常住坐臥

ブログを始めて10年。
老いと向き合って、皆さまと楽しむ記事を
書き続けます。タイトルも晴耕雨読改め常住坐臥。

梅雨

2023年06月16日 | 日記
梅雨に入って5日ほどになる。雨模様の日が続いている。白雄の句に「焚火にてもてなせれたるやついり哉」というのがあるが、気温は21℃と、焚火を恋しがるほどの梅雨寒ではない。外へ出るには傘が必要で、身体を動かすのは屋内の階段ということになる。そんなとき、思い浮かべるのは深山の新緑だ。身体ごと緑に染まりたい、という衝動にかられる。Bingのイメージクリエイターを使って、創画ができる。昨日、EUでは生成AIの規制が発表された。AIをつかった文や絵は、そのことが明示されなければならないらしい。この絵には、左隅に、AIが創ったことを示すbのロゴがある。

今日は歯科の予約がある。28本の内、欠けた葉は1本だけだが、被せた歯が4本ほどある。ここは歯磨きでは歯周病の進行を防げないが、歯科で定期的な掃除と点検が必要だ。その内一本被せた金属を外しての治療になる。80年も使用してきた歯だ。疲労による衰弱も止むを得ないか。歯で噛むという動作には大きな意味がある。唾液を出して、口腔内を洗浄してくれる。噛むことは脳に刺激を与え活性化する。食物を砕き、栄養をとる。歯を長持ちさせることは、それだけ高齢者の健康につながる。



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アジサイ

2023年06月14日 | 
梅雨に入って、アジサイが咲き始めた。2日前にコロナワクチンを接種したが、以前心配したような副反応はほとんどなく、接種翌日からほぼ平常の生活だ。近くで感染者も出ているので、ワクチンは打った方が安心できる。アジサイには牧野富太郎博士の解説がある。

「この花はかざり花で実をむすびません。花びらのように見えるのはがく、4ー5枚あります。がくの色は、花が咲きはじめたころは白く、のちしだいに青くなり、やがて青むらさき色に変わります。このように花の色が変わるので『七変化』ともよばれます。」

紫陽花や白よりいでし朝みどり 渡辺水巴

梅雨の雨に誘われて、怖い短編小説を読んだ。円地文子の『鬼』。30歳になろうとする女性編集者の心に住む鬼の話だ。熊野の旧家に生まれた華子は、学生時代から付き合う男性がいた。もう少しで結婚という段階にきて、夜夢をみるようになる。得体の知れない爬虫類のような気味の悪い怪物が出てくる。夢から覚めると、その正体が付き合っている彼氏のように思えてくる。こんな夢を見続けて、二人は次第に離れてしまった。

旧家を女手ひとつで守っていた母は、相手とも会い、華子の部屋で食事を作ってもてなしもした。その後も、華子は娘盛りであったので、結婚を前提にして付き合った男性が3人もいた。だが、どの場合も話が進展すると、最初の時と同じ夢にうなされて話がとん挫する。母の死後明らかになるが、この状況を作り出していたのは、母になかに住む鬼であった。母の死後、鬼は華子の心に移り住む。その鬼は、華子がやっと結婚した相手が、心をほかの女に移したときその女を死に追いやる。

小説は鬼を旧家に住みついたものとして描くが、実は人間そのものが鬼であるという怖い事実を暗示する。アジサイの七変化を見ながら、美しいものなかに存在する怖さに気付かされる。
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楽しむ

2023年06月11日 | 日記
雨になった。空は梅雨に入ったような雲に覆われている。最近、AIの画像生成を楽しんでいる。雲と青空と入力すると、爽やかな夏空が描きあがった。ヒマワリやアジサイなどの季節の花も、精度の高い画像を生成してくれる。こんな青空があるだけで、うっとうしい気分が癒される。山に行くことができない日、新緑の山中を描いてもらう。AIの描いた雲にも呼びかけることができる。

おうい雲よ
ゆうゆうと
馬鹿にのんきそうじゃないか
どこまでゆくんだ
ずっと磐城平までゆくんか (山村暮鳥)

テレビに生成AIの話がながれた。この絵を描く機能を使ってフェイクニュースができるらしい。洪水の絵が余りにリアルで、どこそこの地方で大災害が起きた、というニュースが作られた。AIのテクノロジーは、その使い方で悪用も可能だろう。しかし、テクノロジーが人類の未来のために活用できるはずだ。すでに学校の授業で、子供たちがその可能性を学んでいる。

まずチャットgtpの活用方法を試してみる。「興味があるからやるというよりは、やるから興味ができる場合がどうも多いようである。」とは、物理学者寺田寅彦の言葉だ。人生いくつになっても、新しいことを始めてみる、楽しんでみる。そのことが、生きがいの出発点になる。AIの絵に対比させて、昨日咲いたスモークツリーの写真を上げておく。

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ブナに会う

2023年06月09日 | 登山
前週の磐梯山が樺の山であるの対して、胎蔵山はブナの山だ。日本海を渡る冬の気団が雪を降らせる庄内の山には、びっくりするようなブナの巨木がある。ここにも弘法清水という伝説の湧き水がある。中の宮という神社の近くである。この付近の標高は600m前後、このあたりから山は植林の限界となり、ブナの古木が見え始める。エゾハルゼミの甲高い鳴き声が、森の静寂を破る。ブナの森は、鳥やクマ、カモシカなどの生命を育む。山道に入る前、「熊出没」のノボリが目を引く。ほどなくして山道脇に、熊の糞がこんもりとある。村人は、この熊と共存しながら、山の自然を守ってきたように思う。ブナの新芽や実は熊の好物でもある。山道の案内版に、深い熊の爪痕が二ヶ所残っていた。この山を熊が駆け回り、何種類もの鳥たちの生存の場所であるこの証だ。

白山にブナを見に行った高田宏の記述がある。高田は案内者と一緒に、ブナの木に残された熊の爪痕を目撃する。
 
「大丈夫ですか、熊は出てきませんか」と案内のUさんに聞くと、どこかそこらへんにいるでしょう。だけど、絶対に大丈夫です、と言う。千振尾根の標高1000メートルから1600メートルぐらいにかけてブナの森がつづいているのだが、ここにいると不思議なくらい気持ちがやすらいでくる。」

高田はブナの森をそんな風に書いているが、この日の胎蔵山の登山では、その記載と同じやすらぎを味わった。竹藪には、太いネマガリダケが伸びだし、谷筋の斜面には一面の覆い尽くすようなミズの群生である。タケノコは、早朝に熊が食べ、人はその後に残りを採る。ついでにミズを採って汁ものを作ったであろう。こんな里山には、動物や人間の共存の関係が成立していた。山を切り開き、ブナを伐採した山には、熊の食べ物がなくなる。町うちに熊が出没するような事態は、自然を破壊してきた人間のあり方が問題だ。


コメント (2)
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ハーブのある暮し

2023年06月06日 | 日記
風が去ったあとも強い風が二日ほど吹いた。ベランダで育てているバジルが一本、風のために折れたようにプランターのなかに倒れていた。鉢の土をあつめてバジルの根本に盛って、倒れたバジルを起こし、真直ぐに立てて水をやった。顔をちかづけるとなんとも言えないバジルのいい香り。先端の葉芽を三つほど採って、刻んでトマトのサラダに混ぜ込む。サラダに香りがつき、一味深いおいしさになった。今日は」おいしい「バジル記念日」
バジルの隣の鉢はカモミール。真ん中に、新しい芽がどんどん伸びている。やがて花をつけると、収穫の合図。こちらは熱い湯に浮かべて、カモミールティーで味わう。収穫まであと少し。その時を待って毎日の水やりが楽しい。ハーブの本に、ハーブの楽しみが二つ紹介されていた。一つは、水やりをしながら手入れの育てる楽しみ。そして収穫の時の得も言われぬいい香り。その香りが、色々の料理とおいしくしてくれる。
散歩の途中に見つけたミント。イワダレソウの花に混じって、右に上の方のつやのある葉が目につく。芯に目を摘むと、懐かしいミントの香りが鼻をつく。持ち帰って、ミントティーを楽しむ。ハーブにはその種に特有のいい香りがある。その多様性も、ハーブの暮しを豊かにしてくれる。ベランダのトマトは実を大きくしている。キュウリの根本の一番花が朝、しっかり咲いた。犬や猫などペットよりも、かわいい植物たちだ。餌こそねだらないが、水やりをわすれるとダラリと垂れて、水を求めてくる。声はなくとも、その姿の元気で、人に話しかけてくる。
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