「共謀罪」が成立した日、私たちは井戸を掘っていた。それで冗談に、「怪しい組織が井戸掘りをしていると、公安に睨まれるよ」「井戸掘りにかこつけて、よからぬものを地下から流して民心を混乱させようとしている」「もう、代表の車にはJPSが取り付けられ、ケイタイは盗聴されているんじゃ―ないか」「そういえば、この頃ケイタイに雑音が入るなー」等々と騒がしい。
冗談でも言っていないとやり切れない。今日はポンプを設置したが、相変わらず手順が悪く、思った以上に時間がかかってしまった。「失敗は成功のもと」「失敗を恐れず、失敗から学べばいい」と言うものの、失敗から何も学んでいないのが現実だ。すると先輩は「いや、日本人らしい」と自画自賛というより自虐的に言う。
何が起きても我が身に降りかかってくるまでは無関心なのが日本人だ。「若い人たちは『自分たちは年金を受け取れない』と言うのに、年金が給料から天引きされていても拒否もしない。アベノミックスは完全に失敗だったのに文句も言わない」。「共謀罪に反対するデモは我々のような年寄りが多い。若い人たちは何をしているのだろう」。
「子どもの時から民主主義の中で育って来たが、若い人たちは傍観者になっている。政治に無関心が一番怖いことなのに、それが分かっていない」「いや、若い人も若い人なりに政治には関心があるようだが、我々と感覚が違うのだろう。だって、安倍政権は危険な政権だと我々は思うが、安倍政権を支持しているのは高齢者と若い人たちと調査結果に出ていた」。
不思議な国だ。けれど、民主主義が「選挙」である以上、安倍政権は維持されるのだろう。フェイスブック上にもっと安倍政権への批判が出てくるのかと思ったが、意外に少ない。そればかりか野党の国会での追及を「どっちもどっちだろう」と言う。どういう国を目指すのか、野党にそのビジョンが無いことが信頼に結び付かないようだ。
疲れた。今日はこれから、夏祭りの打ち合わせ会、その後は盛り上げるための親睦会。これもまた疲れる。