春の高校野球準決勝戦をテレビで観た。第1試合は敦賀気比と浦和学院で、残念ながら敦賀気比が負けてしまった。よいピッチャーだと思っていたが、さすがに5試合目で疲れが出ていた。昨年の優勝校、大阪桐蔭を破った岐阜商に期待していたけれど、四国の済美に敗れてしまった。第2試合はその済美と高知という四国同士の戦いだったので、岐阜商に勝った済美を応援していた。
初回に2番バッターにいきなりホームランを打たれた。やっぱり応援するチームの方が負けるのかと不安になる。それでも5回には勝ち越したので、これでなんとかいけるかなと思っていたら、7回にホームランを浴びて同点になってしまった。このままズルズルと負けるのかと思ったけれど、ここはしっかり抑えたので、延長戦になるのだろうと思って見ていた。そして8回、今度は済美の選手がホームランを打ち再び逆転した。
試合は済美の2年生投手が最後まで投げたが、9回はノーアウト3塁という大ピンチだったので本当によく抑え切った。高校野球はいつ見てもハラハラドキドキの連続である。何が起きるか分からない。突然やって来るピンチ、そして耐え抜いて迎えるチャンス。野球は筋書きのないドラマだと言うけれど、監督はその筋書きを考えているのだろう。しかし、その通りにならないところにドラマがあるようだ。
人生もまた、どうしてこんなに不幸が続くのかと恨んだりするが、ピンチの後にはチャンスもある。選手が「全力を出し切るだけです」と、格好いいことを言うけれど、それが建前だとしても、実際の場面では出し切れないほど慌ててしまうこともあるだろう。どこまで「普段通りに」やれるかだろうが、そこに日頃の練習の差が生まれるのかもしれない。人生における普段通りとはどういうことを指すのだろう。
済美の校歌が流れ、「やれば出来るは魔法の合い言葉」という歌詞が飛び込んできた。NHK朝の連続ドラマ『純と愛』の最終回の1つ前で、純の先輩が歌をリクエストする場面があった。その曲は60代の人たちが青春の頃に流行った『若者たち』だった。1番は「君の行く道は果てしなく遠い だのになぜ歯をくいしばり 君は行くのか そんなにしてまで」とかなり悲観的だ。ところが3番は「君の行く道は希望へと続く 空にまた陽がのぼるとき 若者はまた歩きはじめる」と前向きになっている。
報われなくてもいい。ひたすら前に向かって進もう。それが若者だ。私にその情熱は残っているだろうか。残っていて欲しい。いやそうではなくて、創り出すものなのかも知れない。明日と明後日は、クラブツーリズムのミステリーツアーに参加するのでブログは休みます。