長谷川よしきのブログ

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視察2日目 桑名市で介護保険の予防介護について

2015年05月26日 | ブログ


視察2日目は、三重県桑名市役所を訪問しました。「介護予防・日常生活支援総合事業」の取り組みについて伺いました。
保健福祉部地域介護課の高橋課長様他2名、議会事務局の方で対応いただきました。

桑名市も三田市の人口と比べ、約3万に多い142千人。高齢化率はやや高い、24.15%。介護に関わる日常生活圏域は、中学校区単位よりやや広い地域として6つの圏域に設定されています。また、市役所本庁内に直営1か所の地域包括支援センターが他の5か所の委託をしたセンターを統括し、5つのセンターが6圏域を担当しています。

本年4月からの新制度導入・スタートの前にかなりの準備をされてきており、全国から視察に訪れているとのことです。
つまり、「総合事業」がどういう位置づけになるのかについて検討を加え、介護保険制度の「あり方」を根本から考えてきたとのことです。
自立支援の原点に立ち返り、お世話だけでなく、「生活全体の自立」支援が必要との位置づけです。

① 介護予防では、「元気な方は、そのまま元気でおられるように」、「元気のない方は、元気を取り戻し改善へ」
② 重度で介護の必要な方は、安易に入院・施設入所ではなく、在宅生活の限界点を高める。介護が必要となっても、住み慣れた地域で生活が継続できるように」
の観点で取り組みを進めておられます。

① 身近な地域での多様な資源を「見える化」し、創出していく。
② 他職種協働によりケアマネジメントを充実させる。
③ 施設機能を地域で展開させる・・・在宅生活を限界点まで高める。

①の「見える化」では、ADLの低下の原因を探り、どのように改善していくかと位置づけ、初期に「短期集中予防サービス」に取り組む.
これにより、改善が見られたら在宅で地域住民による「通いの場」へ参加していただき、介護保険制度ではなく、地域のボランティアのお世話になる。ここではInformal な活動を利用することとなります。この「短期集中」の予防では勿論保健師、OT.PTなどの専門職の指導によります。
こうした高齢者のリハビリは、「活動参加のアプローチ」とさらに進んだ「社会参加のアプローチ」を念頭に置いて取り組まれています。

介護または予防が必要となった時、市の窓口で「基本チェックリスト」によって振り分けられるのではなく、包括支援センターにて専門職jによって吟味され、さらに専門職によって当該者を訪問し、別の30項目にわたるチェックリストによる確認を行います。そのチェックリストを「地域生活応援会議」を利用し、検討のうえで、ケアマネジメントの充実が図られるようにしています。
つまり、ケアマネジャーによる「把握」が最も重要と位置づけされ、ケアプランが作成されます。こうして一人一人の事例について、丁寧に他職種の専門家たちによって分析、適切な予防ができるように共同してケアプランをつくるような形がとられています。

桑名市の特徴は、こうした「地域生活応援会議」を毎週火曜日と金曜日に各包括支援センターで開催し、毎週水曜日には市役所内の地域支援センターによる全体の応援会議の開催です。
これらができるのも、①グループが5件以下の事例を担当し、十分な把握ができるようにされています。また、ケアマネジャーが会議に提出するための利用者に関する情報を提出するために統一したフォームの様式やモニタリングシートを使われています。


こうしたきめ細かい対応をされていますが、それでも現場では様々な問題点、中でも「専門性」が「必要」と「不要」の線引きをどこに置くのかといった混乱が生じているのも事実。今後、専門家によるワーキンググループを立ち上げて明確化へ努力されようとしています。

これまでヘルパーさんによる生活支援が非専門家に変えられることによる「高齢者の変化の気づき」も課題になっています。

三田市では2年後の実施となっていますが、十分すぎる準備と検証が必要と考えます。

常任委員会の視察: 初日は愛知県刈谷市

2015年05月26日 | ブログ



市議会福祉教育常任委員会視察の初日は愛知県刈谷市役所を訪問しました。
刈谷市は我が三田市より3万人ほど人口が多い、149万人。議員定数は27人。
豊田市の隣でもあり、自動車関連の本社企業が多数あるということで、財政が豊かです。

刈谷市では、障害児教育の充実をと、「特別支援学校」の整備のための準備が行われており、すでに今年4月から始めた我が三田市ですが学ぶものがあるとして、視察をしてきました。

事前の質問をお届けしていたことに対する「回答」として、説明をいただき、続いて議員からの質問をおこなわれました。

特別支援教育についての基本方針では、「自立や射会参加」にむけて「一人一人の教育的ニーズ」に応じた支援を行い、「生きる力」を育成するとしています。
刈谷市では、この特別支援学校を「すべての障害種別を対象」にし、「センター的機能」を構築し、圏域全体の特別支援教育の充実を図るとしています。

質疑の中で、より明らかになってきたのは、
* 障害のある子供たちは、基本的には地元の学校(普通学校)に通っていただくことを理想として、すべての学校で障害のある子供が通えることを目指す(特別支援学校をつくったからそれで良しとするのではなく)
* スクールバスのあり方については、保護者が送迎することを基本とする。スクールバス利用は、保護者にとっては負担は減るが、子どもたちにとっては、乗り換えや長時間乗車により、かえって負担が増えることになる。あくまで子ども中心に考えた場合、果たしてスクールバス利用がよいのか、十分に考える必要があるとの見方です。
* 子ども本人や保護者にとって、希望を最大限重視する姿勢ですが、一方で子どもの将来を見通した場合、普通教育が良いのか、特別支援教育が良いのか、専門的な立場から保護者と徹底的に話し合って決めていくとのこと。
* 基本的にすべての学校にエレベーターを設置しています。
* 子どもに必要な看護師の配置に伴う費用負担は、「市」が行う。
* 給食センターを併設: 安全が第一であるch錠入り業務に関する機能はできる限り分散しないほうが適切に管理を行えるという観点から、併設としたとのこと。それにより、作り立ての給食が「保冷」配膳車に乗せて廊下を渡って届けられるという利点がある。

こうした、障碍者の一人一人の状況と要求に寄り添いながら、十分な理解を深めて進めようとされています。常に基本原則に立ち返って考え、実施していくことが大切と受け止めました。