朝はまだ雨が降っていたのに、夕方になって太陽が出てきた。昨日の朝刊の一面は藤井聡太君の快挙だったが、今朝の一面は稲田防衛大臣の発言だった。都議会議員選挙の応援の集会で「防衛省・自衛隊、防衛大臣として」投票を依頼している。これを聞いた記者が取り囲んで発言について尋ねると、「覚えていない」と言う。問題発言という認識が全くない。
自分は防衛大臣で、防衛省や自衛隊は自分のもの、そんなレベルの認識でしかない。公務員は投票権はあっても特定の政党に肩入れすることは出来ない。ましてや自衛隊は厳しく制限されている存在であることを弁護士でありながら認識していない。野党が「即刻辞任すべき」と批判するのは当然のことだが、安倍首相としては「可愛がって」きたし、都議会議員選挙の最中では間が悪すぎるから先延ばしにするだろう。
高学歴は何も役に立たないようで、秘書に暴言を吐いた豊田真由子議員は東大卒のエリートである。稲田朋美防衛大臣も早稲田大学を卒業し弁護士となった。政治に関心のなかった彼女が超保守派になったのは『南京事件の百人切り』の裁判がきっかけらしい。「百人切り」はでっち上げで、日本人が屈辱を受けていると考えるようになったと。彼女の父親は高校の校長で、日の丸掲揚に反対する組合と激しく対立した人だから、超保守派の基盤はあったようだ。
家庭環境とか親の価値観や躾は、子どもに大きく影響する。親が金に囚われた生活をしていると、子どもは自然に金が大事なものになる。親が他人に親切で何でも上げてしまうと、子どもは親切な人になるか逆に反発してケチになる。子どもは親から独立した存在だから、当然、親とは別の価値観や生き方をするが、プラスであってもマイナスであっても、親の影響からは逃れられない。
果たして私はどんな親だったのか、ふとそんな思いが走る。