昨日、大和塾の仲間と書展を見に行った。日展の書の部は文字が読めなくて足早に回ってしまう。書は白い紙に黒い墨で文字を書くだけの作品だが、その黒と白との絶妙なコントラスト、白の空間と黒の位置、そして文字の持つ魅力など、見ていて感心させられるから、「芸術」と言い切れる。感動を与えてくれるものを芸術と規定していい。風景や花や動植物にも人は感動する。そうした時は「芸術的」と呼び、人の作り出したものと区別している。
私たちが見に行った書展は、日展の書と異なり、言ってみれば「遊び」の作品だ。文字の意味を形や配置や色合いで表現しているから、見る側に分かりやすいし、「なるほどねー」と感心し、興味深く鑑賞できる。墨でも真っ黒なものと灰色のものとある。灰色のものは墨の原料が違うということも教えてもらった。漢字はものの形をデザインしたものやそれを組み合わせた作ったものが多いから、自由な書の表現がしやすいのかも知れない。
美術館を出ると外は雨だった。地域の最後の夏祭り日、子どもたちはさぞガッカリしていることだろう。ところが午後からは晴れ間があり、にぎやかな盆踊りの曲がボリュームいっぱいに流される。マンションの子どもたちも浴衣姿で出かけて行った。それなのに無情にも雨が降り出して、それでも小雨のうちは円を作って踊っていた。プロの歌手も来て歌ってもいた。雨は相変わらず降ったり止んだりしていて、いつの間にか大音響も消えていた。
今日、甲子園大会は準決勝戦。午前中の試合は曇り空で時々日が差していたのに、午後からの試合は雨が降って気の毒だった。試合は、1回の表でいきなり5点を先取したから、もう決まったようなものだと思った。ところがその裏、先頭打者がホームランを打ち、打撃戦になってしまった。終ってみれば15点対9点、12安打対15安打、ホームラン5本という壮絶な試合だった。何が勝敗を分けたのだろう。負けた方の投手は2年生で、先輩に申し訳ないとばかりに泣いていた。
感動を与えてくれるスポーツの試合は、人が意図して作り出したものではないから「芸術」とは呼ばないが、気持ちを昇華させてくれる。明日は、三重高校と大阪桐蔭との決勝戦だが、どんな展開になるのだろう。