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鳩山首相の所信表明演説

2009年10月27日 21時49分07秒 | Weblog
 鳩山政権が誕生して41日目の昨日、臨時国会が開会され、鳩山首相が所信表明演説を行った。演説は52分におよび、およそ1万3千文字だそうだ。このブログは1千文字を目標に書いているので、13日分に当たる。この間の歴代首相の演説と比較すると約1・5倍の長さと報じていた。テレビニュースで拝聴した限りでは、力を込めて演説していると感じた。

 職を失い自殺した息子のことを話すおばあさんや、障がい者が働く工場を訪れた時の逸話など、「自分の言葉でわかりやすい」演説だった。鳩山政権が目指す政治は、「弱い立場の人々、少数の人々の視点が尊重されなくてはならない」と明確に述べていた。演説は具体的な政策を掲げるというよりも、鳩山政権がどんな社会、どんな国家を作ろうとしているか、その基本的な考えを示すことに重点が置かれていた。初めての国会での始めての所信表明演説だ。政治理念が先行したとしても当然のことだろう。「ふわふわと耳に心地よい言葉が並ぶ」(朝日新聞の社説)ものであったとしても、基本的な方向は示されている。

 鳩山首相の演説に対する自民党議員の評価の低くは、「情緒的で具体性が何もない」「やれるものならやってみなさい」「4年前の郵政選挙直後の小泉政権のよう。ロックコンサートじゃあるまいし」と酷評だった。演説が終わった瞬間、民主党の新人議員が立ち上がり、それにつられてベテラン議員までも立ち上がり、アメリカ議会のように拍手喝采を送った。これを目の前にした谷垣禎一総裁は「まるでヒトラー・ユーゲントだ。ヒトラーの演説に賛成しているようだ」と言う。ヒトラーとか北朝鮮とかを持ち出す辺りの感覚は、その方が異常だと思う。

 それに、政権交代が実現し、その最初の国会で行なわれた首相の所信表明を、新聞のトップニュースにしないのか、そのことが不思議だ。朝日新聞も中日新聞も1面に載せてはいるがトップではない。いや、まるで芸能新聞の扱いである。それでも中日新聞は演説の全文を掲載しているが、朝日新聞は要約すらない。こんな風に扱いながら、国のあり方を論じる朝日新聞には落胆させられる。朝、フジテレビを少し見たが、やはり酒井法子の裁判がトップニュースだった。そのフジテレビは、「新聞各紙は酒井法子の裁判記事に、所信表明より多くの紙面を使っている」と嘆きとも皮肉とも取れるキャスターの発言を流していた。

 国民の政治への関心が高まったからこそ政権交代は実現された。一人ひとりの1票で政治も変わることを始めて実感した。それを一時的な“熱”ではなく、高めていく役割がマスコミにはある。首相の所信表明を酒井法子よりも小さく扱ってはならないだろう。マスコミにも国民の怒りをぶつけたい。そうしなくてはならないはずだ。
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