常住坐臥

ブログを始めて10年。
老いと向き合って、皆さまと楽しむ記事を
書き続けます。タイトルも晴耕雨読改め常住坐臥。

ラベンダー

2024年05月22日 | 日記
ベランダにラベンダーが二鉢ある。春に買ったものと、一冬越してものだ。ベランダに置いたままの鉢は、寒さにやらて終わりかと思っていたが、葉先から新しい芽ががでて、その先に花茎が伸びだしてきた。茎は光の向かって、方々に勝手に伸びるので始末が悪い。棒をさし、茎をまとめて束ねてみた。先端の花は紫になってもうすぐ花が咲くらしい。玉村豊男の『ヴィラデスト菜時記』にラベンダーを育てる話がある。

「ラベンダーのこんもりと繁った株からは数百本の茎が伸び、それぞれの茎に数箇所、数にすればさ30個くらいのつぼみがつく。つぼみははじめは硬く、淡い緑色をしているが、、初夏の日差しが強まるにつれてしだいにふくらみ、独特の青紫色に変わっていく。(中略)つぼみの先からはじけるように、小さな紫がかったピンク色の花弁が開いていく。」

この咲き始めが、花穂の収穫時期。いちばん香りがいいからだ。収穫した茎は、乾燥室に吊るして保存しておく。そして秋の農作業の終わるころに乾燥した花茎を、リースに編んで花冠を作る。冒頭のリースの絵は玉村氏が描いたリースの絵だ。本のイラストを写真に撮って使わせていただいた。子供たちが小さかった頃、野でタンポポの花を取り、花冠にして頭にのせて遊んでいたのを思い出す。ラベンダーも花の香りを楽しんだあとは、ドライフラワーにして冬に見る楽しみを説いている。リースは終わりない命のシンボル。西洋の人は、こんなしゃれたものを飾って人の長寿と健康を祈ったのだ。ラベンダーを育てるという単純作業のなかに、人間の営みの深い意味が隠されている。
コメント
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