常住坐臥

ブログを始めて10年。
老いと向き合って、皆さまと楽しむ記事を
書き続けます。タイトルも晴耕雨読改め常住坐臥。

春を待つ

2018年02月06日 | 日記


朝、青空が見えて、春近い景色になった。しかし、気温は上がらず、昼頃から雪になる。そろそろ、春が待ち遠しい気分である。道元禅師の和歌がしきりに思い出される。先日の詩吟新春の集いで、武田本部長が吟じた歌である。

春は花 夏ほととぎす 秋は月 冬雪さえて すずしかりけり  道元

かってノーベル文学賞を受賞した川端康成が、授賞式の講演で日本の美について語り、その冒頭に紹介した歌である。日本には四季それぞれに美がある。冬の雪の美しさは、私自身さえかえる雪山の景観のなかで何度も確認している。その寒さを「すずしかりけり」と表現したところに、道元の特異性がある。今年のような寒い冬のなかにあっては、室内に咲きはじめた花を見ながら春を待ちわびるのは、私を含め一般的な日本人の性である。

それにしても、この歌のすばらしさをどう言えばいいのか。四季をたった一語でシンボライズする的確さに感服する。春の花、夏のほととぎす、秋の月、そした冬の雪。この歌こそ、日本に生れて、四季それぞれの美のなかに身を置くことのできる幸せを、改めて知らせてくれる。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする