音楽家でクリスチャンの友だち夫婦からお歳暮をいただいた。中に手紙が入っていたので読ませてもらった。それは豊明市の教会で行なわれた演奏会で、カミさんが話した原稿だった。そこには悲しみと驚きの出来事が綴られていた。
ダンナさんが7月くらいからお腹の具合が悪く、食卓に胃腸薬が並ぶようになった。8月はじめに近所のかかりつけの医院で痛み止めをもらったが、よくならなかった。そこで、総合病院でCT撮影をしたところ、腸閉塞を起こしていた。5日後、担当医から説明を受けることになった。彼女は「直接、本人に話してください」とお願いする。
担当医は「直接話していいのですか」と念を押す。「大丈夫です。私たちは聖書を信じている家族ですから、命のことは神様にお任せしています」と彼女は言う。担当医は夫婦に、「大腸ガンです。ステージ4で肝臓リンパ節にも転移が見られます。厳しい状況です」と説明する。翌日、手術を受けるが、ガン細胞を全て取り除くことはできなかったそうだ。
兄弟姉妹が駆けつけ、彼のベッドを囲んでみんなで祈る。びわの葉エキスがガンに効くという情報を聞き、葉の1枚1枚を洗い丁寧に拭き、びわの葉エキスを届けてくれたり、仕事に追われる彼女に代わって病院の付き添いをしてくれたり、彼女たち夫婦のことをいつも祈ってくれる兄弟姉妹に、彼女は「本当に感謝します」と言う。
8月末から抗ガン剤の投与が始まり、そして退院して通院治療となった。10月末に5回目の抗ガン剤の投与があり、腫瘍マーカーの数値が下がっているのを確認する。「抗ガン剤の投与はかなりきついと聞きますが‥」と私が聞くと、彼は「私の場合はそれほどでもなくて」と言う。つらいと言っては周囲を悲しませるだけという彼の思いやりが彼の強さになっているのだろう。
彼女も「もちろん、病気が治ったわけではありません。この先、どんな状況になるかも私たちには分かりません。けれど、主イエス様のご支配の中で、全てが御手の内ですから、不安はありません」と言い切る。「何か、思い煩いに陥りそうになった時は、瞬間的に『下がれ。サタンよ』と祈ります」とも言う。
とても仲のよい夫婦で、気取らず茶目っ気もあって一緒にいると楽しいし、本当に気持ちが優しいふたりだ。地域の芸術活動はもちろんボランティア活動にも熱心に取り組んでいる。お孫さんがいるのに、いつまでも若々しいから年齢のことをすっかり忘れてしまっていた。何も知らないお孫さんが、「きょとんとしながら、祈りに加わります。本当に幸せに満ちた時です。本当に恵みがあふれていて、モッタイないほどです」と彼女は結ぶ。
「チューリップを植えたので、来年の春にはぜひおふたりで見に来てください。春の朝のひと時をチューリップ見ながらコーヒーでも飲みましょう」と私は彼と約束をする。大丈夫、これから何年か、チューリップを見ることはできる。神様はそれくらいの余裕を与えてくださるだろう。
ダンナさんが7月くらいからお腹の具合が悪く、食卓に胃腸薬が並ぶようになった。8月はじめに近所のかかりつけの医院で痛み止めをもらったが、よくならなかった。そこで、総合病院でCT撮影をしたところ、腸閉塞を起こしていた。5日後、担当医から説明を受けることになった。彼女は「直接、本人に話してください」とお願いする。
担当医は「直接話していいのですか」と念を押す。「大丈夫です。私たちは聖書を信じている家族ですから、命のことは神様にお任せしています」と彼女は言う。担当医は夫婦に、「大腸ガンです。ステージ4で肝臓リンパ節にも転移が見られます。厳しい状況です」と説明する。翌日、手術を受けるが、ガン細胞を全て取り除くことはできなかったそうだ。
兄弟姉妹が駆けつけ、彼のベッドを囲んでみんなで祈る。びわの葉エキスがガンに効くという情報を聞き、葉の1枚1枚を洗い丁寧に拭き、びわの葉エキスを届けてくれたり、仕事に追われる彼女に代わって病院の付き添いをしてくれたり、彼女たち夫婦のことをいつも祈ってくれる兄弟姉妹に、彼女は「本当に感謝します」と言う。
8月末から抗ガン剤の投与が始まり、そして退院して通院治療となった。10月末に5回目の抗ガン剤の投与があり、腫瘍マーカーの数値が下がっているのを確認する。「抗ガン剤の投与はかなりきついと聞きますが‥」と私が聞くと、彼は「私の場合はそれほどでもなくて」と言う。つらいと言っては周囲を悲しませるだけという彼の思いやりが彼の強さになっているのだろう。
彼女も「もちろん、病気が治ったわけではありません。この先、どんな状況になるかも私たちには分かりません。けれど、主イエス様のご支配の中で、全てが御手の内ですから、不安はありません」と言い切る。「何か、思い煩いに陥りそうになった時は、瞬間的に『下がれ。サタンよ』と祈ります」とも言う。
とても仲のよい夫婦で、気取らず茶目っ気もあって一緒にいると楽しいし、本当に気持ちが優しいふたりだ。地域の芸術活動はもちろんボランティア活動にも熱心に取り組んでいる。お孫さんがいるのに、いつまでも若々しいから年齢のことをすっかり忘れてしまっていた。何も知らないお孫さんが、「きょとんとしながら、祈りに加わります。本当に幸せに満ちた時です。本当に恵みがあふれていて、モッタイないほどです」と彼女は結ぶ。
「チューリップを植えたので、来年の春にはぜひおふたりで見に来てください。春の朝のひと時をチューリップ見ながらコーヒーでも飲みましょう」と私は彼と約束をする。大丈夫、これから何年か、チューリップを見ることはできる。神様はそれくらいの余裕を与えてくださるだろう。