それを地域住民に説明する仕組みをもっと強化しなければならないのではないか。そんな感じがする。しかし、基本は信頼関係であり、そのためには正確でわかりやすい情報公開が不可欠なような気がするところである。
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医師、歯科医師、薬剤師資格確認検索と看護師籍登録

2008年06月08日 | Weblog
「西川史子、医師法違反!?厚生労働省の医師検索に名前がない」(http://entameblog.seesaa.net/article/99494457.html)のネット記事が目にとまった。<以下一部引用>
<西川に話を聞くと、あの・・・届け出することも、(検索)システムも知らなかったです。知らなかったとはいえ、表に出る人間として相応しくなかったなと受け止めています」といって絶句。その後、「医師としての認識はしっかり持っているつもりです・・・。すぐに改善いたしますので、今回のことは、本当に申し訳ありませんでした」といってかわいそうなぐらい平謝り。この届けをしないことが法律違反だ、という認識はなかった。厚労省によれば、「届出をしていない医師は少なくない」とのことで、西川だけのことではないようだ。ちなみにと届出違反は≪医師法第6章の33条2の1≫の規定によって「50万円以下の罰金」を科せられる。実際は罰金を払った医師はいない。(引用「女性セブン」より)>

医師等資格確認検索システム(http://licenseif.mhlw.go.jp/search/top.jsp)では、医師、歯科医師の資格確認ができるようになっている。これは、医師法(http://www.ron.gr.jp/law/law/ishihou.htm)第六条3項、歯科医師法(http://www.ron.gr.jp/law/law/sikaisi.htm)第六条3項による届出に基づいている。同様に、薬剤師法(http://www.ron.gr.jp/law/law/yakuzai.htm)第九条による届出義務がある薬剤師も資格確認検索システム(http://yakuzaishi.mhlw.go.jp/search/top.jsp)がある。しかし、医療従事者で全数届出になっているのは医師、歯科医師、薬剤師だけである。例えば、看護職は、保健師助産師看護師法(http://www.ron.gr.jp/law/law/kangofu.htm)第三十三条により、業務従事者のみの届出である。これについて、日本精神科病院協会からの要望(http://www.nisseikyo.or.jp/home/about/05teigen/2006/2006_17.html)では、「看護師の届出制度の法制化」を挙げ、「医師と違い看護師には届出制がなく、潜在看護師の現状すら正確に把握できていない状況に有ります。国民の健康をあずかる看護師についても医師同様、届出制を法制化することが必要であります。」とされている。今回の報道をみて、全数届出義務の医師でも未届が少なくないとなれば、全数届出ではない保健師助産師看護師について、法(http://www.ron.gr.jp/law/law/kangofu.htm)第十条による看護師籍登録の信頼性はどうであろうか、と感じないではない。日本看護協会のニュースリリース「潜在ならびに定年退職看護職員の就業に関する意向調査」(http://www.nurse.or.jp/home/opinion/newsrelease/2006pdf/20070326-03.pdf)では「看護職員の免許の届出制など、その所在等を把握できる公的な仕組みの構築」が課題の一つとされており、早急な対応が期待されるところかもしれない。ところで、法による医師の届出・報告義務は少なくない。感染症、食中毒疑い、異状死体だけではない。例えば、薬事法(http://law.e-gov.go.jp/htmldata/S35/S35HO145.html)第七十七条の四の二による副作用報告はどれほど徹底されているであろうか。医師臨床研修の地域保健・医療研修では、保健所による法的規定に関する研修もあった方がよいのではないか、と感じるところである。
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特定健診・保健指導とレセプト

2008年06月08日 | Weblog
特定健診・保健指導制度のポイントの一つは「データの電子管理」(http://tokuteikenshin.jp/)であるのは間違いない。手引き(http://www.mhlw.go.jp/bunya/shakaihosho/iryouseido01/pdf/info03d-1.pdf)p130に、「健診・保健指導のデータファイルは、個人別・経年別等に整理・保管し、個々人の保健指導に役立てるほか、個人の長期的な経年変化をたどることによる疫学的な分析、経年変化に基づく発症時期の予測による保健指導や受診勧奨等の重点化等に活用することができる。」とされているように、保険者にとってメリットが小さくない。平成23年度にレセプト完全オンライン化(http://www.mhlw.go.jp/bunya/shakaihosho/iryouseido01/pdf/recept02a.pdf)が予定されており、「レセプト/健診データ分析システム」(http://www.zetta.co.jp/solution/social_security/approach/000002.shtml)が今後、急速に普及するように感じる。「医療サービスの質の向上等のためのレセプト情報等の活用に関する検討会」報告書(http://www.mhlw.go.jp/shingi/2008/01/dl/s0130-16a.pdf)は、理解しておきたい資料である。レセプトオンライン化(http://www.mhlw.go.jp/bunya/shakaihosho/iryouseido01/info02g.html)は、例えば、後期高齢者診療料(http://20.iryoujimu1.com/h20-66.html)や特定疾患療養管理料の患者の名寄せチェック等も小さくないが、特定健診・保健指導データの突合分析も注目されるところかもしれない。特定健診・保健指導が医療保険者主体になったことの影響は予想以上に大きいのかもしれない。
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