女性の目
2023-10-04 | 趣味
山崎豊子の長編小説「女系家族」を読み終えた。
かなり古い作品であるが、映画化され、TVドラマでも何度もお目にかかる。
配役もその時代が反映され、興味深い。
読み応えのある小説だった。
と同時に、楽しみが終わってしまい、気が抜けた。
作家というものはスゴイなあと、感心、感激、感嘆する。
脳のキャパが違う、深さ、幅が違う。
耐久性が違う。
そして、女性作家というものは、男性作家とは違う(当たり前だけど)力強さ、忍耐力がある。
まだ、有吉佐和子と山崎豊子しか読んでないのに、サラッと言ってしまうのは軽薄ではあるが。
わたしの親世代の作家さん。
小説の時代背景は、わたしが生まれた頃。
なので、あまり肌で感じるものはない。
わたしは当時の空気を吸ってはいるが、赤ちゃんであるし、舞台も全く違う。
大人になっていないと、世の中を知らない。
自分の周りだけの世界。
かと言って、江戸時代でも明治時代でもなく、時代は戦後の昭和。
ちなみに、次に読み始めた新書も、これまた母世代。(母より3歳若いだけ)
書かれたのは半世紀近く前。
女性の生き方、みたいな本なのだが、どうも、不思議な匂いがする。
母世代の人が、その人が中年の時に書くのだから、二重、三重に、時代感覚のタイムラグがある。
母世代の女性にしては、斬新的な進んだ考え方をする人なのだが、何しろ48年も前(1975年〜1979年)に書かれたもの。
小説ではなく、新書。
中に人生80年時代とあるが、今は延びて人生100年、更に120年にもなるという。
それだけでも、人生の配分がずいぶん違ってくる。
なんだかなあ、、、
昔に書かれた、時代の一歩先を行く進んだ内容って、、、
足したり引いたりして現在なら丁度ぴったりかと言えば、へんに力んでいる感じで違和感を覚える。
リアルタイムで勢いよく書かれたものは、後に整えられたものに比べて、粗さや、よけいな熱さを感じる。
バグのようなものがある。
革新的な内容なのに、今では何を今更的な、わざわざ文字にするようなことではない。
時代の流れとは、こういうことか。
だが、明治時代や大正時代の記述に関しては、知っていることと合致し、再確認する。
まだ読みかけたばかりなのだが、この本、自分で買ったのだろうけれど、全く記憶にない。
掛けているカバー(紙)を見ると、廃業した、家の近所の本屋さん。
が、アタマに残っていない。
どんなつもりで買ったのか、想像も出来ない。
すっぽり抜け落ちている。
懐かしいとか、そんなものもない。
当時の自分はもう片鱗もないということか。
すっかり枯れてしまった。
※写真は大きなシャインマスカット。
真ん中にある、お花みたいな大粒が楽しい。