常住坐臥

ブログを始めて10年。
老いと向き合って、皆さまと楽しむ記事を
書き続けます。タイトルも晴耕雨読改め常住坐臥。

梅雨入り

2020年06月09日 | 源氏物語
こんな夕焼けになった後、暑い日が続く。今日、明日と猛暑日となるらしい。そのあと、大陸から張り出していた高気圧が東へと抜けていくと、南の海上に停滞していた梅雨前線が一気に北上、11日から東日本の広い範囲で梅雨入りになるらしい。
いまだコロナの終息も見ないままに迎える梅雨。大雨で、洪水などの災害が起きると、避難所ではコロナ対策も必要になり、さらに大きな負担が加わることになる。

梅雨は梅の実がみのるころの雨で、梅の木を見ると、実が大きくなっているのに驚く。その脇にあるサクランボの木を見ると、こちらもそろそろ色づき始めた。梅雨を昔は五月雨(さみだれ)と呼んだ。さは五月(さつき)のさ、みだれは水垂れの意で、五月の雨ということになる。旧暦の五月は、今の六月である。源氏物語の「帚木」の「雨夜の品定め」が有名である。うち続く五月雨に足止めと、宮中の物忌が重なって雨の長い夜、源氏や葵の上の弟頭中将らは、時間つぶしに女から来た恋文を見せて、とせがむ。やがて、話は女性の品定めへと移っていく。おりしも来合わせた左馬頭は、得意になって女性関係の失敗談に話が弾む。

そこで語られるのが、「中の品」と分類される女性である。源氏たちが普通の付き合う女性とは違って、受領層の女性の魅力が語られる。いわゆる地方の国司や受領などの妻や娘たちである。源氏はもっぱら聞き役であったが、この「中の品」の女性に興味を抱く。嫉妬深い女、浮気な女、内気な女、才女など、貴族の女たちにはない奔放な性格を読み取ったのだろう。源氏が方違いと称して出向いたのは中川の紀伊守邸である。そこで出会ったのが、「中の品」の女性空蝉であった。

数ならぬ伏屋に生ふる名の憂さに
 あるにもあらず消ゆる帚木 空蝉

取るに足らぬ貧しい家柄故に、あの言い伝えである帚木のように消えてしまます、という歌を残して、打掛をだけを残して源氏の前から姿を消した。帚木はホウキを逆さまにしたような木で、遠くからは見えるが、近寄ると見えなくなる伝説の木である

コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« ニゲラ | トップ | マスク »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿