蝶になりたい

いくつになっても、モラトリアム人生。
迷っているうちに、枯れる時期を過ぎてもまだ夢を見る・・・。

そんなに勝ち誇ってる?

2020-06-23 | 老い
わたしは夫とは3歳違い。
わたしのほうが下である。
わたしには4歳年上の実兄と、2歳年上の実姉がいる。
夫には1歳年上の姉がいて、兄嫁はわたしと同学年。
つまり、近親者のわたしのまわりは4歳の間に6人がひしめき合い、似たり寄ったりの年齢であるということだ。
男女比は、男2人に対して女4人。
姉の夫(義兄)や、夫の姉(義姉)の夫を含めると、年齢が少し上がるが、4対4で男女比は同数となる。
さらに、その義兄や義姉のきょうだいや配偶者を入れると、ほとんど年齢的には同窓会メンバーになる。
別に不思議でもなんでもないが、皆、似たような地域出身で、似たような学生時代を送り、似たような暮らしをしている。

さて、長い前置きだった。
(あれ?誰もいない、、、)

似たような年齢の似たような人々を横にズラリと並べると、どういう並べ方になるか。
美醜で並べるのも芸能人じゃあるまいし、意味がない。
好みもあるし、基準もあいまい。
わかりやすいところでは、頭脳。

嬉しいことに、と言えば良いのか、悲しいことに、と言えば良いのか、、、
わたしは飛び抜け、最下位である。
特に夫とわたしの格差が激しい。

小学校、中学校では(生徒数は少ない中)優秀な生徒は結構いたが、わたしが進学した高校では、(生徒数が多い割には)、中学ほど優秀な人はそれほどいなかったように思う。
少数精鋭vs一般。
なぜなら、優秀な生徒は私学や越境して他市に流出し、普通の生徒だけが地元高校に残る。
だが、あくまでも高校の時の話。

で、夫とわたしの格差は著しいのであるが、夫は、わたしの実姉や兄嫁には勝てない。
なぜなら、頭脳だけの問題ではなく、性格のせいもある。
夫は自分より劣る格下のわたしを傘下に選んで、優越感に浸っているのだろう。
たとえ夫のほうが優秀でも、すぐ後ろにピタと付いてくる姉や義姉は強敵。
義姉においては、同レベルか、抜いたり抜かされたり?
実姉もかなりなもの。
おかしなことを言えば鋭く指摘される。
キーンと斬れる刀の音が飛び交う。

わたしのように、はるかかなた、話にもならないような無接点に近いぐらいが、どんなことをしても、何をしても、しなくても、絶対に勝てる相手には神経をピリつかせなくてよいようだ。
ウサギと亀。
亀は永遠にゴールにたどり着かない。
試合以前に、レース種目やレース日時を間違えていたりする。

子供へは、遺伝子的にはどちらかと言えば頭脳面では優秀なDNAを受け継ぎ、問題はなかった。
幸か不幸か、わたしの遺伝子を受け継いだ子供はいなかったように思う。
いや、一人いるかも?(ごめんねー)


まあそれはそれとして。
優秀な頭脳を誇る夫。
最近、順調にエイジングしてきて、見ていると面白い。
どんなに優秀でも老化には勝てないようだ。
自分の老化を決して認めたくなく、忍び寄る脳への老化を全面否定しているかの如く見えるが、、、
ある意味、気の毒である。
もともと、高いものを持つ人はプライドも高く、たいへんである。
ご苦労様。

長嶋茂雄の如く、「なんてことはなく、来たボールを打てば当たるんだよ」のノリで、出来ない人の苦悩は理解できない明るい朗らかな人にとっては、初めての試練なのではなかろうか。

そういうタイプの人と、わたしは実は合う。
苦節何年、苦労の人は、努力を人にも要求してくる。
何?出来ない?
努力が足りない。
血の努力をしろ。

そういうハード熱血系より、むしろ長嶋茂雄風のほうが、軽くて爽やか。
ただ、さほど多くはいない。

あまり血の滲む努力系ではないため、人に強要したり、見下さないが、自分が出来ないという事実を認められないだろうなあと。
出来る人には出来る人の、ハードルが高すぎる故の悩みがある(ようだ)。
出来ない人の悩みなら、わたしはよくわかるが、出来る人が出来ないというのは、さぞや衝撃的落ち込みだろうと想像する。

しかし、毎日、自己主張のぶつかり合いの修羅場生活を共にしていると、出来る人を思い遣るこころを持つほど、わたしは余裕はない。
敵のマイナスは、こちらのプラス。
少しでも有利になるよう、敵の弱点を逆手に取る。
だが、あまりあからさまに攻撃すると、窮鼠猫を噛む、の被害者になりかねない。
ので、顔色を見ながら、、、。


ある時、夫が先にお惣菜を食べようとして、自分のお箸が無いと言ってきた。
お箸は夫の目の前に、本当に目の前の洗いカゴに入っていた。
わたしが、「目の前にあるやん」と言うと、急に怒り出して、
「そんな勝ち誇ったかのように言わなくてもいいやないか!
そんな大きな声で!」
と声を荒げる。

わたしは、キョトンとした。
そんな気はないのに、ひょっとして無意識下にそんな気があって、いかにも勝ち誇ったように言ったのだろうか??
いや、夫の被害者妄想だと思う。
だが、当事者同士は自分に有利に物事を捉えるため、ここで言い争っても不毛だ。

しかし、、だ、、、
例えば醤油。
いつも置いている場所とほんの10センチ程位置がズレているだけで、夫は無いという。
他にも「○○が無い」とよく言ってくるが、あるではないか。
よく探せないようだ。
まだ未発見、未解決ブツは他にもあると思われる。

あんなに頭脳には自信があった夫が、パープリンのわたしのいる、こちら岸に来ている。
きっとショックだろうなあ。
とは言いつつ、いつもわたしをボロカスに貶していたくせに、ざまあみろ、と、同情など微塵も感じず、いい気味であるが。
それが反映したのだろうか、、、?

そう言えば、父より10歳若い母が、「あんなに賢いおとうちゃんが、物忘れしたりする、、、」と驚いていたことがある。
と言っても父はリタイアすることなく現役のまま他界したから、さほど深刻なものではない(はず)。

しかし、我々、、、
言った、言わぬ、ドタバタ泥沼。
真相は謎。闇の中。
神経に障ることをほじくるほど、わたしは無神経&悪趣味ではないので、そっとしている。
こういうのを「放置」ともいう。