いつものようにNHK『のど自慢』をウルウルしながら見ていた。「どうしてこんな歌番組で泣くの?」と言われるけれど、特別な何か理由があるわけではない。自分ではよくわからないのだから、きっと歳を取って涙腺が緩んできているのだろう。でも待てよ、そういえば結構若い時からその傾向があったから、まあ趣味のようなものだ。落語はもともと人情話が多いから、当然ウルウルとしてしまうけれど、吉本喜劇は必ず最後には泣かずにいられない。
『のど自慢』が終わって、今日は特に何もやることがないので、テレビ番組を見ていたら、WOW0Wの『占領者たちのイラク』が目に止まった。カミさんは相変わらず数独に夢中で、何時間もかけて取り組んでいる。私が何をやっていてもかまわずに録画したゴルフ番組を見続けている時もある。ちょっとお邪魔かもしれないが、今日はテレビを見せてもらおうと思った。1時間半ずつの3時間の番組で、前半が終わって私がトイレに立って帰ってくると、テレビは消されていた。「まだ後半があるのに」と抗議すると、「ごめん。集中できないから」とおっしゃる。
ドラマは面白かった。製作はイギリスで、BBCが昨年放送したものらしい。ベトナム戦争もそうだったけれど、何が正義でどこに理由があるのかわからない。私が子どもの頃に見た戦争映画は、アメリカ映画なら悪のナチスドイツを片っ端からやっつけていくものがほとんどだったし、日本が相手なら野蛮な人間との戦いだった。それがベトナム戦争を扱ったものは全く違っていた。戦争に正義も意義も無い。時には友情もない。ましてや愛国心や使命感など全く無い。殺されないために殺す、それ以外の描写はなかったように思う。
『占領者たちのイラク』のイギリス兵は帰国しても再びイラクへと向かう。そこで戦場をビジネスとして金儲けに走る者を中心に、それぞれの思いが展開していく。フセインを倒したものの、部族対立や宗派対立で血みどろな戦いが続いている。警備会社と建設会社と商事会社をひとつにしたような軍事会社で、イラクをはじめとする中東諸国にビジネスを広げ、大金持ちになる夢を追う男、イラク復興を信じてきたものの、殺し合いの現実を目の前にしてイスラムを呪う男、イラク人の妻を恋してしまう男、イラク戦争は何だったのかと問いかけているが、ちょっとテーマが広がりすぎたかという気がした。
戦争はなぜ起きるのだろう。戦場に駆り出される兵士はなぜ戦うのだろう。山田詠美さんというまだ若い女流作家がいる。「GIと遊んだ話」の中で、「正義を守るために戦争に行きたい、などと胸を張った人など見たことがない。国にわが身を捧げる、と愛国心に燃えていた人も知らない」とアメリカ兵のことを書いていたけれど、小説ではあるけれど本当の姿だろう。イラクに派兵された兵士の多くが帰国した後、社会復帰できずにいるとアメリカのジャーナリズムが報じていた。何時殺されるかとビクビクして生きてきた人も、殺されないために殺すことに集中した人も、平和の中ではうまく生きられないのは悲しい現実だ。戦地に駆り出される世代でなくて本当によかったと思う。
『のど自慢』が終わって、今日は特に何もやることがないので、テレビ番組を見ていたら、WOW0Wの『占領者たちのイラク』が目に止まった。カミさんは相変わらず数独に夢中で、何時間もかけて取り組んでいる。私が何をやっていてもかまわずに録画したゴルフ番組を見続けている時もある。ちょっとお邪魔かもしれないが、今日はテレビを見せてもらおうと思った。1時間半ずつの3時間の番組で、前半が終わって私がトイレに立って帰ってくると、テレビは消されていた。「まだ後半があるのに」と抗議すると、「ごめん。集中できないから」とおっしゃる。
ドラマは面白かった。製作はイギリスで、BBCが昨年放送したものらしい。ベトナム戦争もそうだったけれど、何が正義でどこに理由があるのかわからない。私が子どもの頃に見た戦争映画は、アメリカ映画なら悪のナチスドイツを片っ端からやっつけていくものがほとんどだったし、日本が相手なら野蛮な人間との戦いだった。それがベトナム戦争を扱ったものは全く違っていた。戦争に正義も意義も無い。時には友情もない。ましてや愛国心や使命感など全く無い。殺されないために殺す、それ以外の描写はなかったように思う。
『占領者たちのイラク』のイギリス兵は帰国しても再びイラクへと向かう。そこで戦場をビジネスとして金儲けに走る者を中心に、それぞれの思いが展開していく。フセインを倒したものの、部族対立や宗派対立で血みどろな戦いが続いている。警備会社と建設会社と商事会社をひとつにしたような軍事会社で、イラクをはじめとする中東諸国にビジネスを広げ、大金持ちになる夢を追う男、イラク復興を信じてきたものの、殺し合いの現実を目の前にしてイスラムを呪う男、イラク人の妻を恋してしまう男、イラク戦争は何だったのかと問いかけているが、ちょっとテーマが広がりすぎたかという気がした。
戦争はなぜ起きるのだろう。戦場に駆り出される兵士はなぜ戦うのだろう。山田詠美さんというまだ若い女流作家がいる。「GIと遊んだ話」の中で、「正義を守るために戦争に行きたい、などと胸を張った人など見たことがない。国にわが身を捧げる、と愛国心に燃えていた人も知らない」とアメリカ兵のことを書いていたけれど、小説ではあるけれど本当の姿だろう。イラクに派兵された兵士の多くが帰国した後、社会復帰できずにいるとアメリカのジャーナリズムが報じていた。何時殺されるかとビクビクして生きてきた人も、殺されないために殺すことに集中した人も、平和の中ではうまく生きられないのは悲しい現実だ。戦地に駆り出される世代でなくて本当によかったと思う。